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2008年3月10日 (月)

斉藤由貴コンサート@PARCO劇場

 3月8日。渋谷のPARCO劇場で開催された斉藤由貴コンサートに行きました。

 4日から9日まで開催される「Live@PARCO」の1プログラムですが、発売即完売になり、9日に追加公演が行われることに。

 なんてったって、斉藤由貴13年ぶりのソロコンサートですよ!

 斉藤由貴は、私が唯一全アルバムを買っているアイドル歌手です。
 いや、アイドルだったのは初期だけで、3作目からはもう「歌手」として聴いてました。
 「AXIA」「ガラスの鼓動」「チャイム」の3作が思い出深い。当時、アナログ盤で発売順に買ったと思いますが、なぜ買う気になったのか思い出せない。サントラマニアだった私はアイドル歌手に興味はなく、レコードを買ったことは一度もなかったんです。『スケバン刑事』の斉藤由貴にはちょっとムリを感じていたので、番組がきっかけではなかったと思います。
 もしかしたら、当時聴いていた谷山浩子が参加していたことから、「ガラスの鼓動」を最初に買ったのかもしれない。
 とにかく、この初期3作。続けて聴くと興味深いです。「AXIA」はアイドルらしいアルバム。でも、世界観にちょっとカツンとひっかかるところがある。「ガラスの鼓動」では、「初戀」「情熱」といったアイドルらしい曲もあるが、メインではない。1曲目が「千の風音」というインスト曲、2,3曲目に「月野原」「土曜日のタマネギ」と不思議な味わいの歌が続いて、独特の世界に入っていく。「初戀」「情熱」が浮いているんですね。「チャイム」では、自身の作詞による「予感」が傑作。同じく自作詩の 「アクリル色の微笑み」「あなたの声を聞いた夜」など、胸にぐいっと刺さるような詩の世界に引き込まれます。このアルバムを一番好んで聴いてました。

 「恋する女たち」をはじめとする大森一樹監督の映画や「ORACION」なども劇場に観にいってるし、'94年の「moi」まで、アルバムはリアルタイムで買い続けていました。
 もちろん、2004年に発売された「斉藤由貴CD-BOX1&2」は即買いです。

 斉藤由貴の魅力。それは声と表現力です。音楽的な意味で歌がうまいというわけではないと思うけれど、独特の声と歌い方はほかの人では代えられない魅力を持っている。

 そして、斉藤由貴の詩の世界がまたすごい。彼女は詩集や小説も何冊か出していて、私はそれも全部買ってると思う(^^; コトバに対する感覚が鋭く、できあいの言葉を並べたものではない、真実がことんと胸に落ちてくるようなすぐれた詩を書く。クリエイターとしての才能がある。それは、のちの作品になるほど顕著だし、自身でアルバム・プロデュースまでしている(しかも、それが見事な仕上がりを見せている)ことからもうかがえます。

 90年代後半からほとんど歌声が聴けなくなって残念に思っていたところに、ドラマ『吾輩は主婦である』で歌手復活し、狂喜! という話は以前にブログに書きました。

 世界名作劇場『少女コゼット』の主題歌「風の向こうに」は「斉藤由貴健在!」を示す名曲でした。

 そんなわけで今回のコンサート、ものすごく楽しみにしてました。運よく、最前列で観ることができました。

 全編が一幕の舞台のようなコンサートでした。

 開幕、1曲目の登場は客席中段横の扉から。通路を降りて、舞台へ。
 舞台上にあるベンチに座って歌ったり、詩の朗読をしたり、丸いカーペットの上に座って歌ったりと、演劇っぽい演出がされてました。
 ドキドキしていた声のほうは、往年と変わらない斉藤由貴ヴォイス。生で聴くと感動です。声も、歌い方も、変わらない。特に自身で作詞した歌は、圧倒的な表現力で聴かせます。歌手と女優がみごとに融合していました。逆に、「卒業」「悲しみよこんにちは」「夢の中へ」などのメジャーな歌のほうがつたない感じがするのが面白かった。人の書いた言葉でなく、自分の言葉で語りたい人なんですね。

 デビュー曲「卒業」では、デビュー当時のレコーディング風景がスクリーンに映し出され、20数年後の本人の歌とみごとにシンクロして共演する絶妙の演出がされていました。映像と対面した斉藤由貴の声がはっとするほど震えて、こちらも胸がいっぱいに。泣きそうになっちゃいました。
 あのとき、由貴ちゃんと一緒に、20数年の人生がフラッシュバックしたんですね。

 斉藤由貴も家庭を持ち、3人の子の母になり、観客たちにも20数年の人生があり、「いろいろあって生きてきたねえ」という思いが、会場中を満たしていたような気がします。

 アンコールの最後は「家族の食卓」。ありきたりの家族のだんらんの幸せを歌ったこの歌が、発表から20数年経ったいまの斉藤由貴と観客の胸にしみていく。締めくくりにふさわしい1曲でした。

 最後は、斉藤由貴一人が退場し、舞台上でバンドメンバが後奏を演奏する中、スクリーンに斉藤由貴のメッセージが流れる。幕が下りる。
 劇場映画の幕切れようなクロージングでした。

 バンドは、生ピアノ、生ギター、ヴァイオリン、チェロ、パーカッション(兼コーラス)、各1名ずつ。ポップスというより、セミ・クラシックのような編成です。ヴァイオリンとチェロが入ったことで音が品よく豊かになりました。

 驚いたのが、チェロを弾いていたのが、本地大輔さんだったこと。本地さんはもともと音楽ディレクターで、東映戦隊シリーズや平成仮面ライダーの音楽製作を手がけた人です。チェリストとして舞台に立っているとは。この日一番のサプライズでした。

 休憩なしの2時間があっという間。「いい舞台を見たなぁ」という余韻にひたりつつ会場をあとにしました。

<set list>

  1. 少女時代
  2. MAY
  3. AXIA ~かなしいことり~
  4. 土曜日のタマネギ
  5. 悲しみよ こんにちは
  6. ブルー・サブマリン
  7. 街角のスナップ
  8. MOON WALTZ  ~月の輪舞~
  9. The April Fools (Japanese version)
  10. 予感
  11. 夢の中へ
  12. 卒業
  13. 意味

(アンコール)

  • 初戀
  • 家族の食卓

 この日歌われた曲が収録されたアルバム(品切れ中のものがあります)。

AXIA (1985)
 「卒業」「AXIA ~かなしいことり~」収録。

 : AXIA

ガラスの鼓動 (1986)
 「土曜日のタマネギ」「初戀」収録。

 : ガラスの鼓動

チャイム (1986)
 「予感」「悲しみよこんにちは」収録。

 : チャイム

風夢 (1987)
 「MAY」「街角のスナップ」「家族の食卓」収録。

 : 風夢

PANT (1988)
 「少女時代」「ブルー・サブマリン」収録。

 : PANT

LOVE (1991)
 「MOON WALTZ ~月の輪舞~」「意味」収録。

 : LOVE

moi (1994)
 「The April Fools」収録。

 : moi

悲しみよこんにちは (21st century version) (2007)
 セルフカヴァー・ミニアルバム。「夢の中へ」はこちらのヴァージョンでした。

 : 悲しみよこんにちは (21st century version)

斉藤由貴 SINGLES COMPLETE (2007)
 90年代までのシングル全曲のAB面が収録されていてお得。アルバム未収録曲や別ヴァージョンも入ってます。

 : 斉藤由貴 SINGLES COMPLETE

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コメント

本当にいいライブでしたね。
純粋な歌唱力はそんなでもないかも知れないけど、表現力というのはそれだけじゃないんだなーと実感されられました。斉藤由貴でしか作れない世界が、確かにありましたね。
「MOON」の曲がなかったのは残念ですが、あの完璧に構築された音はライブ向けじゃないのかも知れません。
本地さんのことについて気付いたのは、もしかしたらあの会場で猫さんだけかも知れません。貴重な情報を有り難うございます。

>中澤"元花牧スタヂオ主人"邦明 さん
年を取ってイメージの変わりようにがっかりするアイドルもいますが、斉藤由貴は、少女の面影を残したまま、いい感じに年を重ねていましたね。
ブランクを感じさせない舞台に感動。
大好きな「予感」が生で聴けて満足でした(^-^)

ライヴに行きたかったのですが時間的に無理でした。
『AXIA』では「フィナーレの風」がマイベストです。
「家族の食卓」がエンディング・テーマだったトーク番組『斉藤さんちのお客さま』という番組がありましたね。
アナログからCDへの移行時期に、アナログ盤が出ない「CD限定アルバム」をいち早く出したアイドルかもしれない。CDプレイヤーを買う前に、CDがなくなっちゃったら困るので先に買っておいたのを思い出しました。歌手復帰、嬉しいです。
CDボックスでまとまって聞けるのでいいのですが、時間ができたら過去のレコード、CDの他、グッズ類をちゃんと整理してみたくなりました。
今年はキャンディーズに……お許し下され(苦笑)
あー伊福部昭音楽祭も近所なのに行けない……。

>タカさん
CD-BOXももう手に入らないので、品切れ中の過去のアルバムを手軽に聴けるようにしてほしいですね。
キャンディーズ、デビュー35周年&解散30周年であらたな発掘があるんでしょうか!? 楽しみです。

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