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2008年8月

2008年8月27日 (水)

プリキュア☆ミラクル☆マジカル☆コンサート!

 8月1日に日本テレビ系で放映された『ヒットメーカー阿久悠物語』を観ていていちばん驚いたのは、五條真由美さんとうちやえゆかさんがコーラスガール役で出演していたことですよ。出番はほんの数カットでしたが、なんとも貴重な映像。音楽をプリキュアシリーズの挿入歌を作曲している高木洋さんが担当していたからでしょうね。監督は平成ガメラシリーズの金子修介。ウルトラマンタロウも登場する、なかなかマニアックな作品でした。

 その五條さんの毎年恒例、目黒<Blues Alley Japan>でのライブが8月31日に開催されます。ゲストは高取ヒデアキさん! 当日券もあるようなので、行こうか行くまいか迷っている人は今からでも遅くない!!


 五條真由美 BAJ 4の巻!

  会場:Blues Alley Japan

  16:30開場 18:00開演

  チケット:前売り \4,000 当日 \5,000円


 そして、その1週間後の9月7日には、プリキュアシリーズ5周年を記念したメモリアルコンサートが開催されます。歴代プリキュア主題歌歌手が集合するファン待望のステージ!


 プリキュア☆ミラクル☆マジカル☆コンサート

  9月7日(日)
  会場:中野サンプラザ

  午前の部 11:00開演
  午後の部 14:30開演

  出演:五條真由美、うちやえゆか、工藤真由、宮本佳那子

  チケット:全席指定 \3,500

  ローソンチケットチケットぴあイープラスなどで発売中!


 午前午後2回公演。夏休み明けの1日だけのお祭りです。

   *

 歴代ボーカルアルバムを集めた、プリキュア ボーカルBOXも出ました!

プリキュア5th ANNIVERSARY プリキュアボーカルBOX1 ~光の章~
 DVDつき初回限定商品。過去に発売されたアルバムを持っている人にはほとんどダブりですが、持ってない人にはお得なセット。今回の企画のために録音された新録音源も入ってます。DVDの特典映像は、各シリーズ前期OP・EDのノンテロップムービー。

 : プリキュアボーカルBOX1

 BOX2は12月リリース予定。

  となると……、「サントラBOX」も欲しいような気がしませんか。未収録曲はもうないはずだけど……。いやいや、実はネタは残ってるんですよ。欲しい人はマーベラスさんにリクエストしてみてくださいね。

2008年8月22日 (金)

80年代アニメソングは“夏の香り”

 ドライブする機会があったので、今年の3月に発売されたコンピレーション・アルバム『flyng DOG アニメコレクション テーマソング・アーカイブ '80s』をずっと聴いていたんですが、これがなかなかよかった。

 いい歌が多いんですよ。

 収録されているのは、80年代に登場したビクターのアニメソングの数々。『ニルスのふしぎな旅』『戦国魔神ゴーショーグン』『おはよう!スパンク』『魔法のプリンセス ミンキーモモ』『超時空要塞マクロス』『ときめきトゥナイト』『さすがの猿飛』『スプーンおばさん』『機甲創世記モスピーダ』『巨神ゴーグ』…。こうやって書き出すだけでも、当時感じた「新しい息吹」を思い出してわくわくしてしまう。

 80年代をタイアップの時代、ポップス化の時代と呼ぶ人もいるけれど、それはちょっと正しくない。新しい才能が続々と参入してきたけれど、作ろうとしたのはやはり“アニメ主題歌”なのだ。そこが、「番組と関係ない歌を主題歌にもってくるようになった」90年代とは違うところ。「子どもの歌」という60、70年代的制約から自由になって、歌謡曲と同じ土俵で歌づくりが進められた時代。それまでなら、「これは子ども番組の歌にはちょっとね」とNGになったサウンドやリズムが、どんどん取り入れられ、洗練された大人びた音になっていった。いわば、アニメソングの“青年期”だったと思うのですよ。

 先日の『BS熱中夜話<ヒーローソングナイト>』の2回目ですっ飛ばされてしまったのが、そこのところで、ホントは「80年代にも熱い歌はある。でも70年代とは熱さの質が違う」という話をちゃんとしてるんですね(放送ではカット)。

(余談ですが地上派で再放送が決まりました。9月19日(金) 24:10~ 2回分一挙放送(90分)です。)

 『flyng DOG アニメコレクション テーマソング・アーカイブ '80s』には、そんな時代の音がぎっしり詰まっている。懐かしくて、きらきらした、夏休みが終わりかけた頃の夏の香りがする。

 選曲は、1994年にビクターから発売されていた『アニメ・サウンド・ミュージアム』シリーズと重なるところが多い。でも、年代を追って劇場版までフォローされた内容は『アニメ・サウンド・ミュージアム』よりも充実。初CD化曲もフォローされているので、同シリーズを持っている人にもお勧めです。

 ちなみに、私のお気に入りは『レディ・ジョージィ』。渡辺岳夫作品ですよ。

flyng DOG アニメコレクション テーマソング・アーカイブ '80s Part I
 収録曲はこちら。『スプーンおばさん』の歌はホント名曲だなぁ(松本隆(作詞)×筒美京平(作曲)×川村栄二(編曲)×飯島真理(歌)という面子)。

 : flyng DOG アニメコレクション テーマソング・アーカイブ '80s Part I

flyng DOG アニメコレクション テーマソング・アーカイブ '80s Part II
 収録曲はこちら。なつかし、 燕 奈緒美/真由美姉妹の『ワンダービートS(スクランブル)』が聴ける。

 : flyng DOG アニメコレクション テーマソング・アーカイブ '80s Part II

↓こんなのも出てます。
for 30's generation アニメ ~みんなアニメが好きだった~
for 30's generation 特撮 ~あの時、僕はヒーローだった~
 70年代も含めた選曲。年代順でもジャンル別でもない構成は、車で聴いてると意外性があってけっこういい。

 : for 30's generation アニメ : for 30's generation 特撮

2008年8月17日 (日)

アナログ・シンセをこの手に「シンセサイザークロニクル」

 紹介が遅れましたが、知人のpolymoogさんや田中雄二さんが関わった『シンセサイザー・クロニクル』が7月30日に発売されました。

 学研から刊行されている『大人の科学マガジン』の別冊。付録にアナログ・シンセサイザーがついたMOOKです。シンセサイザーのしくみ、歴史、楽しみ方など、音楽家のインタビューをまじえて構成されています。『大人の科学』という本の性質上、初心者にもわかりやすい内容になっていますが、その充実ぶりは、マニア向けと言ってもおかしくない。

 YMOの3人(細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏)に松武秀樹が話を聴くインタビューをはじめ、冨田勲、植松伸夫、安西史孝、浅倉大介らが登場。安西史孝氏の『うる星やつら』劇伴裏話はサントラファンにもおいしいですよ。

 モーグ博士とmoogシンセサイザーの紹介、シンセサイザーの技術的進化史、日本の3大シンセメーカー・ローランド、KORG、YAMAHAの開発者の談話、ヴィンテージ・シンセ・ミュージアムなど、読み物も充実。豊富に掲載されたシンセサイザーの写真は見るだけでも楽しいし、電子楽器好きにはこたえられないでしょう。

 付録は、電池で動作する組立式アナログ・シンセサイザー。デジタル・シンセなら簡単ですが、アナログ・シンセをふろくにしてしまうなんてスゴイ! その開発秘話は、『大人の科学』サイトで「緊急連載 ふろくシンセのできるまで」という特集ページになっています。

 楽器を知ると音楽の楽しみ方も広がりますよ。ぜひ、手にとってみてください。

大人の科学マガジン別冊 シンセサイザー・クロニクル

 : シンセサイザー・クロニクル

大人の科学マガジン Vol.17 ( テルミン )
 こちらも大ヒットでした。演奏できるミニ・テルミンがついた1冊。

 : 大人の科学マガジン Vol.17 ( テルミン )

電子音楽 in Japan
 田中雄二さんによる、もはや“古典”の名著。2001年の初版に訂正を加えた第2刷が発売中。レア音源を含むCDつき。

 : 電子音楽 in Japan

2008年8月16日 (土)

コミケ出店終了

 8月15日のコミケ初日が終了しました。
 <劇伴倶楽部>で出店してました。

 暑い中、訪ねてきてくださったみなさま、ありがとうございます。
 「テレビ見ました」と言っていただいて、うれしかったです。

 おかげさまで、新刊だけでなく、旧刊もけっこう売れました。

 しかし…、暑い1日でしたね。過酷なコミケでした。
 サークル参加の方も、一般参加の方も、お疲れさまでした。

 2日目、3日目に参戦の方、どうぞお気をつけて。水分補給と暑さ対策を怠りなく。

Comike2008

2008年8月13日 (水)

平野義久が作り出す音の「秘密」

 日テレ系で火曜深夜に放送中のアニメ『秘密(トップシークレット) ~The Revelation~』が怖い~。

 死者の脳に残された視覚記憶をMRIを用いて映像化する技術が実用化された近未来。科学警察研究所 法医第九研究室(通称“第九”)では、その技術を用いた「MRI捜査」が行なわれていた。犯罪に巻き込まれて死んだ人間(被害者・加害者)の脳から記憶を再生し、事件の謎を解明するのだ。それは死者の「秘密」をあばくことでもあった――。

 SF的ガジェットを使っているが、つくりは『羊たちの沈黙』を思わせるサイコサスペンス。猟奇的な犯罪と被害者、悲劇的な過去や病んだ心を持った犯罪者たちが次々登場して、「うわー、たまらんなぁ」と思うことたびたび。

 そんな『怪奇大作戦』ばりのドラマをこの上もなく盛り上げているのが、平野義久の音楽なのです。

 平野さんの作品は、このブログでも『栞と紙魚子の怪奇事件簿』を取り上げました。『栞と紙魚子』はホラーテイストとはいえ、どちらかというとコメディ。『秘密』はホンキで怖い。

 その怖さの秘密は、現代音楽の手法を駆使したサウンド。シンセなどの電子楽器の使用を抑え、古典的なオーケストラを使った現代音楽の書法で書かれています。不協和音がぎしぎしうなり、落ち着かない音の泡立ちが心をざわめかせる。映画『猿の惑星』のゴールドスミスの音楽や、『2001年宇宙の旅』で使われたリゲッティの音楽を思わせる。

 平野さんに話をうかがったら、実際「50~60年代の現代音楽」を意識したのだそうです。それが、懐かしくも新しい。ほかにも、音を一つ一つの粒ではなく塊として使う“トーンクラスター”という手法を用いたり、あえてデジタルな音楽とは対極的な手法を追及したのだとか。

 サントラの冒頭に置かれた「The Number Nines」は「第九のテーマ」。ほかの曲とはちょっと趣が違い、海外ドラマのテーマ曲のようなカッコいい曲。
 しかし、「Chaos」「Darkness」などでは、現代音楽の手法を用いたホラー/サスペンス・サウンド全開。いかにも『秘密』の作品世界にふさわしい不安な曲調が背中をぞくぞくさせる。
 「What He Saw」や「In the Realm of the Memories」には、ジョン・ゾーンの作品をほうふつさせるミュージック・コンクレートの手法が使われている(ジョン・ゾーンは平野さんが少年時代に影響を受けた作曲家のひとり)。
 「Himitsu」は民族音楽的な旋律とラテンっぽいリズムが融合した曲で、不気味だけれど人間くさい、ふしぎな曲になっている。

 全体に、ただ怖いだけでなく、人間のふしぎさ、多面性を表現したような味わい深いアルバムになっています。

 本作に限らず、平野さんの作品は「劇伴」の枠をはみ出したものが多い。幼少時はバロック音楽、少年時代はジャズに傾倒した平野さんは、高校卒業後、単身渡米。イーストマン音楽大学作曲科に入学して現代音楽を学びます。帰国後、仕事を探していたときに今の事務所のマネージャに出会って、2001年にアニメ『爆転シュート ベイブレード』の音楽で本格デビュー。以後、『桜蘭高校ホスト部』『鋼鉄神ジーグ』『DEATH NOTE』など、数は多くないものの、映像音楽作家として着実に実績を重ねている。その作風には平野さんの音楽歴がにじみ出しています。たとえば音大の映画音楽コースで映像音楽を学んだ作家の音楽とは、明らかに違うのです。

 緻密なオーケストレーションに支えられた音楽は、さらっと聴いただけだと親しみにくい。打ち込み全盛の最近の映像音楽を聴きなれた耳には、耳障りに聞えるかもしれない。でも、じっくり聴けば面白さがわかるはず。「燃える曲が好き」「美しい曲が好 き」という人にも、食わず嫌いにならずぜひ試していただきたいサウンドです。映像音楽というジャンルの持つ奥深さが、凝縮されていると思うのです。

秘密(トップシークレット) ~The Revelation~ オリジナル・サウンドトラック

 : 秘密 ~The Revelation~ オリジナル・サウンドトラック

RD潜脳調査室 オリジナル・サウンドトラック
 東京では『秘密』と同じチャンネル&連続する時間帯で放送中。『秘密』と同じく脳内世界を扱った作品だが、『秘密』とは対照的に、ヒューマンで明るい音楽をめざしたそうです。

 : RD潜脳調査室  オリジナル・サウンドトラック

DEATH NOTE オリジナル・サウンドトラック
 アニメ版サントラ。映画『オーメン』の“Ave Satani”を思わせるコーラス曲やダイナミックなプログレッシブ・ロック。実写映画版の川井憲次とはまた違う『DEATH NOTE』の世界です。タニウチヒデキと共作。

 : DEATH NOTE オリジナル・サウンドトラック

鋼鉄神ジーグ オリジナル・サウンドトラック
 ワーグナーを思わせるパワフルなスコア。平野さんは「ロボットものの王道」のつもりで書かれたそうですが、とても斬新です。

 : 鋼鉄神ジーグ オリジナル・サウンドトラック

桜蘭高校ホスト部 サントラ&キャラソン集 前編
 バッハ風、モーツァルト風など、さまざまな音楽スタイルを使ったパロディックな作品。平野さん自身気に入っている作品のひとつ。「後編」も発売中。

 : 桜蘭高校ホスト部 サントラ&キャラソン集 前編

2008年8月12日 (火)

夏コミ初日(15日)にサークル参加

 3年ぶりにコミックマーケットにサークル参加します。

 8月15日(金) 西 か 42a 「劇伴倶楽部」

です。

 新刊は、『劇伴倶楽部 Vol.3 池 頼広の世界』

 この夏は、『ケータイ捜査官7』『テレパシー少女 蘭』『ゴンゾウ』『ワールド・デストラクション』と、音楽を担当したシリーズが4本も同時放映中の池さん。OVA『COBRA The Animation』の音楽も担当していて、超多忙な日々を送られています。

 その合間を縫って、取材を敢行。

 初公開の話満載のインタビューをお楽しみに。

 全サントラ盤紹介もついてます。

 Vol.1、Vol.2の在庫も持っていきます。

 金曜日ですが、参加される方いましたら、ついでにどうぞ。

--------

 追記。「2年ぶり」のつもりでいたら、実は3年ぶりでした。
 月日の立つのは早い。
 本文は修正しました。

2008年8月 7日 (木)

【訃報】河井英里さん

 シンガーソングライターの河井英里さんが、4日、肝臓がんのため亡くなりました。享年43歳でした。

 河井英里さんといっても、ピンと来ない方も多いでしょうが…。

 90年代半ばに放映されていたフジテレビの情報番組『ワーズワースの冒険』のテーマ(作曲:大島ミチル)のヴォーカリストで、アニメでは『ARIA』の挿入歌、『うたわれるもの』のエンディングなどを歌っていました。

 ソングライターとして曲・詞の提供も多く、アニメ『ARIA』では第1期主題歌「ウンディーネ」、第2期主題歌「ユーフォリア」の作詞を担当。アニメ『バンブーブレード』でもOP「BAMBOO BEAT」とED「STAR RISE」の作詞を担当していました。

 また、スタジオミュージシャンとして、CMやサントラの録音に数多く参加しています。

 佐藤直紀さん、池頼広さん、和田薫さん、窪田ミナさんら、私が取材したことのある作曲家も河井さんと仕事をしたことがあり、サントラに河井英里コーラスの曲が収録されているのですね。

 参加した作品は、ドラマ『白線流し』『氷の世界』『アナザヘヴン』『時をかける少女(フジテレビ)』、映画『Shall we ダンス?』『愛の流刑地』、アニメ『新・女神転生 -東京黙示録-』『犬夜叉』『ストレンジドーン』『D.Gray-man』『ムシキング』など。ほかにCMは数知れず。私がサントラにかかわった作品では、『映画 ふたりはプリキュア Max Heart』やGONZO製作のアニメ『ロミオ×ジュリエット』にも参加されてました。

 彼女の名は知らなくても、知らずに彼女の声を聴いている…。
 そう、伊集加代さんや川島和子さんのような方であったわけですよ。

 歌手としても、オリジナルアルバムの発売やライブ活動など、積極的に活躍していました。
 今年の7月にもライブを開く予定で準備を進めていました。結局、かないませんでしたが…。オフィシャルサイトのBBSへのファンの書き込みにも一人一人丁寧に返事を書く誠実な人柄が、ファンに愛されていました。

 43歳の死は早すぎる。

 ご冥福をお祈りいたします。

「ワーズワースの冒険」~シャ・リオン
 メインテーマは、独特の造語で作詞・歌唱を始めるきっかけになりました。カップリングは新井昭乃の「カンポス・ネオトゥロス」。

 : 「ワーズワースの冒険」~シャ・リオン

Player
 自身のユニットErieのデビュー・ミニアルバム。2001年のリリース。

 :Player

ARIA The ANIMATION オリジナル・サウンドトラック
 「バルカローレ」(作曲:窪田ミナ)は『ARIA』ファンに人気の高い曲です。

 :ARIA The ANIMATION オリジナル・サウンドトラック

まどろみの輪廻
 アニメ『うたわれるもの』エンディング主題歌。ヴォーカルと、カップリング曲「千の海を越えて」の作曲を担当。

 :まどろみの輪廻

ALMATERIA
 最後のアニメ主題歌。OVA『テイルズ オブ シンフォニア』のオープニングです。作詞とヴォーカルを担当しました。

 :ALMATERIA

 河井英里オフィシャルサイト

1200人のオケが「ナウシカ」を奏でる~久石譲 宮崎アニメコンサート in 武道館

 8月5日、武道館で開催されたコンサート「久石譲 in 武道館 ~宮崎アニメと共に歩んだ25年間~」に足を運びました。

 久石譲が、1200人近いオケを率いて、宮崎アニメの音楽を演奏するコンサート。
 オケが約200人、コーラスが800人、そして、マーチングバンドが160人という規模。
 指揮とピアノは久石さん自身です。

 雨もよいの天気でしたが、最終公演とあって武道館は満員。ステージにぎっしりとオーケストラ、うしろに少年少女合唱団、混声コーラスは左右の客席に配置されていました。

 編成は、客席から私が数えた数なので正確ではないですが、

  • 金管:トランペットx8、トロンボーンx8、ホルンx8、チューバx1
  • 木管:オーボエx5、フルートx5、クラリネットx5、ピッコロx1、ファゴットx4、コントラファゴットx1、サックスx3
  • パーカッションx8 (ティンパニx10、マリンバ、チューブラーベル、グランカッサ、和太鼓、ドラムセット、シンバルなど)
  • ピアノx2(1台は久石譲)、チェレスタx1、ハープx2
  • 弦がおそらく32型(約120人)

こんなところであったと思います。

 久石譲といえば、80年代初期に数々のアニメ主題歌や劇伴でキレのよいアレンジをしていたのが印象的です。『ハロー!サンディベル』や『機動戦士ガンダムII 哀・戦士』『銀河疾風サスライガー』などの仕事がことに印象に残っています。この頃は、「センスのいいしゃれたロックを書く人」というイメージだったのですね。

 そんな久石譲が、『風の谷のナウシカ』との出会いを機に、じっくり聴かせる叙情的な音楽を書く人に変身したのはちょっとした驚きでした。

 以来、宮崎アニメの音楽を一手に引き受けて25年。
 その集大成となるコンサートです。

 ステージ後方に設けられた巨大スクリーンにアニメの映像を映し出しながらの演奏は、圧巻でした。

 前半は『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』『魔女の宅急便』をそれぞれ組曲形式で演奏。コーラスが重厚な『ナウシカ』、和太鼓の入った『もののけ姫』、ヴァイオリン・ソロ(豊嶋泰嗣)がリリカルな『魔女宅』と、飽きない構成です。

 つづく『崖の上のポニョ』ではゲスト・ヴォーカリストが登場。ソプラノの林正子さん、藤岡藤巻ユニット、久石氏の娘・麻衣さん、そして大人気・大橋のぞみちゃんが歌を披露。「ぽーにょ ぽにょ」のかわいい振り付けには会場も喝采でした。

 『ポニョ』のあと、管弦楽メンバはいったん退場。代わりに、中高生からなるマーチングバンドが客席に登場し、『天空の城ラピュタ』を演奏しました。
 会場の子どもたちを飽きさせない、楽しい演出だったと思います。
 ああ、でも、せっかく「シンフォニー編」というアルバムもある『ラピュタ』だけに、ちゃんとしたオケでも聴きたかったなぁ。

 そのあとの『紅の豚』は、久石譲のピアノと7人のホーン(トランペットx2、トロンボーンx2、サックスx2、ホルンx1)とドラムスだけで、「帰らざる日々」を演奏。これがジャジーでなかなかよかった。

 休憩が入る代わりに、スクリーンに宮崎駿監督のメッセージがビデオで登場。久石さんは、ステージ脇で聴いて、しっかりと一礼。

 後半は『ハウルの動く城』『千と千尋の神隠し』。『千尋』でゲストに平原綾香が登場し、「いのちの名前」とこの日のために歌詞をつけたというエンディング曲「ふたたび」の2曲を歌ってくれました。
 実は、前回武道館に来たのが平原綾香コンサートだったのですよ。ここで再会できるとはびっくり。このサプライズには感激しました。

 最後は『となりのトトロ』。大人の混声合唱と少年少女合唱団が「さんぽ」を歌い継ぐ演出。やはり子どもコーラスのほうがしっくりきます。主題歌「となりのトトロ」はゲストが全員ステージに上がって、コーラスと一緒に合唱。盛り上がりました。

 ここで、宮崎駿監督が花束を持ってステージに向かい、久石さんに贈呈するサプライズがあり、満場の拍手。
 アンコールは、『紅の豚』と『もののけ姫』から1曲ずつ。

 夏休みの1日にふさわしい、ぜいたくな夢のコンサートでしたね。

 あえて不満を言えば…、よくも悪くも映画の「名場面集」になってしまったかなぁ。フルコースの料理がぜんぶメインディッシュだったみたいなお腹いっぱい感で、個々の曲の印象が薄まった感じ。1200人のオーケストラをもっと生かした構成とアレンジがあったのではないかな、というのが欲張りな感想でした。


<SET LIST>
『風の谷のナウシカ』(1984)より組曲
 ・オープニング「風の伝説」
 ・レクイエム~メーヴェとコルベットの戦い
 ・遠い日々
 ・風の人

『もののけ姫』(1997)より組曲
 ・アシタカ聶記
 ・タタリ神
 ・もののけ姫 (林正子)

『魔女の宅急便』(1989)より組曲
 ・海の見える街
 ・傷心のキキ
 ・かあさんのホウキ

『崖の上のポニョ』(2008)より
 ・深海牧場~海のお母さん (林正子)
 ・波の魚のポニョ~フジモトのテーマ (藤岡藤巻)
 ・ひまわりの家の輪舞曲 (麻衣)
 ・母の愛~いもうとたちの活躍~母と海の賛歌
 ・崖の上のポニョ (藤岡藤巻と大橋のぞみ)

『天空の城ラピュタ』(1986)より(マーチングバンドと合唱団の演奏)
 ・ハトと少年
 ・君をのせて
 ・大樹

『紅の豚』(1992)より(ピアノとホーン7人の演奏)
 ・帰らざる日々

『ハウルの動く城』(2004)より
 ・Syphonic Varietion "Merry-go-round"~Cave of Mind

『千と千尋の神隠し』(2001)より
 ・あの夏へ vocal version 「いのちの名前」 (平原綾香)
 ・ふたたび (平原綾香)

『となりのトトロ』(1988)より組曲
 ・風のとおり道
 ・さんぽ
 ・となりのトトロ

アンコール:
 ・『紅の豚』より「MADDNES」
 ・『もののけ姫』より「アシタカとサン」

 作曲・指揮・ピアノ:久石譲
 管弦楽:新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ
 合唱:栗友会合唱団、東京少年少女合唱団、一般公募合唱団
 ゲストヴォーカリスト:藤岡藤巻と大橋のぞみ、林正子、麻衣、平原綾香


崖の上のポニョ オリジナル・サウンドトラック
 あの歌が耳を離れない(笑)。

 : 崖の上のポニョ オリジナル・サウンドトラック

天空の城ラピュタ シンフォニー 大樹
 やはり『ラピュタ』はこっちで聴きたい。

 : 天空の城ラピュタ シンフォニー 大樹

晩夏(ひとりの季節)/いのちの名前 (平原綾香)
 平原綾香歌う「いのちの名前」はこちら。アルバム「From To」にも収録。

 : 晩夏(ひとりの季節)/いのちの名前

アニメ・ミュージック・カプセル「はじめ人間ギャートルズ」
 最近話題の久石譲アルバムといえば、これですよ。久石譲が藤沢守名義で担当した初アニメ作品。同じ藤沢名義の『ろぼっ子ビートン』も出してほしい。

 : アニメ・ミュージック・カプセル「はじめ人間ギャートルズ」

2008年8月 5日 (火)

エスパー少女隊出動!「絶対可憐チルドレン」

 日本一硬派な劇伴を書く男・中川幸太郎。『きこちゃんすまいる』とか『ふしぎ星の☆ふたご姫』とか、女の子が主人公のアニメも何本か手がけていますが、やはり、『ガン×ソード』や『百獣戦隊ガオレンジャー』『コードギアス 反逆のルルーシュ』のような作品が似合う。

 なので、『絶対可憐チルドレン』は中川幸太郎っぽくない作品と思ってたのですよ。超能力を持った10歳の少女たちが活躍するSFアクション・コメディ、ときたら、『パワーパフガールズ』みたいなノリで、軽めの音楽のほうが似合いそうではないですか。

 ところが、やっぱり中川幸太郎ですよ。剛速球できました。ブラスが鳴り渡るビッグバンド・サウンドです。「往年のスパイムービーのような音楽」を意識したのだとか。ジョン・バリーやルーリー・ジョンソンなどの音楽を思わせる、パンチの効いた音楽。これはやられた~。

 1曲目の「かいきん!!」から、2曲目「いっけぇー!」、3曲目「まっかせなさーい」まで、一気に聴かせます。ダバダバコーラスをフィーチャーした出動曲「しゅつどう!」ににやり。曲名はこんな調子で、ほとんどひらがなで表記されてますが、それで甘く見ちゃうととんでもない。内容は、分厚いホーンが豪快に鳴り渡る、中川さんらしい男臭いサウンドです。

 中盤、アイキャッチ曲「Aパートここまでよ」と「Bパートはじまるよ」にはさまれたパートは、みゅお~んとしたシンセの曲が並ぶ。「ザ・チルドレン~たんじょう」「同~めばえ」「同~めぐりあい」「同~せいちょう」「同~であい」と、チルドレンの過去をテーマにしたパートになっています。この構成はうまい。

 後半はふたたびブラスサウンドが炸裂。しかし、単に昔ながらのビッグバンド・サウンドを再現したのではなく、バックに現代的な打ち込みのリズムを重ねるなど、「今の音」にする工夫がちゃんとこらせている。中川さんて、もともと芸大で現代音楽を学んだ人なので、なかなか一筋縄ではいかないのです。ただ燃える音楽ではない。そこが「硬派」たる所以なのですね。

 中川さんの実弟・英二郎氏(トロンボーン)と実父の喜弘氏(トランペット)も録音に参加。いつもながらいい音聴かせてくれます。歌は入ってませんが、サントラファンにはおいしい1枚です。

絶対可憐チルドレン オリジナル・サウンドトラック1

 : 絶対可憐チルドレン オリジナル・サウンドトラック1

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