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2006年12月21日 (木)

追悼・宮内国郎先生

 実相寺監督の訃報を聞いたあと、ほどなくして、『ウルトラQ』『ウルトラマン』の音楽を担当した宮内国郎先生の訃報に接しました。亡くなったのは11月27日でした。
 宮内国郎といえば、『ウルトラQ』『ウルトラマン』『快獣ブースカ』『トリプルファイター』など、数々の円谷プロの特撮テレビ番組の音楽を書いた作曲家。
 『ウルトラQ』がテレビ原体験の私としては、ほんとうにショック…、そして、切ない気持ちです。

 『ウルトラマン』の実相寺演出回でも、宮内国郎の音楽が印象的に鳴っています。「快獣墓場」でシーボーズのテーマとして流 れるものがなしいチェンバロの曲。「恐怖の宇宙線」ではこのエピソードのための録音が行われ、ペーソスたっぷりの音楽が全編を彩っています。「故郷は地 球」でジャミラの悲劇を描写するストリングスの悲愴な音楽。
 ウルトラマンの戦闘テーマに代表されるような、力強く親しみやすい音楽が宮内先生の真骨頂であったと思いますが、一方で、感情をゆさぶる情感あふれる音楽も得意としていました。
  そのルーツであり代表作ともいえるのが、特撮映画『ガス人間第一号』の音楽です。SFサスペンスとメロドラマが合体したこの作品では、サスペンス音楽と悲 劇的な情感曲が音楽設計における2つの柱になっています。緊迫感に富んだサスペンス音楽は秀逸で、『ウルトラQ』『ウルトラマン』の快獣・宇 宙人の出現場面にたびたび使用されました。しかし、映画を牽引するのは、悲劇的な恋の音楽です。ドラマティックな曲想は、『ウルトラマン』 などのジャズタッチの音楽とは対照的です。でも、そのドラマティックな部分が、宮内 国郎音楽の原点だったのではないかな、と思うのです。宮内国郎先生の音楽は、人間だけでなく、快獣もやさしく見守っているような気がします。だ から、「快獣墓場」や「恐怖の宇宙線」「故郷は地球」といった作品に胸をゆさぶられるし、「まぼろしの雪山」や「恐怖のルート 87」といった作品が、まるで昔からなじみのある民話のように、子どもの心に響くのではないでしょうか。
 宮内先生の力強い主題歌のメロディも大好きでした。劇中曲を担当していない『宇宙猿人ゴリ(スペクトルマン)』『恐竜戦隊コセイドン』も、主題歌 を一度聴いたら忘れられません。そして、'79年に登場した『ザ・ウルトラマン』。ウルトラファンには不評らしいですが、私は大好きな作品です。その理由 のひとつが、宮内先生作曲の主題歌です。この歌を聴いたとき、30年の時を経て「ふたたび「ウルトラマンが帰ってきた!」と強烈に思いました。劇中曲も、 『ウルトラマン』をほうふつさせる暖かみのある音楽でした。追加録音で冬木透先生が参加して、音楽担当に二人の名前がクレジットされたときは、もう夢のよ うな気分でした。
 最近では、『ウルトラQ dark fantasy』(2004)で、「ウルトラQのテーマ」を自ら編曲。ファンにはうれしいプレゼントでした。

 わくわくするような宮内サウンドの新曲がもう聴けないとは、ほんとうに残念です。

 できれば、追悼企画として、『ガス人間第一号』のサントラ、そして、キングの「交響詩ウルトラマン(「交響詩ウルトラセブン」とカップリング)」とポリドールの「交響組曲 恐竜」を復刻してほしいです。特に後者2枚は映画『実相寺昭雄監督作品 ウルトラマン』のサウンドトラックとしても使われているのですから。

ウルトラサウンド殿堂シリーズ(1) ウルトラQ
 ウルトラサウンドの原点となったアンバランスワールドの音楽。『ガス人間第一号』からの流用曲も収録。構成・解説は浅井和康氏。

 : アルバムジャケット

ウルトラサウンド殿堂シリーズ(2) ウルトラマン
 代表曲をエピソードごとにまとめて収録。当時としては、海外TVドラマ音楽のようなしゃれた音楽だった。

 : アルバムジャケット

ウルトラサウンド殿堂シリーズ(8) ザ・ウルトラマン
 「組曲 ザ・ウルトラマン」をSE抜きで全曲収録。冬木透の「交響詩 ザ・ウルトラマン」をカップリングしたお得な1枚。

 : アルバムジャケット

ウルトラQ dark fantasy マニアトラックス
 タイトル曲のアレンジを担当。BGMは多田彰文が作曲している。

 : アルバムジャケット

 ***

 以下はCD復刻大希望のアルバム。

◎交響詩ウルトラマン/ウルトラセブン
 「交響詩ウルトラマン」は1979年発売。『ウルトラマン』のBGMを暖かく、スケール豊かにアレンジしなおした傑作だ。各曲はメドレーではなく、単独の曲をじっくりと料理している。一方「交響詩ウルトラセブン」は、代表曲をドラマチックに配した構成。本格的なオーケストラサウンドでつづるSF交響曲といった趣である。

 

◎交響組曲 恐竜
 「恐竜」をテーマに組曲にしたてた企画盤。円谷皐がプロデュースを務めた。こちらは1978年発売。『ザ・ウルトラマン』の原型とも呼べる音楽である。

 

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