Soundtrack Pub

2020年9月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

« 菅野祐悟がSFアクションに挑む「鉄腕バーディー DECODE」 | トップページ | 幻の名盤復活!「機甲界ガリアン」 »

2008年10月18日 (土)

心地よい驚きに出会える企画「歌鬼~阿久悠トリビュート」

 作詞家の阿久悠氏が亡くなって1年。追悼アルバムもたくさん発売されましたが、この「歌鬼(Ga-Ki)~阿久悠トリビュート」は心地よい驚きに出会えるなかなかの好企画です。

 阿久悠作詞の名曲をアーチストがカヴァーした、トリビュート・アルバム。
 こうした企画の場合、オリジナルを再現するのか? はたまた、オリジナルを超えようとするのか? アプローチが重要になってくる。しかし、相手は日本歌謡曲史に名を残す名曲ばかり。生半可なアプローチではよれよれの出来になってオリジナルに負けてしまうことは必至。

 このアルバムがいいのは、アーチストの力量だけに頼らず、アレンジや、曲とアーチストの組み合わせの妙で勝負したところ。

 曲目は次のとおり。


  1. ジョニイへの伝言(鈴木雅之)
  2. 白い蝶のサンバ(一青窈)
  3. 思秋期(森山直太朗)
  4. たそがれマイ・ラブ(中西圭三)
  5. 熱き心に(元ちとせ)
  6. ペッパー警部(Mizrock)
  7. 恋のダイヤル6700(音速ライン)
  8. 時の過ぎゆくままに(工藤静香 feat. 押尾コータロー)
  9. 朝まで待てない(甲斐よしひろ)
  10. ざんげの値打ちもない(山崎ハコ)
  11. ひまわり娘(杏里)

 この人がこの曲を!? という意外性のある組み合わせが多いでしょ。

 聴いてみたら、これがなかなか、いい。

 とりわけ感動したのは、まず一青窈が歌う「白い蝶のサンバ」。あの独特の節回しの一青窈が、早口言葉にも似た「白い蝶のサンバ」を歌う。どう考えてもアンマッチと思うでしょ? ところが、なんとも味がある、いい歌になっています。武部聡志の現代的なアレンジもいい。

 そして、元ちとせの「熱き心に」。こちらはあえて小林旭の原曲の雰囲気を残したアレンジで、あの男っぽい歌を元ちとせが歌うというミスマッチに挑戦しています(アレンジは羽毛田丈史)。これがまた、女性が歌うことで微妙に歌詞の持つニュアンスも変わったりして、新しい歌に生まれ変わっている。

 森山直太朗の「思秋期」は、岩崎宏美の曲を男性が歌うという点が聴きどころではありますが、あまり意外性はない。これはありだろうなぁと思うとおりの仕上がりです(悪いという意味ではないよ)。

 Mizrockの「ペッパー警部」、音速ラインの「恋のダイヤル6700」なんかも同様で、カッコいいけど新鮮な驚きという点では物足りないかな。

 山崎ハコの歌う「ざんげの値打ちもない」。これは意外性はないですよね。「きっとぴったりだろう」と私も思う。でも、聴いて感動です。ハマりすぎて、まるではじめから山崎ハコが歌っていたかのように違和感がない。予想を超えた驚きでした。

 でも、私が一番感動したのは、ラストの杏里が歌う「ひまわり娘」ですよ。原曲は伊藤咲子の名曲。彼女は70年代にアイドル歌手として活躍したものの、芸能界を引退し、この歌もあまり歌われる機会がなくなってしまったのです(最近復帰されました)。70年アイドル歌謡らしいリリカルな恋の歌。私も大好きでした。この歌を「CAT'S EYE」などのポップなチューンが似合う杏里が歌う、というところが意外性抜群。仕上がりは……?
 いやぁ、いいですよ。すごく新鮮だけど懐かしい。杏里にこういう歌が合うなんて、意外です。CDショップの試聴機で聴いて、思わずプレイバックしてしまいました。

 そういう心地よい驚きに出会えるのが、このアルバムの魅力です。

 付録に「阿久悠作品歴代Top50」やオリコン縮小版、生前のINTERVIEWなどの貴重なデータが掲載されたブックレット「阿久悠 オリコン・データブック」が付いてるのも見逃せません。オリコン縮小版には阿久作品以外の当時のヒット曲のデータも掲載されているので、これを眺めながらつらつらと日本歌謡史を振り返ってみるのも楽しいです。

歌鬼(Ga-Ki) ~阿久悠トリビュート~
 ジャケットは上村一夫のイラスト。昭和っぽさムンムンです。

 : 歌鬼(Ga-Ki) ~阿久悠トリビュート~

▼こんなのも出ました。

続・人間万葉歌 ~阿久悠 作詞集
 ヒットした「人間万葉歌」の続編。2008年9月27日発売。レア音源も収録!

 : 続・人間万葉歌

阿久ちゃんねる ~阿久悠作詞のTVテーマ・CMソング集
 2008年3月発売。テレビっ子世代向けの阿久悠作品集。「デビルマン」「宇宙戦艦ヤマト」「ママとあそぼう ピンポンパン」「時間ですよ」などをフォロー。感涙です。

 : 阿久ちゃんねる

« 菅野祐悟がSFアクションに挑む「鉄腕バーディー DECODE」 | トップページ | 幻の名盤復活!「機甲界ガリアン」 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 心地よい驚きに出会える企画「歌鬼~阿久悠トリビュート」:

« 菅野祐悟がSFアクションに挑む「鉄腕バーディー DECODE」 | トップページ | 幻の名盤復活!「機甲界ガリアン」 »