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2007年3月

2007年3月24日 (土)

ANIMEX1200ファイナル!

 3月21日、コロムビアの<ANIMEX1200シリーズ>第6期が発売されました。
 通算ナンバーは、151~170。特撮10枚、アニメ10枚の計20タイトルです。各アルバムのライナーのミニ解説を担当しました。

<ANIMEX1200シリーズ 第6期>
[151]仮面ライダーBLACK RX 音楽集 (COCC-72231)
[152]地球戦隊ファイブマン 音楽集 (COCC-72232)
[153]鳥人戦隊ジェットマン 音楽集 (COCC-72233)
[154]Symphonic Fantasy 恐竜戦隊ジュウレンジャー 第I章~聖なる5人~ (COCC-72234)
[155]五星戦隊ダイレンジャー 音楽集I (COCC-72235)
[156]忍者戦隊カクレンジャー 音楽集 (COCC-72236)
[157]交響組曲 超力戦隊オーレンジャー (COCC-72237)
[158]交響組曲 ウルトラマンG (COCC-72238)
[159]テレビオリジナルBGMコレクション マイティジャック (COCC-72239)
[160]映画オリジナルBGMコレクション 大魔神 (COCC-72240)
[161]ビックリマン ~歌と音楽集~ (COCC-72241)
[162]スーパービックリマン 音楽集 ~テラサピエンス組曲~ (COCC-72242)
[163]こちら葛飾区亀有公園前派出所 音楽集 (COCC-72243)
[164]よろしくメカドック 音楽集 (COCC-72244)
[165]夢戦士ウイングマン 音楽集 Vol.2 (COCC-72245)
[166]音楽詩集 ピアノ協奏曲 魔法使いサリー (COCC-72246)
[167]新・キューティーハニー ミュージックコレクション Vol.1 (COCC-72247)
[168]The かぼちゃワイン 音楽集 (COCC-72248)
[169]オリジナル・ビデオ・アニメ 破邪大星ダンガイオー 音楽集 (COCC-72249)
[170]交響ファンタジー ジャングル大帝 (COCC-72250)

 目玉は初CD化となる「マイティジャック」「よろしくメカドック」「The かぼちゃワイン」あたりでしょうか。「かぼちゃワイン」の音楽は東海林修さん。「よろしくメカドック」は高橋洋一さんの仕事です。

 : The かぼちゃワイン  : よろしくメカドック

 「マイティジャック」は、VAPから発売されていた「ミュージックファイル」がすでに入手困難なので、うれしい復刻です。今回の「テレビオリジナルBGMコレクション」は、『戦え!マイティジャック』(音楽は、昨年末亡くなった宮内国郎!)とのカップリング。このアルバムがCDになるのははじめてなんですよ。冨田勲と宮内国郎の共演というだけでコーフンです。それに、ジャケット写真がめちゃカッコいい!

 : マイティジャック

 川村栄二先生の「仮面ライダーBLACK RX」「五星戦隊ダイレンジャー」「忍者戦隊各レンジャー」もお気に入りの作品です。「ダイレンジャー」はのちの「COMPLETE MUSIC COLLECTION」に未収録の音楽も収録されてます。

 : 仮面ライダーBLACK RX : 五星戦隊ダイレンジャー : 忍者戦隊各レンジャー

 「音楽詩集 魔法使いサリー」の音楽は、ピアニストとしても活躍する美野春樹さん。ロマンティックな音楽とピアノが堪能できる名盤です。

 : 音楽詩集 魔法使いサリー

 「ビックリマン」と「スーパービックリマン」は、一昨年亡くなった有澤孝紀さんの仕事。この2枚も、広く聴いてほしいアルバムです。「ビックリマン」はオリジナルがカセットのみの発売だったため、変わったジャケットデザインになりました。

 : ビックリマン : スーパービックリマン

 伊福部昭先生の「大魔神」も加わり、追悼発売みたいな形になりましたね。

 : 大魔神

 「破邪大星ダンガイオー」も宙明先生の80年代名作の1つです。主題歌はミッチ&水木一郎。お持ちでない方はこの機会にぜひ聴いてみてください。リマスタリングによって音質もよくなっていますので、お持ちの方もどうぞ。

 : 破邪大星ダンガイオー

 また、ワーナーから発売されていた『究極超人あ~る』のアルバム4枚も、<ANIMEX Special Selection>として発売。こちらもミニ解説を担当しています。

<ANIMEX Special Selection>
[11]究極超人あ~る どらまSPECIAL (COCX-34231)
[12]究極超人あ~る 真夏の一夜漬 (COCX-34232)
[13]アニメ・オリジナル・カラオケ 究極超人あ~る編 (COCX-34233)
[14]究極超人あ~る SPECIAL "R" BOX (COCX-34234~35)

 「あ~るBOX」は、OVA版のサントラ。音楽は山本正之+田中公平先生。2枚組¥1,890です。山本正之先生の名曲「飯田線のバラード」は、この作品から生まれました。

 : 究極超人あ~る BOX

 Specialを加えると200枚を超えるヒット・シリーズとなった<ANIMEX>ですが、今回のリリースでひと休みとなるようです。

 でも、まだまだ名盤が残ってるんですよね。ハネケンの『怪奇!フランケンシュタイン』、玉木宏樹『ルパン対ホームズ』、鈴木宏昌(海のトリトン)の『海底大戦争 愛の20000マイル』、宮川泰&羽田健太郎の『オーディーン 光子帆船スターライト』……。
 音楽集がVol.2、Vol.3とある作品がVol.1しか発売されないのも惜しい。
 まだまだ聴きたい!という方は、コロムビアさんにリクエストのお便りを送ってください。

2007年3月22日 (木)

官能のミシェル・ルグラン

 放送は終わってしまいましたが、3月11日と18日の『題名のない音楽会21』、そして3月13日の『徹子の部屋』(いずれもテレビ朝日系)に、ミシェル・ルグランが出演しました。

 作曲家・ピアニスト、ミシェル・ルグラン。
 『シェルブールの雨傘』をはじめとする映画音楽で広く知られています。

 同じフランスの映画音楽作家、フランシス・レイやフランソワ・ド=ルーべ、モーリス・ジャール、ジョルジュ・ドルリューらと比べると、ルグランはすごく官能的。聴いていて身もだえするような色気がある。でもべたべたしてない。大人の香りのお酒、という雰囲気です。
 おしゃれで、ジャジーで、抜群のメロディメーカー。私の中では、フランスのヘンリー・マンシーニみたいな位置づけです。

 私が好きなのは『華麗なる賭け』。小学生のときに「風のささやき」を聴いて、すっかりファンになりました。映画も実におしゃれ。画面を幾つもに分割する斬新な映像は、『エースをねらえ!』などの出崎アニメに影響を与えてるのではないかと思うのですがどうでしょう。

 2005年にデジタル・ニューマスターで公開された『ロバと王女』もいいです。カトリーヌ・ドヌーブのロマンティックなおとぎ話。ルグランて『シェルブールの雨傘』のような哀愁ある曲が有名ですが、ユーモラスな曲や明るい曲にも、はっとするようないいのがあります。

 それに、なんといっても歌。ルグランの曲は、どれも歌詞をつけて歌えてしまう。全てのセリフが歌になっている『シェルブールの雨傘』みたいな作品が成り立ったのは、ルグランのメロディあってこそですよ。今回のテレビ出演で、ルグランがピアノ弾きながら自作曲を歌っていましたが、実に味がありました。作曲もこんな風に歌いながらしているのではないかな、と思ってしまいました。

 ルグランのアルバムは、どれもジャケットがすてきです。

シェルブールの雨傘

 : シェルブールの雨傘

ロシュフォールの恋人たち
 リマスター完全版が登場!

 : ロシュフォールの恋人たち

ロバと王女

 : ロバと王女

華麗なる賭け

 : 華麗なる賭け

エヴァの匂い

 : エヴァの匂い

ル・メイユール・ドゥ・ミシェル・ルグラン
 代表曲を集めたベスト盤。23曲入り。

 : ル・メイユール・ドゥ・ミシェル・ルグラン

 今年秋、6年ぶりの来日が実現。大阪、愛知、東京をめぐるコンサート・ツアーが行われます。

 ミシェル・ルグラン ジャパンツアー2007

 チケットは3月24日から各プレイガイドより発売です!

2007年3月20日 (火)

3月18日 うちやえゆか in 「あにまーと ないとVol.2」

 3月18日は、うちやえゆかさんが出演する「あにまーと ないとVol.2」に足を運びました。
 会場は秋葉原の<Live Garage 秋田犬>。

 あにまーとは、『プリキュア』の音楽制作などをやっている音楽事務所。名前は音楽用語animatoから採られています。私もなにかとお世話になっています。

 うちやえさんは、横倉瞳さん(OWL)、澪さんに続く3番手。

<set list>

 1. 今日も元気! (『ふたりはプリキュアSplash☆Star』挿入歌)

 ブログ・タイトルにもなり、うちやえさんのテーマと言ってもいい、この曲でスタート。

 2. 手紙 (オリジナル)
 3. マイ・ピュア・レディ (尾崎亜美のカヴァー)

 今回は大人の雰囲気で進みます。
 ここで、ピアノ弾き語り(!)で2曲。サプライズはうちやえさんのピアノでした!!

 4. 桜路(さくらみち) ~ひとひらの夢~  (オリジナル・新曲.)

 桜並木をイメージして書いたというオリジナル曲。

 5. バラードの肌ざわり  (オリジナル)

 Youca時代のオリジナルですよー。
 弾き語りが終わったうちやえさん、「やったー、終わった!」と晴れ晴れした表情でした。
 続いて、『プリキュア』から3曲。

 6. 奇跡の雫 (『ふたりはプリキュアSplash☆Star』挿入歌)
 7. my growing days (『ふたりはプリキュアSplash☆Star』挿入歌)
 8. まかせて★スプラッシュ☆スター★ (『ふたりはプリキュアSplash☆Star』OP)

 9. しあわせの予感 (『家なき子レミ』ED)

 ラストは、1996年の世界名作劇場『家なき子レミ』のエンディングテーマ。Youcaセカンド・シングルとして発売されました。生で聴けるとは、感激……。

 今回は「二の線で行きます」と宣言したうちやえさん。ピアノ弾き語りのあとは、いつものテンションで飛ばしてましたが、ラストはしっとり決めて、いつもとちょっと違う雰囲気でした。お疲れさま!

 終演後の打ち上げでは、あにまーとのF田さんやバンドメンバと歓談。お酒談義で盛り上がったのでした。

 Dscf0424

 今回贈った花。「春らしく」とお願いしました。らしいでしょ。

2007年3月19日 (月)

3月16日 やの雪「テルミンの世界」 in 東京文化会館

 3月16日。やの雪さんのテルミン・コンサートが、上野の東京文化会館小ホールで開催されました。

 やの雪さんは、私のテルミンの師匠。私はお手伝いで、舞台裏から聴いていましたが、一瞬だけ、黒子として舞台にも登りました。
 この日の目玉は、真空管を使ったRCAテルミンの演奏。電子回路以前の手作りの音です。ラフマニノフの「ヴォーカリーズ」が演奏されました。温かみがある音色は、どこか郷愁を誘います。
 そして、もう一つの目玉が、やの雪門下生による「テルミン六重奏」。「グリーンスリーブス」が演奏されました。ちょっと緊張していたようですが、上出来です。それから、やの雪指揮による、「ドローイング・ミュージック」。音符ではなく、波線や折れ線で描かれたスコアを演奏する、テルミンならではの曲です。

 客席は満席。手塚真さん、岡野玲子さんの姿もありました。

 しかし。
 実はこの日、大変なアクシデントがあったのです。

 六重奏で第1部が終わり、休憩のあとの第2部。やの雪さんが演奏中に気を失って倒れてしまったのです。
 私は楽屋のモニタで見てました。
 倒れるやのさん。舞台から転げ落ちるテルミン。
 大急ぎで舞台裏に駆けつけました。

 やのさんの状態は深刻ではなく、15分ほどで復活。その間、司会のサエキけんぞうさんの機転の利いたフォローに救われました。
 テルミンの演奏に集中して、貧血のような状態になってしまったのですね。

 テルミンって、鍵盤も弦もなく、手を2本のアンテナに近づけて、触れずに演奏するのです。ピッチ(音程)もボリュームも、手の微妙な動きで調節します。私なんかが鳴らしても「ぶよよよよ~」としか言いませんが、達人はヴァイオリンのような艶のある音を出すことができる。でも、非常に集中力を要する楽器で、しかも、立ったまま演奏する。その上、この日は午後から通しリハをして、そのまま本番だったのです。テルミニストには厳しいコンディションであったと思います……。

 舞台から落ちたテルミンは、奇跡的に壊れておらず、音が出ました。
 やの雪さんは、復活後、4曲を弾いて終演。
 この不屈の精神には驚嘆、感動しました。
 客席も舞台裏も、拍手拍手でした。

 終演後は笑顔も出ましたので、やの雪さんは大丈夫でしたよ。

サエキけんぞうさんのブログ
手塚真さんのブログ

アイムーン(やの雪)
 「テルミンは色物」的印象を打ち砕く、やの雪ソロアルバム。豊かな音色、多彩な表現を堪能できる。

 : アイムーン)

2007年3月14日 (水)

3月11日 宮川泰メモリアル・コンサート

 3月11日、NHKホールで開催された「宮川泰メモリアル・コンサート」に足を運びました。

 宮川先生が亡くなったのが、2006年の3月21日。一周忌を目前にしてのコンサートです。

 NHKホールは満席。入り口を入った正面で、奥様が訪れる観客に挨拶していらっしゃいました。年配の客が目立つのは、音楽活動で縁のあった方が多かったのでしょうか。ずらりと並んだ献花も、歌手、作曲家、プロダクション、レコードメーカー……、そうそうたる名前ばかり。

 開演時間になり、生前の宮川先生のピアノ演奏の音とともに、正面スクリーンに宮川先生の思い出の写真が投影されていきます。
 ピアノの音が消え、ブラスバンドが奏でる「ゲバゲバ90分のテーマ」が高らかに鳴りわたると、曲は元気で威勢がいいのに、ちょっと泣きそうになってしまいました。

 オーケストラは、この日のために集まった「宮川泰メモリアル・オーケストラ」。「名匠 宮川組」のメンバーである、上柴はじめ(ピアノ)、市原康(ドラムス)、萩谷清(ギター)、伊藤昌明(ベース)、平原まこと(サックス)、石山実穂(ラテン・パーカッション)に加え、トランペットの数原晋ら宮川先生を慕うミュージシャンが集結。弦が15人、金管が8人、木管5人、クラシックパーカッション、シンセ、コーラス6人(男声3、女声3)と、総勢40人ほどのオーケストラです。音楽監督・指揮はもちろん、宮川彬良氏。

 堺正章と井上順の軽妙な司会で、終始笑いをまじえた、楽しい音楽会となりました。ユーモアを好んだ宮川先生を偲ぶ会にふさわしい内容でしたね。


<演奏曲リスト>
 (演奏者に間違いがあるかもしれません。お気づきの方はお知らせください)

1.「ゲバゲバ90分」のテーマ (駒沢大学吹奏楽部&宮川泰メモリアル・オーケストラ)
2.「ザ・ピーナッツ」メドレー
  恋のバカンス (堺正章&井上順)
(以下、女性歌手陣が二人ずつペアを組んで歌唱)
  ウナ・セラ・ディ東京
  恋のオフェリア
  ジューン・ブライド
  ふりむかないで
  恋のバカンス (全員)
3.テーマ音楽メドレー
 (宮川泰メモリアル・オーケストラ)
  昼のプレゼント
  シャボン玉ホリデー
  ゲバゲバ90分
  二人のビッグショー
  てるてる家族
  ズームイン朝!
  午後は○○おもいっきりテレビ

<宮川アレンジの世界>
4.恋のフーガ (中尾ミエ&伊東ゆかり)
5.大阪ラプソディー (坂本冬美)
6.銀座カンカン娘 (川中美幸)
7.イエスタデイ (ジュディ・オング)
8.サウンド・オブ・サイレンス (田辺靖雄&九重佑三子)
9.勝手にしやがれ (梓みちよ)

10.海を見つめて (布施明)

(休憩)

11.組曲「宇宙戦艦ヤマト」より
 (宮川泰メモリアル・オーケストラ、スキャット:川島和子)
  序曲
  宇宙戦艦ヤマト (vo:ささきいさお)
  大いなる愛
12.真赤なスカーフ (ささきいさお)

13.何も云わないで (園まり)
14.淋しいから (中尾ミエ)
15.青空のゆくえ (伊東ゆかり)
16.逢いたくて逢いたくて (園まり)
17.君をのせて (田辺靖雄)
18.浮気なあいつ (ジュディ・オング&九重佑三子)
19.シビレ節 (黒沢裕一&コーラス)
20.涙のかわくまで (坂本冬美)
21.花と涙 (川中美幸)
22.愛のフィナーレ (布施明)

23.若いってすばらしい (全員)
24.銀色の道 (全員)


 ベテラン歌手勢ぞろいの、なんともぜいたくなコンサートでした。真っ赤な衣装で決めた梓みちよ、渾身の熱唱で客席をわかせた布施明、ポップな曲から演歌まで歌いこなす坂本冬美、いくつになっても愛らしい園まりとジュディ・オング、そして、30年前そのままの歌声のささきいさお。
 合間には、彬良氏や歌手たちが宮川先生への思い出を語るトークコーナーも設けられ、さらにゲストで服部克久、松本零士らが壇上に登って、宮川先生を偲びました。

 ラストは、客席もいっしょに「銀色の道」を歌ってフィナーレ。アンコールはなし。
 宮川先生の新しい曲と演奏がもう聴けないのはほんとうに残念ですが、暖かくて、切なくて、人間味あふれる宮川サウンドは不滅です。胸がいっぱいで、またまた涙。

 終演後も鳴り止まぬ拍手が、先生に届いたでしょうか。

 パンフレット

 会場売りのプログラム。1000円。詳細な年表と作品リストがついており、資料価値も高いみごとなもの。

 下は会場で先行発売された宮川先生の一代記(聞き書き)。楽しいエピソード満載です。

若いってすばらしい-夢は両手にいっぱい 宮川泰の音楽物語 (産経新聞出版)

 : 若いってすばらしい

ポップスの巨匠・宮川泰の世界 (テイチクエンタテインメント)
 この日演奏された曲の多くが収録されたメモリアル盤。

 : 宮川泰の世界

THE HIT PARADE Hiroshi Miyagawa (コロムビアミュージックエンタテインメント)
 テーマ音楽メドレーと宮川彬良編「組曲・宇宙戦艦ヤマト」はこちらで。

 : THE HIT PARADE

2007年3月 6日 (火)

3月4日 伊福部昭音楽祭 in サントリーホール

 久しぶりのサントリーホール。開演30分前に着いたら、すでにロビーは多くの人で混み合っている。著名な作曲家や映像音楽関係者らの顔もちらほら。知っている人にあいさつしながら奥へ。

 2006年2月に亡くなった作曲家・伊福部昭のメモリアル・コンサートです。

 2度の休憩をはさんだ、3部構成。

 第1部 伊福部昭とヴィルトゥォーゾ
 「音楽の生まれる時」

・二十五絃箏甲乙奏合交響譚詩[2001]
 (筝:野坂惠子 小宮瑞代)
  トーク:野坂恵子
・アイヌの叙事詩に依る対話体牧歌[1956]
 (歌:藍川由美 ティンパニ:高田みどり)
  トーク:藍川由美

 第2部 映画の世界
  「映画人、伊福部昭を語る」

・SF交響ファンタジー 第1番[1954/1983]
 (本名徹次指揮、東京フィルハーモニー交響楽団 以下同)
  トーク:富山省吾
・銀嶺の果て[1947]
・座頭市物語[1962]
・ビルマの竪琴[1956]
  トーク:本名徹次
・「わんぱく王子の大蛇退治」より“アメノウズメの舞”[1963]
  トーク:高畑勲
・オーケストラのための特撮大行進曲[1999/2007]

 第3部 管絃楽の響
  「大楽必易」

・管絃楽のための「日本組曲」[1933/1991]
・シンフォニア・タプカーラ[1954/1979]

 伊福部昭というと「重厚」「始原的」というイメージがあります。しかし、今回は、躍動感にあふれた、エネルギッシュな音楽との印象が残りました。たとえば、第3部「シンフォニア・タプカーラ」の力強い演奏。ダイナミックな打楽器の響き、ブラスのきらびやかな音色、弦楽器群の激しい動き。現代的で若々しい音です。これまでCDで聴いたどの演奏よりも、テンポが速い。

 演奏する日本フィルハーモニー交響楽団は、キングレコードから発売中のCD「伊福部昭の芸術」シリーズで演奏を担当しているオーケストラ。指揮の本名徹次も、シリーズの6巻、7巻、8巻で指揮を務めています。同シリーズは、伊福部昭がみずから監修し、演奏にも指示を出し、自作の決定版的演奏を記録したもの。いわば、伊福部自身が現代の視点で解釈しなおした演奏です。その現代的な視点が、今回のコンサートに反映されていると思います。

 伊福部昭の音楽を、過去の名作として大事に大事に扱うのではなく、現代に通用する生きた音楽としてよみがえらせること。今回のコンサートがめざしたのは、そういうことではないのかな。「追悼コンサート」といわず「音楽祭」と名づけたところにも、主催者の前向きの気持ちを感じました。

 多くの人が目当てで来たと思う第2部では、スクリーンに映画の映像が映しだされました。『ゴジラ』をはじめとする東宝特撮映画、そして、テーマ曲が演奏された『銀嶺の果て』『座頭市物語』『ビルマの竪琴』。

 惜しかったのは、サントリーホールの構造上、オケの真後ろにスクリーンを配置することができず、後方向かって右上に配置されていたこと。映像とオケを同時に視野に入れることができず、視線を往復させると音への集中力が途切れます。ほんとは映画音楽の録音と同じように、オケの後ろにスクリーンを配して、指揮者も絵を観ながら振ることができれば、もっと映像と音が合ったろうになぁ。
 が、それはこのコンサートの瑕ではない。もともと絵と音が合うことまでは期待してなくて、映像は演奏の参考、雰囲気づくりぐらいに思っていから。むしろ、絵はなくてもよかったのではないかな。

 終演は開演から4時間が過ぎた午後7時頃。アンコール用の曲は用意されておらず、最後に演奏された「シンフォニア・タプカーラ」のクライマックスがもう一度演奏されました。拍手はなかなか絶えませんでしたが、演奏者も観客もさすがに疲れきった風情。

 伊福部昭の音楽を演奏して、聴いて、楽しんだ! そんな印象のコンサートでしたね。ほんと「祭」と呼ぶのがぴったりの。

 ホワイトチョコ

 上は、観客に配られた記念品のホワイトチョコ。
 主催者によれば、今回のコンサートは、「伊福部昭音楽祭 第1回」なのだそうです。チョコのパッケージの裏に、「2008年3月16日 第2回音楽祭開催予定」の告知が印刷されていました。

 なお、今回のコンサートの録音は、「伊福部昭の芸術 9」として発売予定とのこと。


<キングレコード:伊福部昭の芸術シリーズ>

伊福部昭の芸術1 譚―初期管弦楽
 日本狂詩曲 / 土俗的三連画 / 交響譚詩

 

伊福部昭の芸術2 響―交響楽の世界
 シンフォニア・タプカーラ / 管弦楽のための「日本組曲」

 

伊福部昭の芸術3 舞―舞踏音楽の世界
 舞踊音楽「サロメ」 / 兵士の序楽

 

伊福部昭の芸術4 宙―SF交響ファンタジー
 SF交響ファンタジー 第1番~第3番 / 倭太鼓とオーケストラのためのロンド・イン・ブーレスク

 

伊福部昭の芸術5 楽―協奏風交響曲/協奏風狂詩曲
 ピアノと管弦楽のための協奏風交響曲 / バイオリンと管弦楽のための協奏風狂詩曲

 

福部昭の芸術6 亜―交響的エグログ
 バレエ音楽「日本の太鼓」ジャコモ・ジャンコ / 二十絃筝とオーケストラのための「交響的エグログ」 / フィリピンに贈る祝典序曲

 

伊福部昭の芸術7 幻―わんぱく王子の大蛇退治
 交響ファンタジー「ゴジラVSキングギドラ」 / 交響組曲「わんぱく王子の大蛇退治」

 

伊福部昭の芸術8 特別編 頌―伊福部昭 卆寿を祝うバースデイ・コンサート
 フィリピンに贈る祝典序曲 / 日本狂詩曲 / SF交響ファンタジー第1番 / 交響頌偈 釈迦 / シンフォニア・タプカーラ 第3楽章

 


伊福部昭 全歌曲 (藍川由美)
 ギリヤーク族の古き吟誦歌 / サハリン島先住民の三つの揺籃歌 / アイヌの叙事詩に依る対話体牧歌 / 摩周湖 / 聖なる泉 ほか

 



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