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2009年7月

2009年7月20日 (月)

ボブ佐久間の「シネマ名曲倶楽部」

 7月19日、サントリーホールで開催された、ボブ佐久間編曲・指揮によるコンサート「シネマ名曲倶楽部」に足を運びました。

 東京都交響楽団演奏会のスペシャル・プログラムです。名古屋フィルのミュージック・ディレクターとして活躍するボブ佐久間さんがゲスト・コンダクターとして登壇。映画音楽の名曲をたっぷり聴かせてくれる、豊かなひとときとなりました。

 ボブ佐久間といえば、『科学忍者隊ガッチャマン』『宇宙の騎士テッカマン』『ゴワッパー5ゴーダム』などのタツノコSFアクションアニメや『スーパーロボット・レッドバロン』『スーパーロボット・マッハバロン』の音楽で記憶に残る作曲家。70年代前半に小林亜星と組んだ数々のアレンジ作品でのクールなサウンドは忘れられません。その代表作が、「ガッチャマンの歌」。シカゴのサウンドを意識したというブラスロック風アレンジは、今聴いてもカッコいい。

 しかし、'77年に渡米し、一時は海外を拠点に音楽活動を続けていました。「三沢郷のように、ボブ佐久間も日本に戻って来ないのでは…」とサントラファンは心配していましたが、'85年に帰国。帰国後は、NHK紀行番組『いい旅、日本』、TBSテレビドラマ『先生のお気に入り』といったTV番組の音楽を手がけていますが、そこに『ガッチャマン』のころのブラスロック・サウンドはありませんでした。
 その代わりにボブ佐久間が手に入れたのが、ハリウッドで学んだ本格的なオーケストレーションと指揮の技術でした。アレンジャーとして、指揮者として、NHK交響楽団や東京交響楽団、京都市交響楽団などの国内主要オーケストラをはじめ、海外のオーケストラからもゲスト・コンダクターとして招かれるようになります。2006年11月には、英国のロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団とのコンサートも成功させ、いまや国際的な指揮者として活躍しています。

 そんなボブさんが映像音楽のコンサートを開催するというのですから、期待せずにいられません。

 曲目は、「007メドレー」、「慕情」「ロミオとジュリエット」「ひまわり」「ミッション」など、歴史的な名画、名曲ぞろい。その中に「男はつらいよ」など渋い曲目が挿入されているのが面白い。
 2部の30分におよぶディズニー名曲メドレーでは、ときにロマンティック、ときにジャジー、ときににぎやかにと、多彩なアレンジで12作品から15曲を続けて演奏。第1部よりも遊び心がはじけた楽しい演奏に大拍手でした。

 『ガッチャマン』のころからのファンとしてボブさんらしさが聴けたなぁと思ったのは、「007メドレー」。パンチの効いたサウンドはまさに初期ボブ佐久間サウンドをほうふつさせるものです。「ジェームズ・ボンドのテーマ」では、原曲でエレキギターが奏でているフレーズをコントラバスのボウイングで演奏させるアレンジが効いていました。

 オーケストラの楽器それぞれに見せ場を持たせるアレンジと、終始、オーケストラメンバーとコミュニケーションをとりながら音楽を作っていく指揮ぶりが印象的でした。オーケストラとよい関係を築くボブさんの人柄も、ボブ佐久間サウンドの秘密なのかもしれません。


<set list>
第1部

◆007メドレー

  • ジェームズ・ボンドのテーマ
  • ロシアより愛をこめて
  • ゴールド・フィンガー

◆Love at the Movies vol.1

  • 慕情
  • 時の過ぎゆくまま (『カサブランカ』より)
  • ロミオとジュリエット
  • ある愛の詩
  • ひまわり
  • 男はつらいよ
  • 愛はきらめきの中に (『サタデー・ナイト・フィーバー』より)
  • 追憶
  • ガブリエルのオーボエ (『ミッション』より)
  • 愛を感じて (『ライオン・キング』より)
  • オールウェイズ・オブ・ユー (『ボディー・ガード』より)
  • 愛と哀しみの果て

第2部

◆Chansons d'amour by ヴァイオリン・ソロ&オーケストラ

  • 巴里の空の下セーヌは流れる
  • 枯葉
  • 薔薇色の人生
  • サン・トワ・マミー

◆Dream at Disney

  • 序曲
  • いつか王子さまが~ハイ・ホー (『白雪姫』より)
  • ミッキー・マウス・マーチ
  • ララルー (『わんわん物語り』より)
  • 美女と野獣
  • かがやく昼下がり (『不思議の国のアリス』より)
  • パート・オブ・ユア・ワールド/アンダー・ザ・シー (『リトル・マーメイド』より)
  • ホール・ニュー・ワールド (『アラジン』より)
  • 愛のうたごえ (『バンビ』より)
  • サムデイ (『ノートルダムの鐘』より)
  • いつか夢で (『眠れる森の美女』より)
  • チム・チム・チェリー~スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス (『メリー・ポピンズ』より)
  • 星に願いを (『ピノキオ』より)

◆アンコール

  • シング・シング・シング

 編曲・指揮:ボブ佐久間

 東京都交響楽団


<ボブ佐久間作品集>
 今回の演奏曲目とは関係ないですが、ほんとはこういう作品のコンサートが聴きたいんですよね。

テレビオリジナルBGMコレクション 科学忍者隊ガッチャマン

 : テレビオリジナルBGMコレクション 科学忍者隊ガッチャマン

テレビオリジナルBGMコレクション 宇宙の騎士テッカマン

 : テレビオリジナルBGMコレクション 宇宙の騎士テッカマン

ゴワッパー5ゴーダム オリジナル・サウンドトラック

 : ゴワッパー5ゴーダム オリジナル・サウンドトラック

2009年7月19日 (日)

電子音響の夢 大野松雄ライブ!

 7月14日、第25回<東京の夏>音楽祭2009のプログラムとして開催された大野松雄ライブに足を運びました。

 先ごろ復刻されたアルバム「鉄腕アトム・音の世界」でも注目されている大野松雄さんは、日本の「音響デザイナー」の草分けです。シンセサイザーのない(自由に使えない)時代から、独自の工夫で電子音響を創造し、映像作品の音響や博覧会パビリオンの空間音響デザインなどを手がけてきました。

 今回は、その大野松雄さんの初のライブ。
 2部構成で、第1部が大野さんが音響を手がけた短編映画の上映、第2部がライブ・パフォーマンスという内容でした。

 第1部では、ミュージックコンクレートを思わせる自在な音響設計が印象的でした。たとえば、『血液 止血のしくみ』では、科学ドキュメンタリーの映像にショック音やSF的な電子音響が重なり、まるで『ウルトラセブン』の一場面を観ているかのよう。映像に従属した音響ではなく、映像にリズムを与えたり、映像に映っているものだけでない別の意味を示唆したりする、非常に刺激的な音づくりをしています。映像と音が対等に拮抗していることに感銘を受けました。

 第2部は、「a point」と「Yuragi#8」の2曲のパフォーマンス。
 ステージには、オープンリールのデッキが3台と、ミキサー、マッキントッシュが1台。後方には、幅10メートルほどの横長のスクリーンが特別に設置されています。
 「a point」は、このスクリーンに映像を映しながら、スピーカーから音響が流れてくる。ステージ上には人はおらず、音と絵だけのパフォーマンスです。特にメロディのない電子音だけで構築された音が25分ほど続く。が、まったく退屈ではなく、ときに現代音楽風、時に前衛的なロック風に変幻する音に包まれているのが快感です。ほんとうは、もっと大きいスクリーン、会場全体の壁をぐるりとめぐるくらいのスクリーンに映像を映しながら、音と光に包まれる感じを出したかったのだろうなぁと思いました。

 2曲目「Yuragi#8」で、いよいよ大野松雄さん登場。オープンリールのテープを手で動かして、電子音響を目の前で作っていく。
 といっても、背景になる音響はずっと流れていて、そこに大野さんがライブで音響を足していくという趣向です。有名なアトムの足音を生で演奏(?)してくれたのに感激。アトムの飛行音なども挟んで、30分ほどのライブでした。

 最後に、おまけとして、1970年の大阪万博のときに、会場で販売するソノシートのために製作したという「八木節」を再生。さまざまな動物の声をサンプリングして音を重ね合わせた労作です。

 終わって感じたのは、これが「日本の電子音響のルーツ」なんだなということ。
 結局、のちに冨田勲さんがやったことを先取りしてるわけですよ。二人とも「音」にこだわっていった末に、「自分で音を作り出す」というところにたどりついた。その二人がそろって手塚アニメにかかわっているのも興味深いことです。
 そして、アニメの音響という意味でも、『宇宙戦艦ヤマト』などの効果音のルーツが大野さんのサウンドにある。今回のライブの曲を聴いた一番の印象は、「『ヤマト』の「宇宙の音」を使って音楽を作ったみたい!?」というものでした。それも当然で、『ヤマト』の音響効果を担当した柏原満さんは大野さんを師と仰いでいる人。『ヤマト』の効果音は、大野さんの音に影響を受けているのですよ。

 それにしても、今年で79歳になるという大野さん。クラブのDJを思わせるような手さばきでライブ・パフォーマンスをこなしてしまう姿にはただただ敬服しました。カッコいい!


<アトムの音をつくった伝説の音響クリエイター>
 大野松雄~宇宙の音を創造した男

<set list>
PART1:大野松雄の音響による短編映画傑作選

  1. 科学映画『血液 止血のしくみ』(1962)
     製作:村山英治
     構成演出:杉山正美・二口真一 デザイン:粟津 潔
     ナレーション:川久保 潔
     企画:中外製薬株式会社 制作:桜映画社
  2. アニメーション『潜水艦カシオペア』(1964)
     製作:真鍋 博 原作:都築道夫
     ナレーション:山内雅人
  3. アニメーション『追跡』(1966)
     製作:真鍋 博 原案:星新一
  4. ドキュメンタリー『土くれ―木内克の芸術―』(1972)
     脚本・監督:松川八洲雄
     プロデューサー・撮影:楠田浩之・喜屋武隆一郎
     音楽:木下忠司 制作:隆映社

PART2:ライヴ

  1. a point
  2. Yuragi#8

アンコール

  1. 動物の声による八木節(大阪万博発売のソノシートより)

 大野松雄

 映像:由良泰人
 音響デザイン:金森祥之
 オペレーター:遠藤正章


鉄腕アトム・音の世界

 : 鉄腕アトム・音の世界

大野松雄の音響世界(1)

大野松雄の音響世界(2)

大野松雄の音響世界(3)
 2005年にキングレコードから発売された大野松雄作品集。(3)以外は品切れ中で、復刻が待たれる。

 : 大野松雄の音響世界(1)
 : 大野松雄の音響世界(2)
 : 大野松雄の音響世界(3)

サウンド・ファンタジア・シリーズ 宇宙戦艦ヤマト
 『宇宙戦艦ヤマト』のSEを収録した貴重な企画盤CD。1996年発売。こちらも品切れになって久しく、復刻が待たれる。

 : サウンド・ファンタジア・シリーズ 宇宙戦艦ヤマト

2009年7月 8日 (水)

7月5日 五條真由美 Live @ Blues Alley / 10th anniversarry!

 7月5日。目黒Blues Alley Japanで開催された五條真由美さんのライブ<BAJ5>に足を運びました。

 今年はデビュー10周年。ライブでおなじみのナンバーに加えて、ステージではなかなか聴けない曲が登場しました。
 なかでも、映画『最終兵器彼女』の中で使われた「きみのうた」(MAYUMI名義)と、渡辺宙明先生作曲・編曲の「キュア・アクション」(『ふたりはプリキュア』挿入歌)が生で聴けたのは感激でした。

 2部ではゲストにゆかなが登場。アルバム『Blooming Voices』から2曲を歌い、「DANZEN! ふたりはプリキュア ver.MaxHeart」では五條さんとデュエット。
 しめくくりはギターをバックに、自身が作詞した「sound ~いつまでも これからも~」。ほかのライブでも語っていましたが、この歌は、プリキュア・シリーズとの5年間歌への想いとともに、歌と歩んだ10年間をふりかえる気持ちを込めた1曲だそうです。

 会場には、プリキュア声優さんたちのほか、作曲家・小杉保夫さん、作詞家・青木久美子さん、柚木美祐さん、大森祥子さん、六ツ見純代さんら、プリキュアソング・クリエイターらもお祝いにかけつけていました。

 10周年おめでとう!!

<set list>
1st set

  1. 赤い花
  2. まだ恋してる
  3. Birth
  4. きみのうた (映画『最終兵器彼女』より)
  5. Game of Love (洋楽カヴァー)
  6. 願い月
  7. メドレー
     Crystal(映画『ふたりはプリキュアMax Heart2 雪空のともだち』より)
    ~Love&Peace(『スクールランブル二学期』より)
    ~ミラクル☆パワー(『も~っと!おジャ魔女どれみ』より)
    ~ガンバリマス~ッ!!(『も~っと!おジャ魔女どれみ』より)
    ~おジャ魔女 is No.1!(『おジャ魔女どれみ ドッカ~ン!』より)

2nd set

  1. In My Way
  2. 午前4時
  3. dearie (ゆかな)
  4. 命咲く (ゆかな)
  5. ジョアン
  6. メドレー
     もう一度エナジー(『うさぎちゃんでCue!!』より)
    ~坂道(『ヒカルの碁 特別編・裁きの一局!いにしえの華よ咲け!!』より)
    ~好きなのに…♡ビミョー!!(『ふたりはプリキュア』より)
    ~From Deep Forest(『エルフィーナ~淫夜へと売られた王国で…』より)
    ~キュア・アクション(『ふたりはプリキュア』より)
  7. ワケあり

アンコール

  1. DANZEN! ふたりはプリキュア ver.MaxHeart (with ゆかな)
  2. sound ~いつまでも これからも~ (『Yes!プリキュア5 GoGo!』より)

五條真由美 ボーカルベスト from ふたりはプリキュアシリーズ!!
 おなじみの主題歌はじめ、エンディング曲、「キュア・アクション」など挿入歌も収録したベスト盤。

 : 五條真由美 ボーカルベスト from ふたりはプリキュアシリーズ!!

最終兵器彼女 オリジナル・サウンド・トラック
 2006年公開、前田亜季主演の劇場映画の音楽集。音楽は池 頼広。「きみのうた」は劇中主人公が聴く現実曲として登場する。

 : 最終兵器彼女 オリジナル・サウンド・トラック

Blooming Voices ゆかな
 自身の作詞・作曲作品を含む待望のフルアルバム。

 : Blooming Voices

Iridescent+ 五條真由美
 オリジナル曲のほとんどはここに収録。2007年発売の五條真由美ソロ・アルバム。

 : Iridescent+

2009年7月 7日 (火)

<空想音楽大作戦2009>終了しました

 第48回日本SF大会 T-con 2009に毎年おなじみの自主企画<空想音楽大作戦>で参加しました。

 7月4日(土)14:00~15:30
 会場:カラオケ横丁1(ホテル・ニュー塩原内)

 出演:早川優、腹巻猫

 会場は、本館から離れ、渡り廊下で川を渡っていった別館にあるカラオケコーナー。
 昼下がりの企画&へんぴな会場にもかかわらず、来ていただいたみなさま、ありがとうございました。

 「手塚治虫の音楽世界」と題して、手塚治虫原作のアニメ・実写作品の音楽をゆるゆると語る2時間でした。
 内容は大きく分けて、

 ・鉄腕アトム
 ・冨田勲
 ・ブラックジャック

という流れ。あちこちわき道にそれたりしながら、珍しい音源なども紹介しました。

 以下は当日紹介したCD/DVDの一部です。当ブログで紹介済のものもありますが、記録ということでご容赦。

※『ミクロイドS』『ジェッターマルス』はすぐ前のエントリで紹介したので割愛します。

手塚治虫アニメ主題歌集 ~オープニング・エンディングコレクション~
 虫プロ作品のオープニング・エンディングを全ヴァージョン違いも含め収録したDVD。『どろろ』の幻の初期オープニングが再現されている。

 : 手塚治虫アニメ主題歌集

鉄腕アトム・音の世界
 待望の再発!

 : 鉄腕アトム・音の世界

鉄腕アトム オリジナル・サウンドトラック
 三枝茂彰による1980年版アトムのサントラ。

 : 鉄腕アトム オリジナル・サウンドトラック

ミュージック・フォー・アトム・エイジ
 全曲樋口康雄作曲による鉄腕アトム・トリビュート・アルバム。樋口康雄が書いていた幻の『鉄腕アトム』主題歌が聴ける。

 : ミュージック・フォー・アトム・エイジ

新日本紀行/冨田勲の音楽
 冨田勲の作品を大友直人指揮、東京交響楽団の演奏で録音したアルバム。手塚作品からは、『ジャングル大帝』『リボンの騎士』が選曲されている。

 : 新日本紀行/冨田勲の音楽

ブラックジャック 二人の黒い医者 オリジナル・サウンドトラック
 冨田勲が作曲した劇場アニメ『ブラックジャック』のサントラ。口笛のテーマがカッコいい!

 : ブラックジャック 二人の黒い医者 オリジナル・サウンドトラック

◎瞳の中の訪問者
 大林宣彦監督の宍戸錠版「ブラックジャック」。公開当時発売されたセリフ入りのサントラ・アルバムです。

 Blackjack_oobayashi

 音楽はバップから発売されたサウンドトラック盤「ふりむけば愛/瞳の中の訪問者」に収録されています。

 

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