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2020年7月
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2008年3月

2008年3月31日 (月)

ドラマになって変わるわよ!!「キューティーハニー THE LIVE」

 しびれるなぁ、青ハニー。
 TV東京系で放映されたドラマ『キューティーハニー THE LIVE』は、脚本・シリーズ構成の井上敏樹の個性が色濃く出た作品でした。無垢な主人公をアクの強いサブキャラクターが取り囲む人物配置。野心と裏切りが渦巻くストーリー。でも、ハニーを無邪気なまでに明るい陽性キャラにしたのが成功でした。サブキャラをこってり描くことで、主人公ハニーがどんどん魅力的に見えてくる。同時に、主人公である赤ハニーと対照的に描かれた青ハニー(ミキ)=悲しみのハニーが光ってましたよ。アクションもよかった。

 音楽は、アニメ『もえたん』の音楽を書いた渡辺剛が担当。
 サントラ1曲目が、妖しくも美しい烏川真由美のテーマ(嘆きのロンド)という意表をついた構成。2曲目は歴代ハニーでおなじみのパヤパヤスキャット(Hi Honey)。軽快なスキャット曲「Happy Days」、60年代グルーヴを感じさせる「Run&Run」と続いてテンションが上がります。次に登場するのが青ハニーのテーマとも呼べるメロウな「Blue Pain」。緩急のある構成がいいなぁ。全40曲収録と、新作サントラとしては曲数が多いのもうれしい。

 全体に、懲りすぎず、奇をてらわず、ストレートな楽曲ぞろい。個性の強いキャラクターばかりなので、音楽も振れ幅を大きくとっていますね。本編が、終わりに近づくにつれシリアスに湿度高くなってきたのに対し、音楽がからっとしているのが救いでした。

 そして、渡辺岳夫の「キューティーハニー」のメロディが35年を経てもまったく古びないことに、いちばん感動します。


<収録曲>

  1. 嘆きのロンド(烏川真由美のテーマ)
  2. Hi!Honey
  3. Happy Days
  4. Run&Run
  5. Blue pain
  6. 如月博士の発明
  7. 良心の隙間
  8. いきなり大ピンチ
  9. White rhapsody
  10. 弱者よ消えろ
  11. 三人の男
  12. 疑心
  13. 混沌
  14. 拷問
  15. 豹の爪
  16. Are You Kidding?
  17. Gen-San
  18. Comical Honey
  19. Hurry
  20. demoniac
  21. Hold on!Honey
  22. Regret
  23. Rumble in the jail
  24. 侵食
  25. 瞬間最高最速バトル
  26. 降臨
  27. アンドロイド!?
  28. SHIT!!
  29. 禁断の果実
  30. まいど!!
  31. 処刑
  32. End of the Party
  33. Time out
  34. Don’t cry Honey
  35. Memory
  36. Tragedy
  37. Last Dance
  38. Soldier of love
  39. キューティーハニー(TV size)(ワイルド三人娘)
  40. BUT,metamorphosis(TV size)(栗林みな実)

キューティーハニー THE LIVE オリジナル・サウンドトラック

 : キューティーハニー THE LIVE オリジナル・サウンドトラック

キューティーハニー THE LIVE ボーカルアルバム
 ミキversionとユキversionのエンディング曲を収録。せっかくのボーカルアルバムなのに、オープニングとエンディングはシングルを別に買わないといけないのがちょっと悲しいですよ。

 : キューティーハニー THE LIVE ボーカル・アルバム

おかしなおかしな胃の頭町「栞と紙魚子の怪奇事件簿」

 日本テレビ系のドラマ、『栞と紙魚子の怪奇事件簿』。あまり期待しないで見始めたら意外に面白くてハマってました。
 諸星大二郎の漫画が連続ドラマになるんだから、すごい時代になったものです。

 わしは「怪奇ハンター」時代からの諸星ファン。ドラマはけっこう原作をアレンジしてますが、みょう~にゆるいところが原作の雰囲気をよく出してる。諸星原作は、シリアスな作品より、こういう作品のほうが映像化に向いてますね。

 で、深夜枠1クールの放映作品ですからサントラ出ないだろうなぁ……と思ってたら、出ましたよ! やたっ!!

 聴いてはじめて、メインテーマは主題歌「赤い胃の頭ブルース」のインストだということがわかりました。主題歌はTVサイズ歌入りも収録。
 BGMは、バロックとロックと現代音楽が同居する、なんとも強烈な出来。かと思うと、「Tema di Shimiko」や、その変奏「Damigella Sentimentale」、大団円風の「Risoluzione」などは美しく叙情的な仕上がり。平野義久氏の音楽性の広さに感動します。
 ボーナストラックとして、第5話「長い廊下伝説」の挿入歌「長い廊下伝説」「嗚呼、待ちぼうけ」が収録されているのも、ファンにはうれしいポイント。

 曲タイトルはイタリア語でつけられています。「なんでイタリア?」と思ったんですが、聴いていくと納得。グロテスクとユーモアとはかなさがただよう胃の頭町の物語は、フェリーニの世界なんですね。本作の音楽は、フェリーニ映画のニーノ・ロータの音楽をほうふつさせるサウンドなんですよ。諸星大二郎にロータ、たしかに合うような気がします。
 以下、曲名に英語訳をそえて紹介しましょう。


<収録曲リスト>  ()内は英語訳

  1. Rock d'Inoatama   (Rock of Inoatama)
  2. Tema di Shiori   (Theme of Shiori)
  3. Tema di Shimiko   (Theme of Shimiko)
  4. Miracolo   (Miracle)
  5. Mastro   (Master)
  6. Citta di Grottesco   (City of Grotesque)
  7. Mistero   (Mystery)
  8. Spazio Fantomatico   (Imaginary space)
  9. Omicidio   (Homicide)
  10. Oasi   (Oasis)
  11. Damigella Sentimentale   (Sentimental damsel)
  12. Occultismo   (Occultism)
  13. Ballata di Shiori   (Ballad of Shiori)
  14. Valzer d'Inoatama   (Waltz of Inoatama)
  15. Seguimento   (Follow)
  16. Sogno   (Dream)
  17. Dolore   (Pain)
  18. Crisi   (Crisis)
  19. Grave Crisi   (Serious Crisis)
  20. Presentimento   (Presentiment)
  21. Samba D'Inoatama   (Samba of Inoatama)
  22. Fuggimento   (Escape)
  23. Sigh   (Sigh)
  24. Risoluzione   (Resolution)
  25. 赤い胃の頭ブルース(TVサイズ) / eastern youth
  26. 赤い胃の頭ブルース(オープニング・インストゥルメンタルヴァージョン)
  27. 長い廊下伝説 / 宇論
  28. 嗚呼、待ちぼうけ / 岳&文江

 本編が観られない、または見逃してしまったという方は、公式サイトで全話無料配信中(期間限定)なので、ぜひご覧ください。

栞と紙魚子の怪奇事件簿 オリジナルサウンドトラック

 栞と紙魚子の怪奇事件簿 オリジナルサウンドトラック

◎赤い胃の頭ブルース (eastern youth)
 テルミンによる怪しいイントロが印象的な主題歌。フルサイズはネット配信限定リリース!
 ⇒iTune store
 ⇒MUSICO

 赤い胃の頭ブルース

2008年3月28日 (金)

「さよなら絶望先生」と長谷川智樹のディープな世界

 『さよなら絶望先生』の音楽が長谷川智樹さん、と聞いて、なんとも意外に思ったわけです。

 長谷川さんといえば、『魔法のプリンセス ミンキーモモ』(91年版、いわゆる「海モモ」)、『熱血最強ゴウザウラー』、そして『NANA』。ストレートで情感系の作品のイメージが強い。

 『絶望先生』みたいなシュールな作品は、増田俊郎さんなんかが得意そうな感じです。

 でも、実は長谷川さん、『DearS』とか『くじびきアンバランス』みたいな作品もやってるんですね。

 できあがったサントラは、これまでの長谷川さんのイメージを裏切る、刺激的なものになりました。
 たとえば、レトロで風変わりな感じを出すために生のミュージックソーを使っている。いまどき、シンセを使うのがふつうなんですが、わざわざミュージックソーの演奏家を呼んだそうです。
 ストーカーのテーマは、60年代から70年代のグルーヴを感じさせるオルガンサウンド。
 一方で、昭和の懐かしさを感じさせる美しいストリングスの曲もある。
 長谷川さんが影響を受けたという、ジョージ・マーティン風なポップな味わいもまぶされていて、「長谷川智樹見本市」といったおもむき。

 さらに昨秋は『魔人探偵脳噛ネウロ』なんてヘンな作品までやってしまっている。これも聴き応えのある快作です。

 年が明けて、『俗・さよなら絶望先生』の放映が開始されました。音楽も追加録音されています。エンディング曲「マリオネット」はローリー寺西さんと長谷川さんの共作で、サビの部分を長谷川さんが作曲。ギターも長谷川さんの演奏です。

 『NANA』の、感情の幕を一枚一枚はがしていくような繊細なサウンドにも感嘆しましたが、『絶望先生』の長谷川さん、さらに一皮むけたって気がしますね。

さよなら絶望先生 オリジナル・サウンドトラック 「絶望劇伴撰集」

 : さよなら絶望先生 オリジナル・サウンドトラック

さよなら絶望先生 序 ~絶望少女撰集~ [DVD]
 特別編DVD。サントラ盤未収録BGM26曲を収録したCDを同梱。

 : さよなら絶望先生 序 ~絶望少女撰集~

俗・さよなら絶望先生 オリジナル・サウンドトラック 「俗・絶望劇伴撰集」

 : 俗・さよなら絶望先生 オリジナル・サウンドトラック

マリオネット (ROLLYと絶望少女達)

 : マリオネット

魔人探偵脳噛ネウロ オリジナル・サウンドトラック
 こちらはゴブリンなどのイタリアンホラー音楽を思わせる、妖しく華麗なつくり。

 : 魔人探偵脳噛ネウロ オリジナル・サウンドトラック

2008年3月27日 (木)

墓場へようこそ!「墓場鬼太郎」

 出たよ出ましたよ!
 『墓場鬼太郎』のサントラが。

 いずみたく作曲の「ゲゲゲの鬼太郎」のメロディを使わない初の鬼太郎音楽。
 和田薫は、原作のダークで奇妙な味わいを巧みに音楽ですくいとっています。

 和田さんによれば、『墓場』の話は'96年版『ゲゲゲの鬼太郎』の製作時からあったそうで、実に10年ごしの企画ということになります。東映アニメの清水プロデューサーは、『墓場』のときも音楽は和田さんと決めていたとか。そのため、和田さんは早くから原作コミックスを読んでイメージをふくらませていたのです。

 できあがった音楽は、まさに大人の味わい。小編成のオーケストラに邦楽器をからめたサウンドは和田さんの真骨頂です。

 開幕を飾る「ようこそ墓場へ」は和田さんが『墓場鬼太郎』のために設定したメインテーマ。ダークでシニカル。単純な怪奇音楽にしなかったところは、さすがに原作をよくわかってる。つづく「墓場鬼太郎」はメインテーマから派生した鬼太郎のテーマ。野沢雅子さんの声で「ケケケ」と笑う鬼太郎が目に浮かぶよう。全体に、原作の怖いだけでない、ちょっと歪んだシニカルな味わいがみごとに表現されてます。

 全11話という短いシリーズのため、用意された曲は20曲余り。サントラにはほぼ全曲が収録されています。構成・曲タイトルは和田さん自身で、「同じトーンの曲が多いので飽きずに聴いてもらえるよう工夫した」とか。OP&EDはTVサイズ収録ですが、挿入歌「君にメロロン」「有楽町で溶けましょう」はフルサイズで収録。

 惜しむらくは、製作スケジュールの都合で、#9「霧の中のジョニー」の中でジョニーが弾くギター曲が収録されなかったこと。ジョニーのギターは和田さん自身がコンテを見て演奏しているのです。実は'96年版『ゲゲゲの鬼太郎』でも、吸血鬼エリートのギターを和田さんが演奏しているので、この趣向は和田薫版鬼太郎の伝統なんですよ。MAXIシングルでもいいから発売してくれないかなぁ。

 あ、'96年版『ゲゲゲの鬼太郎』の、大量のCD未収録BGMもなんとか世に出してほしい。『墓場』の未収録とあわせて、「和田薫 鬼太郎の世界」なんてどうですか?>メーカーのみなさん。音源もあるので、すぐに出せますよ!

墓場鬼太郎 オリジナルサウンドトラック

 : 墓場鬼太郎 オリジナルサウンドトラック

snow tears (寝子版) [MAXI]
 中川翔子が歌うエンディング「snow tears」の寝子ジャケット限定版。しょこたんのコスプレ・ステッカーつき(笑)。お早めに。

 : snow tears: snow tears

2008年3月18日 (火)

第2回 伊福部昭音楽祭

 3月16日。杉並公会堂で開催された「第2回 伊福部昭音楽祭」に足を運びました。

 第1回の会場はサントリーホール。今回は会場と趣向を変え、映画上映やシンポジウム、サロンコンサートなどをまじえた構成になりました。

 午後のサロンコンサートから参加。
 伊福部先生のギター作品のコンサートです。伊福部先生に直接ギター曲を師事した哘崎孝宏氏の演奏。小さいホールなので、指使いまではっきり見えました。私はギターを弾きませんが、かなりの難曲? コードを押さえる左手の動きがいかにも大変そう。
 途中で、「プログラムにはないですが」、とバレエ『サロメ』から「宮女の踊り」のギターアレンジ版を挿入するサプライズもあり。
 演奏の合間に伊福部先生の思い出を語られていたのが印象的でした。

 続いて、メインコンサートへ。
 1階2列目で鑑賞しました。音楽の響きを聴くには前過ぎる気がしますが、オーケストラの動きがよく見えて、これはこれでいい体験。

 オリジナル編成版の『ゴジラ』組曲が予想以上によかった。チューバが入ってないので厳密には違うんですが、映画用サントラ録音とほぼ同じ編成による再演です。8型(86442)の弦と1管編成のオケ。サントラと比べると「音がよすぎ」という人もいたようですが、私は出だしから「おおーっ、映画の音だよ!!」と感動でした。コンサートでよく演奏される「SF交響ファンタジー」版ではなく、この音こそが耳なれたサントラの音なんですよ。
 弦が少ないぶん、低音楽器やパーカッションがよく響く。弦があると響きは豊かになるんですが、印象が柔らかくなるんですね。編成が少ないのは予算の都合であることが多いのですが、それをハンデにせず、楽器の音を最大限に生かしたアレンジにして聴かせていたのが、往年の映画音楽作曲家だったわけです。その技を目の当たりにした気分でした。
 特に、「ゴジラの恐怖」の主題では、オーケストラの向かって左側、ヴァイオリンが全員休んでいるのですよ。チェロとコントラバスの低音域がずしりと響く。「こういうことか…」と感嘆しました。

 「聖なる泉」と「コタンの口笛」もよかったなあ。「聖なる泉」はモスラとインファント島の主題をコンサート用に編曲し、藍川由美さんが歌唱。ザ・ピーナッツやコスモスの歌唱とは一味違う、魂をふるわせるような歌唱です。「コタンの口笛」は、1978年に東宝レコードから発売された伝説のアルバム『伊福部昭の世界』ではじめて聴いて以来、印象に残っていた曲。あの口笛(指笛)が生演奏で再現されたことに涙。藍川由美さんのヴォーカルが入り、北の大地が目に浮かんでくるようでした。

 アンコールは、オーケストラ全員による「土俗的三連画」第1曲。終わって指揮の堀氏がそでに消えたあと、指揮者なしで「宇宙大戦争マーチ」が始まる。劇的な演出で驚きました。うしろでグランカッサを叩いていた藤田崇文氏がコントロールしていたんでしょう。

 興奮のうちに閉幕。
 終演後、パーティに参加し、司会をつとめた和田薫さんにごあいさつ。ほか、知り合いの方とお話したりして楽しく余韻にひたることができました。舞台を降りた演奏家の方たちもはればれした表情でしたね。


<set list>
サロンコンサート

  1. ギターのためのトッカータ
  2. 古代日本旋法による踏歌
  3. バレエ『サロメ』より「宮女の踊り」
  4. サンタマリア
  5. 交響譚詩

 アンコール
  ・子守歌

メインコンサート
【第1部】室内楽

  1. ピアノ組曲 (1933)
     (ピアノ:木村かをり)
  2. ヨカナーンの首級を得て、乱れるサロメ ~バレエ『サロメ』より(2004)
     (二十五絃箏:野坂操壽/低音二十五絃箏:小宮瑞代)
  3. ヴァイオリンと管絃楽のための協奏風狂詩曲(第一楽章) 《音楽祭特別版》(1971/2008)
     (ヴァイオリン:萩原淑子、ピアノ:木村かをり、編曲&打楽器:藤田崇文)

【第2部】管弦楽

  1. 室内オーケストラのための「土俗的三連画」(1937)
  2. 松村禎三 「Hommage to Akira Ifukube」(1988)
    ―伊福部昭映画音楽より―
  3. 交響詩「聖なる泉」(『ゴジラvsモスラ』(1992)より)
  4. 管弦楽の為の「コタンの口笛」(『コタンの口笛』(1959)より)
     (ソプラノ:藍川由美/指笛:中村倫二(4)/指揮&オーケストラアレンジ:藤田崇文(3,4))
  5. 『ゴジラ』(1954)より 《オリジナル版》
  6. 『大坂城物語』(1961)より
     (オーケストラアレンジ:和田薫)

 アンコール
  ・土俗的三連画 第1曲
  ・宇宙大戦争マーチ

演奏:伊福部昭記念オーケストラ/指揮:堀 俊輔

司会:和田薫


大阪城物語 オリジナルサウンドトラック
 この音楽祭にあわせて東宝ミュージックから発売されたサントラ。ボーナストラックつき。
 東宝ミュージックのサイトで買うことができます。

 大阪城物語 オリジナルサウンドトラック

伊福部昭の世界
 ポリスターから出た再発版。思い出深い1枚です。

 : 伊福部昭の世界

2008年3月16日 (日)

特撮サントラ!?「鹿男あをによし」

 巷で話題らしい『鹿男あをによし』のサントラが発売されました。
 フジテレビ系放映のドラマ『鹿男あをによし』は、ひとことで内容を説明しづらいドラマです。「鹿がしゃべる」「八百万の神」「「人類の危機」「学園ドラマ」「ラブコメ」「キツネとネズミの化かし合い」、と説明すればするほどなんだかわからなくなる。よくぞ、こんな作品をドラマにしたなぁと。
 正直、どうなんだろう?と思ってたんですよ。そしたら、今期のドラマ中1,2を争う面白さ。思わぬ収穫でした。

 そして、話題を呼んだのが音楽です。最近のドラマにしては珍しく、エンディングがタイアップのポップスでない。インストの音楽です。これが、めちゃめちゃカッコいい。
 毎回、ドラマの最後は「次はどうなる!!」というクリフハンガーの手法で終わるんですが、ラストにかぶってエンディングテーマが流れてくると、いやがおうにも次回への期待が盛り上がってきます。

 音楽は『仮面ライダー電王』や『ウルトラマンメビウス』の佐橋俊彦。
 サントラを聴くと、「こ、これは新しいウルトラシリーズの音楽?」と思ってしまうほど、特撮テイストにあふれています。
 1曲目「鹿男おをによし オープニングテーマ」はウルトラシリーズでおなじみのタイトルバック音楽のよう。つづく2曲目「壮大なる神々の愛」は「ウルトラの星のテーマ」、3曲目「1800年の恋」は「時空を超えた使命」と、いちいち別のタイトルが頭に浮かんできてしまう(笑)。8曲目「気高い戦士たち」は、もちろん「ウルトラの戦士」、ファイティングテーマです。

 たまたまこうなったというより、明らかに狙ってる。「ああ、佐橋さんは、この作品をこういうふうに解釈したんだなぁ」、とうれしくなりました。
 それが、本編によくマッチしているからいいんですよ。本編もシリアスなSFドラマというより、人を食ったような「奇妙なお話」テイストで語られる。そこに佐橋さんのおおげさな音楽が入りこんでくることで、「コメディに見えて、バックにはすごいことがあるんですよ」という雰囲気をかもしだしてるんです。音楽と本編が互いに刺激しあって、相乗効果を上げている。

 一番の聴きどころは、やはりエンディングテーマでしょう。サントラ盤でもラストに配されています。かつて『ウルトラマンパワード』の海外版では、佐橋さんのインストテーマがオープニングを飾っていました。この曲も、そのまま特撮ヒーローもののオープニングテーマになっても違和感ない、燃える名曲です。惜しむらくはTVサイズしかないこと。ロングヴァージョンも作ってほしかったなぁ。

鹿男あをによし オリジナルサウンドトラック
 インパクト抜群のジャケにも注目。

 : アルバム・ジャケット

ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル オリジナル・サウンドトラック
 こちらは、円谷プロの新作。ウルトラマンの登場しない特撮怪獣ドラマです。佐橋さんの音楽も水を得た魚のような絶好調の出来。あわせて聴いてみてください。

 : アルバム・ジャケット

心に正義!「斉藤さん」

 斉藤さんといっても斉藤由貴ではなく、ドラマ『斉藤さん』のことですよ。
 日本テレビ系で放映中の『斉藤さん』、間もなく最終回になってしまいますが、毎回楽しみに観てました。観月ありさ、けっこう注目してるんです(なんせ、超少女REIKOですから(^^;)。
 それにしても、「正義感の強い若いお母さんの話」がこんなに面白いとは。群れず、流されず、孤独を恐れない斉藤さん(観月ありさ)は、考えてみれば、昔は男性に割り振られていたヒーロー像なんですね。それを若いママがやってるというのが現代的だし、共感を呼ぶところだと思います。かつてのきりっとした美少女・観月ありさが、役にぴったり。

 音楽は池頼広さん。このブログでも何度も紹介してきました。
 メインタイトル「斉藤さんのテーマ」がいい。『受験の神様』でもそうですが、シリアスに転びそうな内容を、明るく元気なメインタイトルで救ってます。聴いてると「くじけずがんばろう」って気持ちになるんですよ。
 池さんならではのポジティブな志向は、「未来と希望」「一人じゃないよ」「勇気の向こう」などに表れている。ドラマの展開に合わせて不安曲やサスペンス曲も配されてますが、こういう前向きな曲想がやはり池さんの持ち味です。
 透明感のあるピアノとギターが奏でる「雲の透き間」もさわやかないい曲で、私のお気に入り。
 ラストは、ソプラノサックスとピアノによるジャジーな「いつも心に斉藤さん」。カッコいいです。

 今年も絶好調の池さんの音楽、楽しみにしてます。

斉藤さん オリジナル・サウンドトラック

 : 斉藤さん オリジナル・サウンドトラック

ENGAGED (観月ありさ)
 観月ありさ歌う番組主題歌は美しいバラード曲。。5年ぶりのシングルです。カップリングは観月ありさ作詞による「アネモネ」。

 : ENGAGED

2008年3月10日 (月)

斉藤由貴コンサート@PARCO劇場

 3月8日。渋谷のPARCO劇場で開催された斉藤由貴コンサートに行きました。

 4日から9日まで開催される「Live@PARCO」の1プログラムですが、発売即完売になり、9日に追加公演が行われることに。

 なんてったって、斉藤由貴13年ぶりのソロコンサートですよ!

 斉藤由貴は、私が唯一全アルバムを買っているアイドル歌手です。
 いや、アイドルだったのは初期だけで、3作目からはもう「歌手」として聴いてました。
 「AXIA」「ガラスの鼓動」「チャイム」の3作が思い出深い。当時、アナログ盤で発売順に買ったと思いますが、なぜ買う気になったのか思い出せない。サントラマニアだった私はアイドル歌手に興味はなく、レコードを買ったことは一度もなかったんです。『スケバン刑事』の斉藤由貴にはちょっとムリを感じていたので、番組がきっかけではなかったと思います。
 もしかしたら、当時聴いていた谷山浩子が参加していたことから、「ガラスの鼓動」を最初に買ったのかもしれない。
 とにかく、この初期3作。続けて聴くと興味深いです。「AXIA」はアイドルらしいアルバム。でも、世界観にちょっとカツンとひっかかるところがある。「ガラスの鼓動」では、「初戀」「情熱」といったアイドルらしい曲もあるが、メインではない。1曲目が「千の風音」というインスト曲、2,3曲目に「月野原」「土曜日のタマネギ」と不思議な味わいの歌が続いて、独特の世界に入っていく。「初戀」「情熱」が浮いているんですね。「チャイム」では、自身の作詞による「予感」が傑作。同じく自作詩の 「アクリル色の微笑み」「あなたの声を聞いた夜」など、胸にぐいっと刺さるような詩の世界に引き込まれます。このアルバムを一番好んで聴いてました。

 「恋する女たち」をはじめとする大森一樹監督の映画や「ORACION」なども劇場に観にいってるし、'94年の「moi」まで、アルバムはリアルタイムで買い続けていました。
 もちろん、2004年に発売された「斉藤由貴CD-BOX1&2」は即買いです。

 斉藤由貴の魅力。それは声と表現力です。音楽的な意味で歌がうまいというわけではないと思うけれど、独特の声と歌い方はほかの人では代えられない魅力を持っている。

 そして、斉藤由貴の詩の世界がまたすごい。彼女は詩集や小説も何冊か出していて、私はそれも全部買ってると思う(^^; コトバに対する感覚が鋭く、できあいの言葉を並べたものではない、真実がことんと胸に落ちてくるようなすぐれた詩を書く。クリエイターとしての才能がある。それは、のちの作品になるほど顕著だし、自身でアルバム・プロデュースまでしている(しかも、それが見事な仕上がりを見せている)ことからもうかがえます。

 90年代後半からほとんど歌声が聴けなくなって残念に思っていたところに、ドラマ『吾輩は主婦である』で歌手復活し、狂喜! という話は以前にブログに書きました。

 世界名作劇場『少女コゼット』の主題歌「風の向こうに」は「斉藤由貴健在!」を示す名曲でした。

 そんなわけで今回のコンサート、ものすごく楽しみにしてました。運よく、最前列で観ることができました。

 全編が一幕の舞台のようなコンサートでした。

 開幕、1曲目の登場は客席中段横の扉から。通路を降りて、舞台へ。
 舞台上にあるベンチに座って歌ったり、詩の朗読をしたり、丸いカーペットの上に座って歌ったりと、演劇っぽい演出がされてました。
 ドキドキしていた声のほうは、往年と変わらない斉藤由貴ヴォイス。生で聴くと感動です。声も、歌い方も、変わらない。特に自身で作詞した歌は、圧倒的な表現力で聴かせます。歌手と女優がみごとに融合していました。逆に、「卒業」「悲しみよこんにちは」「夢の中へ」などのメジャーな歌のほうがつたない感じがするのが面白かった。人の書いた言葉でなく、自分の言葉で語りたい人なんですね。

 デビュー曲「卒業」では、デビュー当時のレコーディング風景がスクリーンに映し出され、20数年後の本人の歌とみごとにシンクロして共演する絶妙の演出がされていました。映像と対面した斉藤由貴の声がはっとするほど震えて、こちらも胸がいっぱいに。泣きそうになっちゃいました。
 あのとき、由貴ちゃんと一緒に、20数年の人生がフラッシュバックしたんですね。

 斉藤由貴も家庭を持ち、3人の子の母になり、観客たちにも20数年の人生があり、「いろいろあって生きてきたねえ」という思いが、会場中を満たしていたような気がします。

 アンコールの最後は「家族の食卓」。ありきたりの家族のだんらんの幸せを歌ったこの歌が、発表から20数年経ったいまの斉藤由貴と観客の胸にしみていく。締めくくりにふさわしい1曲でした。

 最後は、斉藤由貴一人が退場し、舞台上でバンドメンバが後奏を演奏する中、スクリーンに斉藤由貴のメッセージが流れる。幕が下りる。
 劇場映画の幕切れようなクロージングでした。

 バンドは、生ピアノ、生ギター、ヴァイオリン、チェロ、パーカッション(兼コーラス)、各1名ずつ。ポップスというより、セミ・クラシックのような編成です。ヴァイオリンとチェロが入ったことで音が品よく豊かになりました。

 驚いたのが、チェロを弾いていたのが、本地大輔さんだったこと。本地さんはもともと音楽ディレクターで、東映戦隊シリーズや平成仮面ライダーの音楽製作を手がけた人です。チェリストとして舞台に立っているとは。この日一番のサプライズでした。

 休憩なしの2時間があっという間。「いい舞台を見たなぁ」という余韻にひたりつつ会場をあとにしました。

<set list>

  1. 少女時代
  2. MAY
  3. AXIA ~かなしいことり~
  4. 土曜日のタマネギ
  5. 悲しみよ こんにちは
  6. ブルー・サブマリン
  7. 街角のスナップ
  8. MOON WALTZ  ~月の輪舞~
  9. The April Fools (Japanese version)
  10. 予感
  11. 夢の中へ
  12. 卒業
  13. 意味

(アンコール)

  • 初戀
  • 家族の食卓

 この日歌われた曲が収録されたアルバム(品切れ中のものがあります)。

AXIA (1985)
 「卒業」「AXIA ~かなしいことり~」収録。

 : AXIA

ガラスの鼓動 (1986)
 「土曜日のタマネギ」「初戀」収録。

 : ガラスの鼓動

チャイム (1986)
 「予感」「悲しみよこんにちは」収録。

 : チャイム

風夢 (1987)
 「MAY」「街角のスナップ」「家族の食卓」収録。

 : 風夢

PANT (1988)
 「少女時代」「ブルー・サブマリン」収録。

 : PANT

LOVE (1991)
 「MOON WALTZ ~月の輪舞~」「意味」収録。

 : LOVE

moi (1994)
 「The April Fools」収録。

 : moi

悲しみよこんにちは (21st century version) (2007)
 セルフカヴァー・ミニアルバム。「夢の中へ」はこちらのヴァージョンでした。

 : 悲しみよこんにちは (21st century version)

斉藤由貴 SINGLES COMPLETE (2007)
 90年代までのシングル全曲のAB面が収録されていてお得。アルバム未収録曲や別ヴァージョンも入ってます。

 : 斉藤由貴 SINGLES COMPLETE

2008年3月 6日 (木)

「スーパーマン」8枚組サントラBOX!

 公開当時から『スターウォーズ』より『スーパーマン』を気に入っていた私。サントラ盤も、新レコーディング2枚組、オリジナルサントラ2枚組など、何種類も買ってます。
 そしたら、『スーパーマン』I~IVまでの音楽を集大成した“Superman: The Music (1978-1988)”が発売されたというニュースが!!

 FSMレーベルから3000枚限定で、8枚組のBOXセットです。

 今回は、最良の素材からリマスターしなおしたり、初公開音源を追加するなど、サントラ・マニアにもうれしい内容。現在手に入りにくい第2作~4作のサントラも、まとめて入手するチャンスです。

<収録内容>

  • DISC1&2:SUPERMAN: THE MOVIE (1978) + Alternates
     -- Music by John Williams
  • DISC3:SUPERMAN II (1980)
     -- Music by Ken Thorne / Original Material by John Williams
  • DISC4:SUPERMAN III (1983)
     -- Music by Ken Thorne / Original Themes by John Williams
  • DISC5&6:SUPERMAN IV: THE QUEST FOR PEACE(1987)
     + Source Music & Alternates
     -- Music by John Williams / Adapted and Conducted by Alexander Courage /
       Source Music and Songs by Paul Fishman
  • DISC7:SUPERMAN (1988 ANIMATED SERIES) + Library Music
     -- Music by Ron Jones
  • DISC8:EXTRA DISC!
     Additional Alternates, Source Music and Songs

 なんと、'88年のアニメ版の音楽まで入ってます。

 インタビュー、解説などを掲載した160ページ・ブックレットつき。
 価格は約120ドル。円高の今買えば13,000円くらい。1枚1,600円程度とお得です。
 発売元のScreen Archives Entertainmentのサイトから通販で購入できます。

Superman: The Music (1978-1988)

 


<過去のリリース>

スーパーマン オリジナル・サウンドトラック
 記念すべき最初にリリースされたサントラ。日本盤。LPは2枚組でしたが、収録時間が短かったんでCD1枚に収まっちゃうんです。

 : スーパーマン オリジナル・サウンドトラック

Superman The Movie :Original Motion Picture Soundtrack
 2000年に発売された、オリジナル音源による2枚組完全版。

 : Superman The Movie :Original Motion Picture Soundtrack

Superman The Movie :Original Soundtrack (Rerecording)
 1999年に発売された再録音による2枚組。丁寧な演奏で音もよいが、やはりオリジナルにはかなわない。これを買ってすぐに上のオリジナル版が出るとは…(T-T)

 : Superman The Movie :Original Soundtrack (Rerecording)

スーパーマン・リターンズ オリジナル・サウンドトラック
 『ファンタスティック4』などのジョン・オットマンによるスコア。メインテーマはジョン・ウィリアムズのモチーフを使っています。なかなか好印象でした。

 : スーパーマン・リターンズ オリジナル・サウンドトラック

2008年3月 5日 (水)

ギネス認定記念!「およげ!たいやきくん」復刻CD

 455万枚を売った「およげ!たいやきくん」(歌:子門真人)の記録が、「日本の最も売れたシングル・レコード」としてギネスに認定されたそうですよ。
 なぜいまごろ認定されたかというと、「これまで申請してなかった」からだそうです。

 それを記念して、当時のEPレコードのジャケをそのまま復刻したMAXIシングルCDが発売されました。

およげ!たいやきくん (子門真人)

 : およげ!たいやきくん

 c/wはもちろん、当時のB面曲「いっぽんでもニンジン」(歌:なぎらけんいち)。「ぬりえ」もちゃんとついてます。
 CDは2曲入りですが、DVDが同梱されています。こちらには『ひらけ!ポンキッキ』で流れた「およげ!たいやきくん」のアニメのミュージッククリップを収録。TVで観ていた世代にはうれしいプレゼント。こういうのいいですね。アニメのシングル復刻でもやってほしい。

2008年3月 3日 (月)

谷山浩子 創業35周年記念コンサート

 3月2日。東京国際フォーラム ホールCで開催された「HIROKO TANIYAMA 35th Anniversary Concert ~創業35周年~」に行ってきました。

 いや~、35周年ですよ! デビューが15歳だから、あわわ…、ということで、自分も年とるはずだーっ。

 私が谷山浩子を熱心に聞いていたのは、1980~86年頃。たしかはじめて聴いたアルバムが『時の少女』でした。けっこうな衝撃でした。かの「てんぷら☆さんらいず」なども収録された名盤ですが、私は特に表題曲がお気に入りでした。それから古いアルバムを探し、新譜を買い、『空飛ぶ日曜日』あたりまではリアルタイムに追いかけてました。

 その後、「新譜が出るたびに聴く」という感じではなくなったのですが、たまに聴こえてくる歌声は、気にかけてチェックしていました。
 だから、彼女が精力的にコンサート活動をしていた90年代は、ほとんど知らないんですよ。
 最近評判になった『ゲド戦記』の主題歌「テルーの歌」。この作曲者が谷山浩子なんだ!?と驚いて、最近また聴きなおしたり、新しいアルバムをチェックしたりしていたのです。

 そんなときにタイムリーなコンサート。古いファンの一人として行ってきました。

 1500人入るホールCがほぼ満席。3階までぎっしり客が詰まってます。若い人から中高年層まで、年齢層が幅広い。

 1曲目は「お早うございますの帽子屋さん」。もう、ヒロコワールドに一気に引き込まれました。自分でも感動したのは、20数年前に聴いてた曲を、ほとんど覚えてて、歌えるってこと。「河のほとりに」「窓」「すずかけ通り三丁目」「恋するニワトリ」「まっくら森の歌」「猫の森には帰れない」「カントリーガール」「てんぷら☆さんらいず」「風になれ」「MAY」「銀河通信」…。わーん、懐かしいよー。

 本人もおっしゃってましたが、歌い方とかスタイルとか、20数年前とまったく変わらない。その歌の世界も。

 正直、20数年前聴いてたときには、谷山浩子さんはメジャーにはならないと思ってました。たぶん、今もメジャーになったのではなく、独自の世界を35年間歌い続けることで、新しいファンを獲得し続けて、こんな幅広い層から支持されるようになったのだと思うのですよ。不思議少女がそのまま大人になったように、ずっと同じ世界を追求している。

 あらためて思ったのは、彼女はキャラクターの人ではないんですね。ソングライターとしてすばらしい才能がある。覚えやすく魅力的なメロディ。ときにメルヘンチックでときにダークな独特の詩の世界。その才能が35年間枯れなかったということが、いちばんすごいと思う。

 編成は、谷山浩子自身の生ピアノと、ドラムス、ギター、ベース、キーボードというシンプルなバンド編成。コーラスに岩男潤子、相曽晴日の2人。アンコールでは、仕事が終わってかけつけた斉藤ネコさんが加わるサプライズもありました。

 第1部は初期の歌3曲のあと、「物語ソング」特集。物語を背景にした歌をたっぷりと2つのメドレーで聴かせます。本人も「大好きなんです」と語っていたように、まさにこれが谷山浩子の世界。私も、この物語性に惹かれていたんです。

 第2部は、「みんなのうた」に提供した2曲のあと、最新アルバムから「まもるくん」をコーラスの2人と一緒に披露。3人がそれぞれソロを取るコンサートならではのヴァージョンです。そして、「代表曲メドレー」として「猫の森には帰れない」から8曲を一気にメドレーで。限られた時間ゆえ、各曲をじっくり聴けないのが惜しい。「カントリーガール」なんて1番と3番だけで、女の子が泣いたまま終わっちゃって、ちょっと可哀そう。でも、これだけ歌っても、ほんとに代表曲の一部なんですよ。「MAY」は斉藤由貴の歌で覚えてた(谷山浩子は作詞のみ)。斉藤由貴の話はまた1週間後に(^-^;

 休憩をはさんで2時間のコンサートが、あっという間でした。ほんとに、「もう終わり!?」という感じ。自分が聴いてなかった90年代の曲にもいい曲がたくさんあって、「これから聴かなきゃ!」と思いつつ席を立ったのでした。

 もしももしも、「テルーの歌」で谷山浩子さんを知った、または、はじめて意識した、という人がいたら、ぜひぜひ、ほかの曲も聴いてみてください。一緒に、ヒロコワールドに迷い込みましょう。

 せんべい

 記念に買いました。せんべい。


<set list>

  1. お早うございますの帽子屋さん
  2. 河のほとりに

  3. <物語SONGSメドレー 1977~1980>
  4. すずかけ通り三丁目
  5. 本日は雪天なり
  6. 赤い靴
  7. やまわろ
  8. 眠レナイ夜
  9. カーニバル
    <物語SONGSメドレー 1981~2005>
  10. 草の仮面
  11. そっくり人形展覧会
  12. 悲しみの時計少女
  13. ウサギ穴
  14. 空の駅
  15. 素晴らしき紅マグロの世界
    ----
  16. カイの迷宮
    -------------(休憩)-----------
  17. 恋するニワトリ
  18. まっくら森の歌
  19. まもるくん (with 岩男潤子、相曽晴日)
    <代表曲メドレー>
  20. 猫の森には帰れない
  21. カントリーガール
  22. てんぷら☆さんらいず
  23. 風になれ
  24. DESERT MOON
  25. 約束
  26. テルーの歌
  27. MAY
    ----
  28. 王国
  29. 海の時間

アンコール

 ・銀河通信
 ・ドッペル玄関


谷山浩子ベスト 白と黒
 本人の選曲による2枚組ベスト。代表曲もマニアックな曲も入って、初心者から熱心なファンまで納得のアルバム。私の好きな「時の少女」は入ってないけど…。

 : アルバム・ジャケット

フィンランドはどこですか?
 2007年リリースの最新アルバム。これはいいですよ。中島みゆきも作詞で参加。新境地を予感させる名盤です。

 : アルバム・ジャケット

テルーと猫とベートーヴェン
 2006年リリース。「テルーの歌」ほか『ゲド戦記歌集』に提供した歌のセルフカヴァーなどを収録。

 : アルバム・ジャケット

 

2008年3月 2日 (日)

「ブレードランナー」サントラ3枚組 日本版発売!

 昨年アメリカでリリースされ、サントラファン、SF映画ファンを狂喜させた『ブレードランナー』サントラ3枚組の日本版が3月5日に発売されます。発売元はユニバーサル・ミュージック・ジャパン。
 オリジナルタイトルは“Blade Runner Trilogy : 25TH ANNIVERSARY”。

 『ブレードランナー』のオリジナル・サウンドトラックは1994年に発売されています。今回は未収録曲を補完した3枚組。1枚目は'94年発売版のリマスターで、2枚目が未収録曲補完盤です。そして3枚目は、ヴァンゲリスが新たに書き下ろした、Inspired Music。

 映画のファンにはやはりDISC2がうれしい。『ブレードランナー』のサントラ未収録曲は、海賊版でも何度かリリースされているんですが、正規盤はこれが初。劇中に使用された10曲と2曲のボーナストラック(未使用曲)が収録されています。ボーナストラックの2曲「One Alone」と「Desolation Path」もなかなか味わい深い。

 DISC3はヴァンゲリスが新たに解釈した『ブレードランナー』のイメージアルバムという雰囲気。これはこれでなかなかイイですよ。サントラ以上にメリハリが効いていて、ドラマチックです。それに、25年前の音と比べると、やはりサウンドが緻密で厚い。ヴァンゲリスの今の音なんですね。当時できなかったことを今の技術と解釈でやったような(エヴァンゲリオン風にいうとREBUILDですか…)、面白い試みと思いました。

 日本版は輸入盤より高くなってしまうのが、ナンですが…。日本語ブックレットもつくと思うので、輸入盤を買ってないという方はどうぞ。25周年記念5枚組DVD-BOXとともに手元におきたいアイテムです。

「ブレードランナー」 オリジナル・サウンドトラック <25周年記念エディション>

 : ブレードランナー オリジナル・サウンドトラック 25周年記念エディション

『ブレードランナー』製作25周年記念 アルティメット・コレクターズ・エディション
 5タイプの本編と映像特典満載の5枚組。
 DVD-BOX単体商品(右)はすでに品切れで、左の豪華オマケつきセットがまだ入手可能のようです。私はオマケはいらないので単体で買いました。

 : 『ブレードランナー』製作25周年記念 アルティメット・コレクターズ・エディション: 『ブレードランナー』製作25周年記念 アルティメット・コレクターズ・エディション

2008年3月 1日 (土)

よみがえる“銀色の未来” 「Project Blue 地球SOS」

 NHK BS2で放映中の『Project BLUE 地球SOS』の音楽がいいんですよ。

 『Project BLUE 地球SOS』は2006年にAT-Xで初放映された作品。その後、地上波に移りローカル局などで放映されて、今回のBS2での放映にいたります。初回は1話60分×6話を月1話ずつの放映という、S.キングの『グリーンマイル』みたいな放映形態だったそうです。地上派に移ってからは30分×12話に再構成して放映。観てるとサブタイトルが「前編」「後編」と2回セットになってるのはそのせいなんですね。

 私は初回放映当時1話だけは観ていたものの、続けて観るのは今回がはじめて。ただ、大島ミチルさんの音楽だけは、当時から注目していました。

 『Project BLUE 地球SOS』の音楽は、ビッグバンドで奏でられる未来。レトロ・フューチャーの世界です。

 原作の『地球SOS』は小松崎茂が1948年に発表した科学冒険絵物語。ここに描かれたのは60年前に想像された未来です。『三丁目の夕日』に未来世界の空想場面が登場しますが、あの映像は、昭和30年代に子どもたちがあこがれていた未来そのまんまでした。そのイメージの原型を作った一人が小松崎茂です。

 小松崎茂といえば、私の世代だと『地球防衛軍』『海底軍艦』などのメカニック、そして、サンダーバードなどのプラモデルの箱絵です。キングレコードが'78年代に発売した『マイティジャック』のLPジャケットもよかった。マイティジャックのデザインは成田亨ですが、LPジャケットは成田デザインを小松崎茂が描くという夢のようなコラボだったんですね。
 ただ、絵物語を読んだ世代ではない。
 だから、アニメの原作に『地球SOS』を見つけてきたというのは、すごく面白いと思いました。今見ると、小松崎茂のメカニックは、おしゃれで、懐かしく、リアルではないけれども、センスがきらめいている。そのデザインにこめられているのは、未来への希望、あこがれです。

 そういう作品につける音楽は、やはり、シンセサイザーを駆使した音楽や大編成のシンフォニックサウンドではない。懐かしい肌合いのサウンドでなければならなかったわけです。

 以前、大島ミチルさんにうかがった話では、「音楽は『サンダーバード』のようなレトロな感じにしてください」とお願いされたそうです。その中で自分のオリジナリティを出すのに苦心したと。
 結果的に、バリー・グレイのような懐かしいカッコよさと大島さんらしい華のあるオーケストレーションがミックスされた魅力的な音楽ができあがりました。

 収録曲の中では、メインテーマ「地球SOSのテーマ」が気に入っています。オープニングタイトルで、オシロスコープに波形が踊る冒頭カットとイントロの「ジャジャッ」のマッチングが絶妙で、冒険物語が始まる期待にわくわくします。
 劇中のテレビ番組「バッキーショウ」のテーマ曲まで収録されているのは、サントラマニアにはうれしい配慮(でも、この曲も物語上重要な役を果たすんですね)。
 壮大な曲想の「結束の心」はエンディングナレーションとともによく使われている印象深い曲。
 スカイナイトやインビンシブル号など、スーパーメカニックの活躍シーンによく使われている「正義のテーマ」や「勇気ある行動」の躍動感も最高です。

 大島ミチルさんが一番影響を受けた音楽家は、樋口康雄さんだそうです。樋口さんのもとで仕事をしていた時期があるんですね。大島さんの音楽に樋口さんの音楽の直接の影響はあまり感じられませんが、音楽の方向性、小手先によらず、大きな音楽を作っていくマインドは似通っていると思います。

 そうそう、レトロ・フューチャーといえば、『仮面ライダー電王』につけられた佐橋俊彦さんの音楽もまた、「過去から想像した未来」というコンセプトで書かれたビッグバンド風の音楽でした。同じようなアプローチで書かれた2つの作品、聴き比べてみると面白いかもしれません。

Project BLUE 地球SOS オリジナル・サウンドトラック
 LPサイズだったら飾っておきたくなるようなジャケ。

 : Project BLUE 地球SOS オリジナル・サウンドトラック

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