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2009年8月19日 (水)

ピクサー 強さの秘密 「メイキング・オブ・ピクサー」

 ピクサーの創立から快進撃にいたるまでを綴った本『メイキング・オブ・ピクサー』(早川書房)を読みました。

 ピクサー・アニメーション・スタジオの創立から、CGアニメづくりの苦闘、映画『トイ・ストーリー』のヒット、その後の快進撃まで、豊富な証言とエピソードでつづったドキュメントです。

 ピクサーの歴史は、CGアニメを作るための専用のハードとソフトを作るところからスタートしました。アップルやHPのように、ガレージのコンピュータ作りから始まったというところが、最初から「CGアニメ」を志向したピクサーならでは、です。当時はCGの黎明期で、コンピュータ・グラフィックスだけで1本の映画を作るなど夢のまた夢と思われていました。ピクサーは、「CGアニメ映画」実現のために、技術的な課題を一つずつクリアするところから始めたわけです。CGアニメ創世記のフィルム作りは技術開発と一体だったんですね。その技術が映画『スターウォーズ』や『スタートレック』などのCG映像に生かされたというのは、特撮ファンにも注目の裏話です。

 また、スティーブ・ジョブスがなぜピクサーを買ったのか不思議だったんですが、「映像処理に特化したコンピューター(ハード)とソフトのメーカーだと思っていた」というのが笑えます(でも、結果的にジョブスがピクサーを守ることになった)。

 ピクサーのすごいところは、技術だけで満足しなかったところ。あくまで目標は「アニメ映画づくり」にありました。物語づくり、キャラクター描写の弱さを補うためにさまざまな才能が集まってくる。その1人が、ラセターでした。このあたり、60年代の円谷プロみたいで読んでいてワクワクするところです。ディズニーに認められなかったラセターが、技術的にも工業的にもディズニーを超える作品を作り上げるドラマティックな展開は感動的です。

 ピクサーのロゴにもなっているスタンドランプのキャラクター(名前はルクソー・ジュニア)誕生秘話も楽しい。

 読み終えて、技術開発とエンターテイメントの追求、2つの志向が融合しているのがピクサーの強さなのだなぁと思いました。「コンピュータが作る」と思われているCGも、実はアニメーター次第で命が吹き込まれる(“アニメーション”の語源そのままに)。まだまだCGアニメの可能性はあるようです。

 ピクサーというユニークなスタジオが生まれた背景、ピクサーが映画界にもたらしたもの、そして、ピクサー作品の面白さの秘密など、興味が尽きない内容の1冊。ピクサーファンならずとも、映画ファン、アニメファンならぜひ読んでおいてほしい本です。ピクサーの技術と歴史が詰まったDVD『ピクサー・ショート・フィルム』も、ぜひあわせてご覧ください。

メイキング・オブ・ピクサー~創造力をつくった人々
 

 : メイキング・オブ・ピクサー

ピクサー・ショート・フィルム&ピクサー・ストーリー 完全保存版 [DVD]
 劇場で長編作品の前に必ず上映されているピクサーの短編アニメを集めたDVD。ピクサーの草創期から現在に至るまでの歩みを関係者の証言で綴るドキュメンタリー「ピクサー・ストーリー~スタジオの軌跡」を同梱。

 : ピクサー・ショート・フィルム&ピクサー・ストーリー

ディズニー・ピクサー・グレイテスト
 『トイ・ストーリー』から『ウォーリー』まで、ピクサー作品の主題歌・サウンドトラックを集めた音楽集。1作ずつサントラ盤をそろえるのは大変だが、この1枚で名曲がまとめて聴ける。ピクサーファン必携のアルバムだ。なお、日本盤は米オリジナル盤から2曲が削られ、代わりに『トイ・ストーリー』と『モンスターズ・インク』の日本版主題歌が収録されている。

 : ディズニー・ピクサー・グレイテスト

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