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2009年12月29日 (火)

上原ひろみと新日本フィル

 12月24日、すみだトリフォニーホールで開催された「上原ひろみ with 新日本フィルハーモニー交響楽団 ―クリスマス特別公演―」に足を運びました。

 その10日前の12月14日、私はサントリーホールで、上原ひろみのソロ・ピアノ・コンサートを聴いていました。そちらは、ニューアルバム『プレイス・トゥ・ビー』のツアー。世界各地で書いた曲を演奏することで、聴衆を世界旅行に連れて行ってくれるというコンセプトで、いかにも上原ひろみらしい、スリリングな興奮に満ちたコンサートでした。

 24日のほうは、上原ひろみが少女時代からの念願であった、「自分の書いたオーケストラ曲とともにピアノを弾く」というコンサート。
 ピアノでは、尋常でないプレイを見せてくれる上原ひろみがどんなオーケストラを聴かせてくれるか。いやがおうにも期待は高まるわけです。アンドレ・プレヴィンのような、はたまた、レナード・バーンスタインのような、いやいや、もっとものすごい何かが聴けるような予感がするではないですか。

 上原ひろみのオーケストラ、それは、意外にもコンサバティブな、ときには叙情的なサウンドでした。なにか、がつーんという衝撃を期待していた私は、「むむ?」とちょっと意表をつかれてしまったのです。
 しかし、そういう予感もあったわけです。それは、10日前の『プレイス・トゥ・ビー』コンサートで聴いた、とてもリリカルなピアノでした。「上原ひろみはこういう曲も弾く(書く)のだ」と思ったのです。もちろん、いつもの強烈なアドリブ、パワフルな速弾きも見せてくれたし、熱心な上原ひろみファンにはそちらのほうが圧倒的に受けていたのですが。

 上原ひろみの面白さは、なんといっても、「どこへ連れて行かれるのかわからない」即興性です。上原ひろみの指先から、刻々と音楽が生まれてくる瞬間を、聴衆は固唾を呑んで見守り、一緒に体験している。だから、「ピアノによる世界ツアー」という『プレイス・トゥ・ビー』のコンセプトは、この上もなく上原ひろみらしいものだったわけです。

 東京フィルとの共演では、ちょっと違う上原ひろみが聴けました。
 上原ひろみがピアノで歌う。オーケストラが答える。オーケストラが歌う。上原ひろみがピアノで答える。そんな感じの演奏でした。聴いていくうちに、「あ、これが上原ひろみがやりたかったことなのだな」と気づいたのです。

 正直言うと、上原ひろみ with オーケストラには、まだ彼女のソロ・ピアノほどのパワー、面白さはない。けれども、これが初の試みということを思うと、じゅうぶん楽しめたコンサートでした。オケや曲がダメというのではなくて、上原ひろみのソロ・ピアノが面白すぎるのですよ。

 アンコールでは、ファンの拍手に応えて上原ひろみが何度もピアノに向かい、ファンが喝采するという、ロック・コンサートのような光景が――上原ひろみのライブではいつも見られる光景が――見られました。それも、上原ひろみのコンサートらしい風景でしたが、今回は、オーケストラの余韻が残るうちに終わったほうがよかったのではなかったかな、と思いましたね。せっかくの、オーケストラ・コンサートなのだから。

 とはいえ、オーケストラという新しい「楽器」を手にした上原ひろみが、これからどんな音楽を生み出していくのか。まだまだ、お楽しみはこれから、と期待がふくらみます。

プレイス・トゥ・ビー [CD+DVD]
 世界各地で書いた曲を集めた最新アルバム。ドライブ感に富んだ傑作。

 : プレイス・トゥ・ビー

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