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2009年2月16日 (月)

冒険活劇音楽!「K-20 怪人二十面相・伝」

 昨年12月に公開され、現在もロングラン上映中の映画『K-20 怪人二十面相・伝」。特撮冒険活劇の快作です。

 もともと北村想の原作『怪人二十面相・伝』とその続編『青銅の魔人』を読んでいてファンだったので、『エコエコアザラク』の佐藤嗣麻子監督がどんな映画にしてくれるだろうと、楽しみにしていたのですね。そしたら、冒頭からびっくり! 「ス、スチームパンク・・・?」と絶句(心の中で)です。が、観ているうちに、心地よいトリップ感に包まれていきました。「これは怪人二十面相のために作られた“なんでもありの世界”なんだなぁ」と腑に落ちれば、あとはこのすばらしい虚構を楽しむだけです。

 日本でもこんな大冒険活劇が作れるのだと、うれしくなってしまう映画です。宮崎アニメっぽいところがありますが、それを実写で、生身の人間でやってしまえるのがスゴイ。

 音楽は佐藤直紀さん。スケールの大きいオーケストラ曲を提供しています。
 メインテーマは監督から2回リテイクされて、計3曲書いたそうです。採用されたのは2番目に書いた曲。「怪人二十面相」という題材から、もっとアンチヒーロー的な、ダニー・エルフマンの『バットマン』のテーマみたいな曲で来るかと思ったら、メジャーコードのマーチ。最初、ワーグナー風かとも思いましたが、聴き直してみるとそうでもない。もっと明るい、エルマー・バーンスタインに通じるような突き抜けた爽快感のある曲です。このテーマは、平吉の決意をあらわす「DETERMINATION」、二十面相が活躍する場面の「I AM K-20」に変奏されています。

 二転三転するサスペンスと活劇の連続の映画だけに、サントラも全曲聴きどころと言ってよい出来。ダイナミックな「TRAP AND MISUNDERSTANDING」をはじめ、重厚なミリタリー曲「MILTARY MARCH」、特撮好きにはたまらないSF的大じかけ登場場面の「TESLA TOWER」、ずばり“闘い”と題された「BATTLE」など、サスペンス曲、アクション曲にことかきません。なかでも、緊迫とともに盛り上がる情感を表現した「NEGOTIATION」は印象に残ります。

 ほっと一息つかせてくれるのが、佐藤直紀らしい繊細な旋律を持つ曲の数々。松たか子演じる葉子のテーマ「YOUKO」はジョン・ウィリアムズの「レイア姫のテーマ」を彷彿させる愛のテーマ。星空が目に浮かぶような「NIGHT WITH GLITTERING STARS」はロマンティックな場面で使用。そして、ホルンとピアノ、ストリングスのアンサンブルが未来への希望を歌う「ONE'S WAY」は、「これぞ佐藤直紀節」と呼びたくなる、心にぐっとくる音楽です。

 佐藤嗣麻子監督はメインテーマを決めたあとはほとんど音楽にはノータッチだったそうです。だから、この映画音楽には、佐藤直紀さんなりの音楽演出の考え方が反映されている。それは、映画の情感をリードするストレートな映像音楽。佐藤嗣麻子監督は佐藤直紀さんのことを「演出家」と評していますが、うなずける言葉です。

 ラストにはメインテーマがふたたび登場。「NEW WORLD」と題されています。ここにきて、このテーマは「新世界」をイメージしていたんだ、とわかる。その意味するところは、「この世界から見た希望の未来」であり、「われわれの世界から見たもうひとつの歴史の世界」でもあるのでしょう。二重の意味で、虚構の持つ力を象徴した曲だと思いました。

 ブックレットには佐藤嗣麻子監督の佐藤直紀さんへのメッセージと、佐藤直紀さんのコメントを収録。うれしい内容です。

 同じスタッフ・キャストで続編にも期待ですよ!

K-20 怪人二十面相・伝 オリジナル・サウンドトラック
 燃えるデザインのスリーブケース入り! インナージャケットは別デザインです。

 : K-20 怪人二十面相・伝 オリジナル・サウンドトラック

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