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2007年11月

2007年11月28日 (水)

【訃報】三沢郷先生

 ご家族からお知らせいただきました。

 11月20日未明、作曲家の三沢郷先生が永眠されたそうです。
 享年79歳。

 『サインはV』『アテンションプリーズ』『デビルマン』『流星人間ゾーン』『エースをねらえ!』などの華麗な「三沢節」が忘れられません。

 70年代後半から日本を離れ、ハワイを経て、アメリカ西海岸に移住されていました。
 昨年より病気療養中でした。

 劇伴倶楽部の「劇伴Creator Who's Who」に書いた、三沢先生の項を以下に転載します。

三沢 郷(みさわ・ごう)
作曲家。
1928年2月26日生。福岡県出身。東京大学文学部哲学科美学科卒。

ラジオ・プロデューサーを経て、男性コーラスグループ“フォーコインズ”を結成、リードボーカル、アレンジャーを務めた。
フォーコインズは、ダークダックスやボニージャックスに対し、ジャズを基調としたコーラスとして活躍、CMソングなども歌っていたが、メンバーのひとりが交通事故で亡くなったことから解散。作曲に専念するようになった。
以後、テレビドラマ、CM、アニメなどに多くの曲を提供している。

CMに「エメロン石鹸」「龍角散トローチ」など。
テレビ番組では、70年代の子ども向け番組に印象的な仕事を残している。
ドラマでは、

  • 1969『サインはV』
  • 1970『アテンションプリーズ』
  • 1972『赤い靴』

テレビアニメでは、

  • 1972『正義を愛する者 月光仮面』
  • 1972『デビルマン』
  • 1973『ジャングル黒ベエ』
  • 1973『ミクロイドS』
  • 1973『エースをねらえ!』

特撮TV映画では、

  • 1973『流星人間ゾーン』
  • 1973『ファイヤーマン』(挿入歌1曲のみ)

いずれも、メロディのカッコよさ、アレンジの巧みさでファンの人気は高い。

三沢サウンドの魅力は、ときに力強く、ときにセンチメンタルなフレーズを緩急自在につなぐ、シャープでスピード感のある旋律。
歌い出しから聴く者の心をつかむ巧みな導入部から、サビに向けて加速していくみごとな高揚感、期待を裏切らないサビの盛り上がり、どの曲も一度聞いたら忘れられない印象を残す。
また、アニメ・特撮ファンの間では「豪快なイントロの三沢郷」と呼ばれるほど、そのアレンジには特徴がある。
とりわけ、「月光仮面」「デビルマン」「ミクロイドS」「流星人間ゾーン」などのヒーローソングにおいては、金管とストリングスがうなる壮大なイントロが聞く者を圧倒する。
さらにすごいのは、イントロだけでなく、中身の方もテンションが落ちないこと。
アニメ・特撮主題歌の多くでは、アップテンポの曲をスローで演奏するとバラード風のしんみりした曲に聞こえるのだが、三沢郷の場合はその例にあらず。とにかく、頭から豪快に飛ばさないと曲のよさが生きないのだ。
世代を超えてファンに支持されているのは、力強く、しかも繊細な曲想のゆえだろう。
(1998/6/6)

 この記事を書いたことがきっかけで三沢先生からメールをいただき、7年間にわたって文通させていただいていました。
 70歳を超えてから一線を退かれたそうですが、音楽への情熱は相変わらずで、プライベートCDを送っていただいたり、最近聴いた音楽の話をうかがったりしてました。

 最近のメールでも「快方に向かってます」と書かれていたので、ほっとしていたのですが…。

 残念です。

 ご冥福をお祈りいたします。

2007年11月27日 (火)

サントラ発売まで待てない!松下奈緒が弾く「ちりとてちん」

 今観ている日本のドラマで一番面白いのは?

 『ガリレオ』は毎週楽しみにしてるし、『SP』のシリアスなタッチもいい、『働きマン』も面白い…、が、なんといってもあなた、『ちりとてちん』ですよ!

 NHK朝の連続テレビ小説『ちりとてちん』。主演は『スウィングガールズ』に出てた貫地谷しほり。音楽は『ガンダムSEED』『仮面ライダー電王』の佐橋俊彦さんが担当です!(もちろん、朝ドラ初登板)。何をやっても中途半端でうまくいかない主人公のビーコこと和田喜代美が、大阪に出て女流落語家をめざす物語。毎週面白くて面白くて、朝ドラをこんな楽しみに観るのは何十年ぶりでしょう…(笑)。

 佐橋さんの音楽もすばらしい。喜代美の故郷・小浜を意識して、「海」が感じられるテーマを書いたとのこと。できあがったのは、どことなくナポリの海の雰囲気がただようメインテーマでした。
 これが、なんとも懐かしく、暖かい、昭和40年代くらいの朝ドラを思い起こさせる、実にいい曲なんですよ。

 当然、サントラ盤を心待ちにしてるわけですが、発売は12月19日。うきーっ!! 待てないよーっ!! と思ってたら、テーマ曲を演奏している松下奈緒さんのセカンドアルバムにメインテーマが収録されました。

poco A poco(DVDつき初回限定生産) (松下奈緒)

 : poco A poco

 ピアニスト・歌手・モデル・女優とマルチに活躍する松下奈緒の魅力がぎゅっと詰まったアルバム。
 映画『ピアノの森』の主題歌「Moonshine~月あかり~」や、『ズームイン!!SUPER』のお天気テーマ「Together」、『恋するハニカミ』10月度テーマソング「Rain」、自身が主演した映画『未来予想図』のテーマアレンジなども収録された、映像音楽ファンにも注目の内容。
 DVDにはライブ映像やオフショットが収録されていて、こちらでは、松谷卓や窪田ミナの作品も演奏されてます。
  「ちりとてちん」メインテーマは、CDの最後にボーナストラックとして収録。3分を超えるロングヴァージョンです。松下奈緒の弾くピアノのやさしいタッチが、番組にとても合っている。

 サントラ、ますます楽しみになってきました。

ちりとてちん オリジナル・サウンドトラック (12/19発売)

1枚で2度おいしい「ガリレオ」

 眼鏡&理系ブームに乗って(?)探偵ガリレオ登場!

 フジテレビ系で放映されているドラマ『ガリレオ』のことです。

 原作者の東野圭吾は、佐野史郎をイメージして主人公・湯川学を書いたそうですが、ドラマ版はシンガー・ソングライターの福山雅治が主演。相棒役も、原作では男性刑事・草薙(ドラマでは北村一輝)が務めていたのを、ドラマ版では柴崎コウ演じる女性刑事・内海薫に割り振られています。それゆえ、基本的には原作にのっとっている各エピソードも、微妙に展開やテイストが異なっている。それがドラマ版ならではの見どころにもなっています。

 さて、音楽は福山雅治と菅野祐悟の共作。サントラ盤は、前半が「福山雅治SESSION」、後半が「菅野祐悟SESSION」という構成で、ふたりの才能が楽しめるアルバムになりました。


<収録曲>

[福山雅治SESSION]

  1. vs. ~知覚と快楽の螺旋~   
  2. 覚醒モーメント
  3. KISSして(jazz ver.)
  4. vs. ~知覚と快楽の螺旋~(guitar × piano ver.)
  5. 覚醒モーメント(mid funk ver.)
  6. KISSして ~epilogue~(solo piano ver.)

[菅野祐悟SESSION]

  1. 探偵ガリレオ
  2. 帝都大学
  3. 燃える
  4. 物理学科第十三研究室
  5. 転写る
  6. 霊視る
  7. 湯川学×内海薫
  8. 予知夢

 タイトルバックで流れるギターのカッコいいテーマ曲は福山雅治の作。「vs.~知覚と快楽の螺旋~」という思わせぶりなタイトルが秀逸です。
 福山さんはエンディング主題歌「キスして」も手がけています。「キスして」のアーティストとしてクレジットされている「KOH+」は、福山雅治(作詞・作曲・ギター)と柴崎コウ(ヴォーカル)のユニット。軽快なスキャットで始まるイントロが実にいい。主題歌と劇中曲を同じ作家が手がけているので、主題歌が浮かずにしっくりなじんでいる。
  特筆すべきは、福山SESSIONのアレンジャーとして、福山さんとともに井上鑑の名がクレジットされていることですよ。井上鑑といえば、「ルビーの指 環」のアレンジャーであり、『SF新世紀レンズマン』の音楽監督。といえば、『ガリレオ』における福山SESSIONのサウンドの方向性がなんとなく見えてきます。

 一方、湯川が事件の謎を解く場面などに流れるチェレスタのミステリアスな曲(「探偵ガリレオ」)は菅野祐悟の作。これが菅野流<ガリレオのテーマ>で、アルバムでは6分に及ぶミニ組曲として収録されてます。原作の雰囲気はどちらかというとこちらです。「燃える」「転写る」「霊視る」などエピソードのタイトルがつけられた曲は、いかにも探偵ものらしいナンバー。菅野SESSIONは、ときにミステリアス、ときにクラシカルに、やや時代がかった探偵物語風のタッチに仕上げられています。

 キャラクター性を押し出した福山SESSIONとミステリーものの雰囲気をみごとに作り上げた菅野SESSION。2つの個性が刺激しあうことで、1枚で2度楽しめる快作に仕上がりました。ぜひ、MAXI「キスして」とあわせて聴いてほしいです。

ガリレオ オリジナル・サウンドトラック

 : ガリレオ オリジナル・サウンドトラック

キスして (KOH+) [DVDつきMAXI single]

 : キスして

 来る12月14日には、サントリーホール小ホールで菅野祐悟さんのリサイタル(ピアノとオーケストラによる)が予定されているのですが、すでにチケットは完売だそうです。もちろん確保してますよ。行きますよー。

2007年11月26日 (月)

ついに出た!池頼広ベスト!

 とにかく、このところ「破竹の進撃!」という形容がぴったりくる作曲家・池頼広氏の仕事を振り返るベスト盤がバップから発売されました。2枚組40曲収録!

 ベスト盤が出るという話は『鴉 -KARAS-』の取材のときに聴いていて…、この仕事やりたかったんですよー。まあ、世の中そううまくいくはずもなく、仕事は回ってきませんでしたが、そんな思いを吹き飛ばすボリュームと内容です。
 劇伴の初期作品『らせん』から、最近作『受験の神様』まで、26作品から選曲。選曲はたぶん池さん自身によるもの。私が選んだら、こうはならなかったですよ。面白い構成です。


[Disc.1] Adagios

  1. PATIENT  (ドラマ「隣人は秘かに笑う」より)
  2. 京都迷宮案内のテーマ  (ドラマ「京都迷宮案内」より)
  3. オヤジボッサ  (ドラマ「オヤジ探偵」より)
  4. SOUND INCREDIBLE  (ドラマ「天国に一番近い男」より)
  5. Determination  (映画「ドラゴンヘッド」より)
  6. Last Present  (ドラマ「ラストプレゼント」より)
  7. 一番大切な人は誰ですか?  (ドラマ「一番大切な人は誰ですか?」より)
  8. 女王の教室 組曲 誕生  (ドラマ「女王の教室」より)
  9. グリーン・ウィロー  (ドラマ「野ブタ。をプロデュース」より)
  10. 君につづく坂道  (アニメ「かみちゅ!」より)
  11. 友情フレンド(進之助のテーマ)  (ドラマ「ギャルサー」より)
  12. 遥かなる想い  (ドラマ「たったひとつの恋」より)
  13. 日常と愛  (アニメ「最終兵器彼女」より)
  14. ファーストキス  (映画「ただ、君を愛してる」より)
  15. 悲恋  (ドラマ「演歌の女王」より)
  16. 死ぬかと思った  (ドラマ「死ぬかと思った」より)
  17. 神様は中学生  (ドラマ「受験の神様」より)
  18. EL Tema de REIDEEN  (アニメ「REIDEEN」より)
  19. 原爆の火  (映画「原爆の火~零時三分前~」より)

    ボーナストラック
  20. Luna  (アイクバンド)

[Disc.2] Allegros

  1. Out of Control  (映画「らせん」より)
  2. 隣人は秘かに笑う  (ドラマ「隣人は秘かに笑う」より)
  3. 刃  (アニメ「BLOOD THE LAST VAMPIRE」より)
  4. 天地城  (アニメ「SDガンダム フォース」より)
  5. All The While  (ドラマ「ラストプレゼント」より)
  6. 怪盗現る  (ドラマ「一番大切な人は誰ですか?」より)
  7. 負け犬の遠吠え  (ドラマ「負け犬の遠吠え」より)
  8. 洗脳  (ドラマ「女王の教室」より)
  9. 青春ボンバー  (ドラマ「野ブタ。をプロデュース」より)
  10. ちゅう学生が行く  (アニメ「かみちゅ!」より)
  11. 相棒4のテーマ  (ドラマ「相棒season4」より)
  12. 鴉 顕在  (アニメ「鴉-KARAS-」より)
  13. 大いなるアリゾナ(ギャルサーのテーマ)  (ドラマ「ギャルサー」より)
  14. Cool Whispers  (ドラマ「たったひとつの恋」より)
  15. 三國志11  (ゲーム「三國志11」より)
  16. レッツゲット ファンキー ( ドラマ「演歌の女王」より)
  17. La vita e sempre cosi  (ドラマ「死ぬかと思った」より)
  18. 受験の神様  (ドラマ「受験の神様」より)
  19. 死闘  (アニメ「REIDEEN」より)

    ボーナストラック
  20. Lucinda (アイクバンド)

 DISC1は、「Adagios」と題して、ミステリー曲や情感曲中心の選曲。のっけから『隣人は秘かに笑う』のミステリアスなテーマで開幕です。混声合唱が歌いあげる「女王の教室 組曲」で盛り上がる。そして、池さんもお気に入りの『かみちゅ!』からの「君につづく坂道」でぐっときてほしい。後半は『たったひとつの恋』『最終兵器彼女』『ただ、君を愛してる』など、ハートウォーミングな曲が続きます。『受験の神様』の「神様は中学生」は私のお気に入り。「女神」をイメージしたという『REDEEN』の「El Tema de REDEEN」の夢見るスコアも聴きものです。

 DISC2は、「Allegros」と題して、サスペンス曲や威勢のいい曲を中心にセレクション。『らせん』からの妖しいナンバーからスタートするのがシブい! 『BLOOD THE LAST VAMPIRE』のサスペンスフルな曲のあとに『SDガンダムフォース』の和風なバトル曲が続くのがちょっと笑える。途中『負け犬の遠吠え』が入って雰囲気が変わるのが愉快です。『野ブタ。をプロデュース』の「青春ボンバー」も私のお気に入り。わざと「スーパーマン」みたいにしたそうです。『鴉 -KARAS-』からの「鴉 顕在」は、サントラ盤では2曲に分けて収録されていたものを劇中使用どおり1曲として収録。8分に及ぶスケールたっぷりのバトル曲に酔いしれてください(途中さまざまに曲調が変化するのは、絵に合わせて書いているから)。『REIDEEN』の「死闘」は池さんのバトル音楽の現時点の頂点とも言える1曲。

 ありきたりに、メインテーマを年代順に収録したベスト盤にせず、こだわりの曲を集めた「池頼広見本市」ともいえる盤になってます。それぞれが1枚の盤として聴けるよう曲の流れが考え抜かれていて、ちゃんと選曲・構成者の意図が伝わる。すばらしい。
 サントラ盤が発売されていない『京都迷宮案内』『オヤジ探偵』『負け犬の遠吠え』『原爆の火』などの音源が貴重です。そして、DISC1、DISC2の最後に1曲ずつ、池さんのアイクバンド時代のオリジナル曲が収録されている。「劇音楽作家以前の池頼広」が聴けるうれしいプレゼントです。

 ライナーには池さんのコメント、池さんと仕事をしたプロデューサーや演出家からのコメント、そして、安藤岳さんによる解説が掲載されてます。安藤氏は音楽プロデューサーとして、また、映像作品製作のプロデューサーとして池さんとかかわってきた方。仕事仲間でもあり、ファンでもあるという立場から池さんの音楽を紹介したすばらしい解説を書いてます。私なんかにはとうてい書けない文章で、脱帽です。「ああ、おれがやんなくてよかった」と思ったことですよ。

 作品リストがほしいとか、『新SOS大東京探検隊』の曲もほしかったとか、ないものねだりはありますが、池さんの「これまで」と「これから」を伝える格好のアルバムになったと思います。
 池頼広ファンにも、これから池頼広を聴いてみたいという方にもおススメのベスト。音楽ファン、ドラマファン、アニメファン、サントラファンは買うべし。聴くべし。

◎◎Ike Yoshihiro The BEST - 20th Anniversary Selection-

 : Ike Yoshihiro The BEST

2007年11月12日 (月)

2年越しの完結!「鴉-KARAS-」

 池頼広さんが音楽を担当した『鴉-KARAS-』のサウンドトラックが10月24日に発売されました。
 池さんのインタビューと解説を担当しています。

 『鴉-KARAS-』はタツノコプロ40周年記念作品。力を入れてるだけあって、映像のクオリティの高さに圧倒されます。2005年のリリース開始から、2年余りかけて、全6巻のOVAが完結しました。

 池さんの音楽はすばらしいの一言。初回録音はプラハ交響楽団が演奏しています。ダニー・エルフマン風の壮大でダークな音楽があるかと思えば、池氏みずから植木鉢を叩いて録ったという、妖怪の不思議な音楽もあり、映像を観ながら即興演奏を試みた音楽もあるなど、音楽のアプローチも多彩。映像に負けないクオリティに仕上がってます。詳細はぜひインタビューを読んでいただきたいんですが、この仕事がのちの『REIDEEN』などにつながる、池さんにとっても転機になる作品だったんですね。


<収録曲リスト>

  1. 鴉 顕在(漆黒の闘い編)
  2. 鴉 顕在(冥王誕生編)
  3. Don't pass away
  4. 彷徨う記憶
  5. 契約の鏡
  6. 崇高な邪念
  7. 煉獄からの誘い
  8. 雷帝の撃槌
  9. 魍魎の宴
  10. 魂の邂逅
  11. 心の襞
  12. REVELATION
  13. 置き忘れた心
  14. 深遠なる想い
  15. 百鬼夜行
  16. 崩壊の予兆
  17. 絶望の光
  18. 鴉真生
  19. 冥界への墜落
  20. 新たな躍動
  21. 希望
  22. 鴉-KARAS-
  23. 終宴
  24. Under Fire (サシャ・アントニス)

 聴きどころは、第1巻冒頭に流れるバトルテーマ「鴉 顕在」、メインテーマである「鴉-KARAS-」、機械化妖怪のテーマ「魍魎の宴」「百鬼夜行」、終盤のクライマックスを飾る7分を超える大曲「冥界への墜落」など。“タツノコファン”池頼広の情熱がたっぷり注がれた意欲作をぜひお聴きください。

鴉-KARAS- オリジナル・サウンドトラック

 : 鴉-KARAS- オリジナル・サウンドトラック

2007年11月11日 (日)

ゲストに村松崇継登場!~minimumsコンサート

 11月9日に開催されたminimumsコンサートに足を運びました。
 開場は横浜みなとみらいホールの小ホール。

 パーカッション好きとして、minimumsのライブはなるべく聴くようにしているのですが、今回はちょっと特別。
 まず会場がライブハウスではなくホールなのです。PAなしの生音が聴けるうれしさ。PAが入った音もパワフルでいいんですが、生には生ならではのよさがあるんですよ。
 そして、ゲストに作曲家の村松崇継さんが登場!
 村松さんといえば、ドラマ『氷壁』『天花』、映画『狗神』『オリヲン座からの招待状』などの音楽で知られる映画音楽作家。12月に公開される『魍魎の匣』の音楽も村松氏です。minimumsがよく村松氏の曲を演奏しているので、今回の共演となったわけです。
 先日、NHKの「トップランナー」に登場したのも記憶に新しい。minimumsの曲を聴いていたので、村松さんて、ちょっと変わった曲を書く現代音楽作家のような印象があったのですね。ところが番組で、映画音楽好きで、ずっと劇伴の仕事をやりたかった、と話しているのを見て、「おおー!」と思ったのですよ。
 ちなみに『ゲド戦記』の寺嶋民哉さんと同じ事務所です。
 その村松さんがゲストで、ピアノも披露する!

 と、聴きどころが2つもある今回のコンサート。雨になりましたが、ほぼ満員の盛況でした。


<set list>
1st set

  1. 赤とんぼ / 山田耕作
  2. Baile~情熱の踊り / Hana (minimums)
  3. I Got Rhythm (Variations) / G.Gershwin
  4. カノン / J.Pachelbel
  5. リバーダンスよりメドレー The Heart's Cry ~ The Countess Cathleen ~ Woman of The Sidhe / BWhelan

2nd set

  1. チュニジアの夜 / F.Paparelli &J.D.Gillespie
  2. 彼方の光 (ドラマ『氷壁』より) / 村松崇継 (pfソロ)
  3. No Other Love / 村松崇継
  4. 最後のチケット (映画『オリヲン座からの招待状』より) / 村松崇継 (pfソロ)
  5. 誕生 (ドラマ『幸福2020』より) / 村松崇継 (pfソロ)
  6. Amazing Grace / 黒人霊歌
  7. 紙について思う僕のいくつかのこと /  村松崇継

アンコール
 ・American Wake

※「最後のチケット」は曲名不確か。「オリヲン座からの招待状」または「映写室の二人」のピアノver.かもしれません。


 ホールの響き、音の粒がきれいに踊るようで、よかった! マリンバの響きがよく合う。 今回、「No Other Love」で、意外にもminimums初!というヴィブラフォンも登場。そして、ゲストの村松さんのピアノでドラマや映画の曲が聴けたのは、サントラファンにうれしい贈り物でした。『オリヲン座~』の曲は当初プログラムになかったのに、急遽演奏。ロビーでサントラ売ってましたから…(^^;
 ぜひこんど、minimumsと村松さんのコラボで映画音楽特集やってほしいですよ。

オリヲン座からの招待状 オリジナル・サウンドトラック

 : オリヲン座からの招待状 オリジナル・サウンドトラック

2007年11月 7日 (水)

大興奮の川井憲次コンサート

 ミシェル・ルグラン・コンサートの感動さめやらぬうちに、来ましたよ、<川井憲次コンサート2007 シネマ・シンフォニー>の日が!

 11月4日、パシフィコ横浜大ホール。チケット売れてないかもと心配してましたが、大盛況でした。知人&仕事関係者、遭遇率高し(笑)。

 とにかく、オケがすごかった。コーラスを含め総勢100人以上。

 特筆すべきは内容と舞台上の配置です。
 オケのほとんどが後方に引っ込んで、前方は、バンドとパーカッションがどどーんと占めてます。ティンパニが10台! グランカッサに、ドラに、チューブラーベル、和太鼓。もちろんラテンパーカッションとドラムスも。川井憲次ならではの編成です。

 コンサートはもう大興奮、大満足でした。映画中心で、『紅い眼鏡』『パトレイバー』『イノセンス』などの押井守作品、『リング』『ガラスの脳』などの中田秀夫作品、それに韓国映画、香港映画などから選曲。
 こういうコンサートって、オケに既成のオーケストラを持ってくることが多いんですが、今回はスペシャルメンバー。はい島公二指揮、トランペット・数原晋、フルート・高桑英世、ハープ・朝川朋之ら、映画音楽の録音で活躍するベテランのスタジオミュージシャンたち。加えて、Vocalの坂本美雨、児島由美、民謡コーラスの西田社中、太鼓奏者の茂戸藤浩司ら、録音に参加したオリジナルメンバーが生演奏を聴かせてくれるという、まさにホンモノのコンサート。夢のようなひとときでした。

 西田社中の民謡コーラスが圧巻。茂戸藤さんの渾身の太鼓プレイにも圧倒されました。

 川井さんも、ステージを動き回ってパーカッションやギターで活躍。作曲者が「手が足りないので」とチューブラーベルを鳴らすコンサートというのも珍しく、なんとも川井さんらしいと笑ってしまいました。きっと、スタジオでもこうなんでしょうね。

 最後は客席総立ちで拍手の嵐。
 これだけ盛り上がったのを見たのは、エンニオ・モリコーネ公演の最終日以来かも。


<set list>
1st set

  1. Unnatural City II (2002 ver.) (『機動警察パトレイバー2 the movie』)
  2. 百禽 Hyakkin (『めざめの方舟』)
  3. Theme of PATLABOR 2 (Kenji Kawai Ver.) (『機動警察パトレイバー2 the movie』)
  4. へヴィアーマー(1999 Ver.)  (『機動警察パトレイバー 劇場版』)
  5. 御先祖様万々歳!(vo:児島由美) (『御先祖様万々歳!』)
  6. 天使のキス~永遠の別れ (『ガラスの脳』)
  7. All the criminals (『美しき野獣』)
  8. 陽炎 (『ケルベロス -地獄の番犬-』)
  9. a battle of wits  (『墨攻』) ~Seven Sword's Victory (『セブンソード』)
  10. 謡III -Reincarnation- (『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』)

2nd set

  1. 風光る(vo:坂本美雨)
  2. River of Crystals(vo:坂本美雨) (『イノセンス』)
  3. 傀儡謡-怨恨みて散る~傀儡謡-陽炎は黄泉に待たむと (『イノセンス』)
  4. Gray Lady(Ash) (『アヴァロン』)
  5. Voyage to AVALON(Vo:Elzbieta Towarnicka)  (『アヴァロン』)
  6. Die Antwort(Vo:Elzbieta Towarnicka)  (『ケルベロス 鋼鉄の猟犬』)
  7. 不協分裂~遺伝子 『リング』
  8. the Last name 『DEATH NOTE the Last name』
  9. Log in (『アヴァロン』)
  10. 少女のテーマ (『紅い眼鏡』)
  11. 朝陽の中へ(1999 Ver.)  (『機動警察パトレイバー 劇場版』)

アンコール

  • The Red Spectacles -20TH EDITION-  (『紅い眼鏡』)
  • 百禽 Hyakkin(Short Ver.)  (『めざめの方舟』)

 『めざめの方舟』は「愛・地球博」のための押井守監督作品。『ガラスの脳』は手塚治虫原作・『リング』の中田秀夫監督による純愛映画、『美しき野獣』は韓国映画、『セブンソード』と『墨攻』は香港映画、『ケルベロス 地獄の猟犬』はラジオドラマ。川井さんの幅広い活躍がうかがえる選曲です。
 『御先祖様万々歳!』はOVA作品ですが、これは「好きだから選んだ」とのこと。

 オケは弦が12型(12・10・8・8・6)、木管がフルート×2、オーボエ×2、金管がトランペット×3、トロンボーン×3、ホルン×6、チューバ×2、ほかにハープ×1、クラシックパーカッション×2、ラテンパーカッション×1。バンドはキーボード×2、ベース×1、ドラムス×1、ギター×1(川井憲次)。和太鼓×1(茂戸藤浩司)。コーラスは女声コーラス×2、混声合唱団が20人、民謡コーラス(西田社中)が15人。これにゲスト・ヴォーカルが3人加わって、総勢112名。

 川井さんが舞台上で「2度とないと思います」と言ってたのもうなずける規模ですが、もっと小編成でもいいので、またやってほしいですよ。

 今回演奏した曲が収録されている、現在入手可能な音盤リストを上げておきます。

オリジナル・サウンドトラック 紅い眼鏡 [完全版]
 : オリジナル・サウンドトラック 紅い眼鏡 [完全版]

オリジナル・サウンドトラック ケルベロス -地獄の番犬-
 : オリジナル・サウンドトラック ケルベロス -地獄の番犬-

1999・PATLABOR the Movie "SOUND RENEWAL"
 : 1999・PATLABOR the Movie SOUND RENEWAL

機動警察パトレイバー2 the Movie /PRE SOUNDTRACK
 :機動警察パトレイバー2 the Movie /PRE SOUNDTRACK

2002 / PATLABOR 2 the Movie "SOUND RENEWAL"
 : 2002 / PATLABOR 2 the Movie SOUND RENEWAL

GHOST IN THE SHELL Original Soundtrack
 : GHOST IN THE SHELL Original Soundtrack

アヴァロン オリジナル・サウンドトラック
 : アヴァロン オリジナル・サウンドトラック

イノセンス オリジナル・サウンドトラック
 : イノセンス オリジナル・サウンドトラック

めざめの方舟 Original Soundtrack
 : めざめの方舟 Original Soundtrack

ガラスの脳 オリジナル・サウンドトラック
 : ガラスの脳 オリジナル・サウンドトラック

「リング」「らせん」
 : 「リング」「らせん」

SOUND of DEATH NOTE the Last name
 : SOUND of DEATH NOTE the Last name

セブンソード オリジナル・サウンドトラック
 : セブンソード オリジナル・サウンドトラック

墨攻 オリジナル・サウンドトラック
 : 墨攻 オリジナル・サウンドトラック

2007年11月 4日 (日)

至福のミシェル・ルグラン・コンサート

 10月31日と11月2日の両日、ミシェル・ルグラン&グランド・オーケストラのコンサートに足を運びました。

 ふんぱつして2日行ったわけですが、行ってよかった。それぞれゲストと曲目が異なります。会場も、31日はオーチャード・ホール、2日は東京国際フォーラム。ルグランのピアノと指揮で名曲の数々を聴くのは、まさに至福の時間でした。

 「ミシェル・ルグラン&グランド・オーケストラ」の名の通り、オケもフランスから来日。編成は、弦が1stヴァイオリン×6、2ndヴァイオリン×5、ヴィオラ×4、チェロ×3、コントラバス×2、金管がトランペット×4、トロンボーン×4、ホルン×4、チューバ×1、木管がクラリネット×2、オーボエ×2、フルート×2、ファゴット×2、ハープ×1、クラシックパーカッション×3、ピアノ(ルグラン)×1の46人。これに、曲によって、ソロハープのカトリーヌ・ミシェルと、日本公演のゲストプレイヤーであるドラムスの村上“ポンタ”秀一とウッドベースの坂井紅介が加わる。弦に比して金管が多いのが特徴で、華麗なルグラン・サウンドがここから生まれるのですね。

 ゲストとして、31日にはシャンソン歌手のクミコ、そして、サプライズゲストに森山良子(事前に告知なし!)が登場。2日は歌手のゲストはない代わりに、バンドネオン奏者の小松亮太が2曲を演奏しました。31日には割愛されていた「ロシュフォール・メドレー」も2日に聴けて、両日行ってよかったなぁと思ったことですよ。

 メインヴォーカルはルグランのお姉さんであるクリスチャン・ルグラン。数々のサントラで歌声を吹き込んでいる、いわば「ルグランサウンドの歌姫」です。ルグランより年上のはずなのに、衰えない歌声とチャーミングさは、「なんでこんなに若いの!?」と驚くばかり。ルグラン自身も、ピアノを弾き、指揮をしながら、自らも歌声を披露。75歳にしてこの元気さはすごい。

 曲目は60年代、70年代の名曲が中心。開巻の「三銃士」のきらびやかな響き、ルグランと姉カトリーヌのデュエットで名場面が再現される「シェルブールの雨傘」、ルグラン自身が弾き、歌う「風のささやき」、音楽の楽しさと高揚感に満ちた「ロシュフォール・メドレー」。もう涙ものです。ときにはシンフォニックに、ときにはジャジーに、変幻自在に音楽を操るルグランに魔力に魅せられ、「終わるのが惜しい」と思うひとときでした。


<10.31 set list>
1st set

  1. 三銃士 (『三銃士』'73)
  2. サマ・ミー、ウインター・ミー (『Picaso Summer』'72)
  3. オーディナリーマン (舞台『壁抜け男』'88) (vo: クミコ)
  4. リラのワルツ ('54) (vo: クミコ)
  5. マイ・ラスト・コンサート ('00)
  6. おもいでの夏 (『おもいでの夏』'70)
  7. 愛のイエントル (『愛のイエントル』'83)

2nd set

  1. これからの人生 (『ハッピーエンド』'69) (vo:森山良子)
  2. 美しき愛のかけら (『美しき愛のかけら』'69) (vo:森山良子)
  3. ジャン=ポール・ラブノー組曲
     『城の生活』('65)
     『コニャックの男』('70)
     『うず潮』('75)
  4. 世紀末の香り (『愛と哀しみのボレロ』'81)
  5. 君に捧げるメロディー (『結婚しない族』'82)
  6. シェルブールの雨傘 (『シェルブールの雨傘』'63)
  7. 風のささやき (『華麗なる賭け』'68)

アンコール
 ・愛のささやき (『水の中の小さな太陽』'71)


<11.02 set list>
1st set

  1. 三銃士 (『三銃士』'73)
  2. ブライアンズ・ソング (TV『ブライアンズ・ソング』'71)
  3. サマ・ミー、ウインター・ミー (『Picaso Summer』'72)
  4. マルティーナ ('65) (with 小松亮太)
  5. ユー・マスト・ビリーブ・イン・スプリング (『ロシュフォールの恋人たち』'67)(with 小松亮太)
  6. マイ・ラスト・コンサート ('00)
  7. これからの人生 (『ハッピーエンド』'69)
  8. おもいでの夏 (『おもいでの夏』'70)
  9. 愛のイエントル (『愛のイエントル』'83)

2nd set

  1. ジャン=ポール・ラブノー組曲
     『城の生活』('65)
     『コニャックの男』('70)
     『うず潮』('75)
  2. 美しき愛のかけら (『美しき愛のかけら』'69)
  3. 世紀末の香り (『愛と哀しみのボレロ』'81)
  4. 君に捧げるメロディー (『結婚しない族』'82)
  5. ロシュフォール・メドレー (『ロシュフォールの恋人たち』'67)
  6. シェルブールの雨傘 (『シェルブールの雨傘』'63)
  7. 風のささやき (『華麗なる賭け』'68)

アンコール
 ・愛のささやき (『水の中の小さな太陽』'71)


シネマ・ルグラン~ミシェル・ルグラン 映画音楽集成
 ルグランの映画音楽をオリジナル音源で収録した2005年発売の4枚組CD-BOX。今回の公演に合わせ、解説の邦訳を付した限定版が国内発売された。公演の曲目のうち、映画音楽作品はほぼ網羅している。

  : The Essential Michel Legrand

The Essential Michel Legrand Film Music Collection
 輸入盤だが、ルグランの名曲を手軽にそろえるにはお勧めの1枚。

 : The Essential Michel Legrand

ロシュフォールの恋人たち リマスター完全版
 「シェルブールの雨傘」も「おもいでの夏」も、もちろん「風のささやき」もよいが、ルグランといえば「ロシュフォール」が一番!、というファンも多い名作。

 : ロシュフォールの恋人たち

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