Soundtrack Pub

2020年7月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

« 2010年3月 | トップページ | 2010年5月 »

2010年4月

2010年4月28日 (水)

放映30周年「ウルトラマン80」CS放映!DVDも!(追記)

 1980年に放映されたウルトラシリーズ『ウルトラマン80』が、5月からCSのファミリー劇場で放映されます。それに合わせて、主演の長谷川初範が出演する特番も放送。そして、6月には初のDVD発売が予定されています。

 『ウルトラマン80』のコンセプトは「ウルトラマン先生」。ウルトラマン80こと矢的猛が中学校教師と防衛隊(UGM)をかけもちしているという設定で、学園ドラマみたいに学校を舞台にしたドラマが展開するのが特徴でした。
 それがSFっぽくないという声もありましたが、私は当時、『ウルトラマン80』の凝りに凝った特撮と学園ドラマっぽさに魅せられていました。「こんなウルトラマンがあるのか」と。特撮映像は当時最高水準のすばらしさで、毎回目が離せませんでした。人間の負の情念=マイナス・エネルギーが怪獣を生み出すという解釈にも感心しました。これは、現代にも通用する設定だと思います。
 諸事情で「学校編」は明確な区切りをつけることなく1クールで終了し、2クール目から従来の路線に戻った「UGM編」がスタートするのですが、この路線変更は、『ウルトラマン80』ファンの長らくのひっかかりになっていたのです。それが、『ウルトラマンメビウス』(2006)のウルトラマン80登場回(第41話「思い出の先生」)でみごとに完結したのは感動でした。

 30周年を記念したCS放映とDVD発売で、『80』の独特の味わいのあるドラマと特撮と音楽の魅力を多くの人に知ってもらえたらと思います。

 『ウルトラマン80』は音楽もすばらしいのです。TALIZMANの主題歌と冬木透のBGM。どちらも、これまでにないウルトラサウンドを作ろうという気概を感じました。実は、まだ商品化されていないBGMもあるんですよ。完全版サウンドトラックほしいですね。


(2010.04.30追記)
 あらためてきっちり調べてみたら、1996年発売の2枚組『ウルトラマン80 ミュージック・コレクション』(品切)で『ウルトラマン80』の正規BGMはすべて商品化されていました。混乱させてすみません…。この機会にぜひ再発を! いや、1曲1トラック仕様で新盤リリース望みます!!

(2010.06.11追記)
 その後、「実はBGMリストにも載っていない未収録曲がある」という情報をコメントでいただきました。たびたび訂正してすみません。まだまだ『80』音楽コンプリートに向けてがんばる余地はありますね。


ウルトラマン80 DVD-BOX I
 放映30年を経てついにDVD化! 6月25日発売。BOXIIは9月24日発売予定。

 : ウルトラマン80 DVD-BOX I

ウルトラサウンド殿堂シリーズ ウルトラマン80
 代表曲をコンパクトにまとめたサウンドトラック盤。劇中には冬木透による『ザ・ウルトラマン』の曲も流用されている。

 : ウルトラサウンド殿堂シリーズ ウルトラマン80

ウルトラマン80 テーマ音楽集
 放映当時リリースされた音楽集の廉価復刻版。最終回に使われた挿入歌「心を燃やすあいつ」収録。

 : ウルトラマン80 テーマ音楽集

2010年4月27日 (火)

帰ってきた「侍戦隊シンケンジャー 秘伝音盤」

 明日28日発売のCD「帰ってきた 侍戦隊シンケンジャー 秘伝音盤 特別幕」。6月に発売されるVシネマ『帰ってきた 侍戦隊シンケンジャー』のオリジナル・サウンドトラック盤です。

 目玉は高木 洋さんの新録音BGM。TVシリーズでおなじみの曲とともにシンケンジャーの新たな活躍をどう盛り上げてくれるか期待が高まります。
 サントラ盤には本編で使われるTVシリーズの音楽も収録されています。既発盤に収録済の楽曲ですが、旧盤は数曲を1トラックにまとめていたのに対し、今回は1曲1トラックの収録。「一筆奏上!(M16)」や「大殺陣!(M43)」「新装備侍合体(M107)」など単独で聴きたいと思っていた人も多いのでは。新曲も、どこか「暴れん坊将軍」っぽい「殿様評判記」(似てないけど雰囲気がね)、学園ドラマ風の「シンケン ハイスクール」など、いい味出してます。

 さらに、このサントラ盤、どさくさにまぎれて(?)挿入歌のカラオケも収録されているのですよ! ニクいところをついてくるなぁ。

帰ってきた侍戦隊シンケンジャー 秘伝音盤 特別幕
 新録音BGM5曲と挿入歌オリジナル・カラオケ10曲を含む全39曲収録。

 : 帰ってきた侍戦隊シンケンジャー 秘伝音盤 特別幕

帰ってきた侍戦隊シンケンジャー 特別幕 超全集版 [DVD]
 DVDは6月21日発売。封入特典として「侍戦隊シンケンジャー超全集」(小学館監修・約90ページ)を封入。

 : 帰ってきた侍戦隊シンケンジャー 特別幕

2010年4月26日 (月)

哀しく官能的な「血とバラ」の音楽、初CD化

 ロジェ・バディム監督の映画『血とバラ』の音楽がついにCD化されました。先に紹介した『ロボコップ』完全版サントラとともに、こちらも感無量です。

 『血とバラ』は1960年に製作されたフランス・イタリア合作映画。シェリダン・レ・ファニュの『吸血鬼カーミラ』を原作にした幻想怪奇映画で す。美貌の女吸血鬼が登場する幻想的で官能的な映画として70年代にはカルトな人気を得た作品ですが、DVDは発売されておらず、最近は忘れられた作品に なっているのが残念。ジャン・プロドロミデスの美しくも官能的な音楽は、この映画の魅力の大きな要素となっています。とりわけ、ミラルカに襲われたジョージアが見る妖しい夢のシークエンスは、一度見ると忘れられない印象的なもの。かつて少年時代にテレビ放映でこの映画を観た私は、この夢の場面に深い衝撃を受けたものです。
 ロジェ・バディムの映像とプロドロミデスの音楽。この2つが一体となって作り出す独特の雰囲気は、のちに日本で作られた吸血鬼映画「血を吸う」シリーズに影響を与えていると思います。もちろん、眞鍋理一郎の耽美な音楽にも。

 今回のCD化は、単独アルバムではなく、この3月にDISQUES CINEMUSIQUEレーベルから発売された『ダントン』のサウンドトラック・アルバムに一緒に収録されたもの。『ダントン』の音楽は『血とバラ』と同じジャン・プロドロミデス。『素晴らしい風船旅行』などの音楽を書いた作曲家です。

 もともと『血とバラ』のサウンドトラックは、公開当時にフランスから5曲入りのEP盤が発売されただけでした。私はEP盤も持っているのですが、ジャケットが実に魅力的な1枚。収録曲数は少ないですが、実は5曲だけでじゅうぶん満足感があります。

 というのは、『血とバラ』の音楽は場面に合わせて作曲・録音する方式ではなく、いくつかのテーマ曲を用意して、劇中で繰り返し使う方式で作られているのです。タイトルバックに流れる哀感のあるハープと弦の曲、「ミラルカのテーマ」と呼ばれる弦とオルガンの曲、そして、ハープのつまびきがサスペンスを盛り上げる曲。この3曲で、ほぼ劇中で印象的な楽曲はそろいます。
 『ダントン』のアルバムには、EP盤と同じ5曲が収録されました。追加曲がないのは残念な気はしますが、これで『血とバラ』の代表曲はすべて手に入るんですね。幻想映画音楽ファンには、待望の1枚でしょう。

 Ep
 ↑『血とバラ』EP盤のジャケット。

 Danton_dcm120
 ↑DANTON: JEAN PRODROMIDÈS
 ジャン・プロドロミデス作品3作『ダントン』『悲しみの天使』『血とバラ』を収録した作品集CD(コンピレーション盤)。輸入CD店や通販などで購入できます。

 ところで、『血とバラ』の音楽を書いたジャン・プロドロミデスは、同じロジェ・バディムが監督した『世にも怪奇な物語』の一編「黒馬の哭く館」の音楽も担当しています。こちらもハープと木管による哀愁漂う音楽が印象的でした。
 しかし、「黒馬の哭く館」の音楽は、「不幸にしてサウンドトラックはレコード化されたことはなく、完全に失われてしまったようだ」と『ダントン』のライナーノーツには書かれています。ところが…。
 日本で発売されている『世にも怪奇な物語』のDVDの音声メニューには、「フランス語」「日本語吹き替え」と並んで「BGM」と いうメニューがあり、これを選択すると、セリフ、SEのかぶらないBGMだけが聴けるのですよ。どういうからくりなのか…。
 おそらく、輸出用にSE、セリフ、BGMをセパレートしたテープが残っていたんでしょうね。ちなみに、第2話「影を殺した男」と第3話「悪魔の首飾り」のBGMトラックはSE入りになっています。「悪魔の首飾り」の音楽はニーノ・ロータ。これも音盤化には恵まれず、かつてマイナーレーベルからリリースされたロータ作品集に「悪魔の首飾り」組曲が収録されたことがあるくらい。サントラファン泣かせの作品です。

世にも怪奇な物語 [DVD]

 : 世にも怪奇な物語

「ロボコップ」完全版サントラ登場!

 バジル・ポールドゥリスの代表作『ロボコップ』のComplete Soundtrackが米INTRADAレーベルから発売されました。サントラファンには待望の1枚。感無量です。

 バジル・ポールドゥリスは、『コナン・ザ・グレート』『レッド・オクトーバーを追え!』など、燃える映画音楽を書く作曲家としてファンに愛された作家。惜しくも2006年に亡くなりました。『ロボコップ』の音楽は、勇壮なロボコップ・マーチはもちろんですが、マーフィーの苦悩を表わすメロウな音楽やサスペンス曲なども魅力なんですね。

 1987年の公開当時に発売されたサントラ盤は観賞用に15曲をまとめたアルバムでした。2004年に4曲を追加したExpanded盤がリリース。そして、今回は全23曲を収録し、曲順も劇中使用順に改めた文字通りのComplete Soundtrackです。20ページの解説書には詳細な音楽解説を掲載。サントラはこうでなくては!

 残念ながら日本版発売はありませんが、輸入CD店や通販で購入できます。限定3000枚なので興味ある方はお早目に。通販は国内ならARK SOUNDTRACK SQUARE、海外ならScreen Archives Entertainmentなどで取り扱っています。

Robocop Original MGM Motion Picture Soundtrack

 Robocop_complete

2010年4月25日 (日)

大野雄二&ルパンティック・ファイヴ・ライヴ

 4月23日、タワーホール船堀大ホールで開催された大野雄二&ルパンティック・ファイヴのライブに足を運びました。

 2月3日に発売されたアルバム『LUPIN THE THIRD ~the Last Job~』の発売を記念してのライブ。4月16日に渋谷duo MUSIC EXCHANGEで、4月18日に大阪UMEDA AKASOで同じ趣旨のライブが開催されています。
 私はたまたま16日が埋まっていたのと、船堀という会場にひかれてこの日に参戦。
 というのは、タワーホール船堀は8月に開催される日本SF大会の会場なのです。SF大会で企画を予定しているので、ホールの音響を聴いてみたかった。また、この日仕事で都営新宿線沿線にいたので都合もよかったのでした。

 タワー船堀大ホールはステージを囲んで客席が階段状に並ぶ劇場仕様のホールです。キャパシティは700人超。ふつう、こういうホールで演奏会をすると「ライブ」ではなく「コンサート」という呼び方になるのですが、今回は、プログラムが配られず曲目は演奏するまでひみつ、休憩なしの1ステージという完全なライブ形式。

 結果的に、ホールで聴いてとてもよかった。まず、音がいい。楽器の音がヴィヴィッドに聴こえます。そして、メンバーの動きがよく見える。ライブのノリとはちょっと違いますが、じっくり音楽を楽しみたい向きには最適です。

 大野雄二&ルパンティック・ファイブの演奏を聴くのは、目黒Blues Alleyのライブ以来。メンバが一部変更になったことと会場が違うことで、前回とはまた違う、スケール豊かな演奏が聴けました。

 演奏曲は『LUPIN THE THIRD ~the Last Job~』用に新アレンジされた『ルパン三世』の音楽が中心ですが、『犬神家の一族』『人間の証明』『小さな旅』など、映画音楽・TV音楽も聴くことができて、思わぬ拾いものでした。「犬神家の一族 愛のバラード」は4ビート風に、「人間の証明のテーマ」はジャズバラードに、「小さな旅」はピアノ・ソロにアレンジされての演奏で、原曲とは違う味わいになっているのがニクい。

 今回感じたのは、大野雄二の書くメロディの魅力です。太くて印象的なメロディがあるから、アレンジを自在に変えても通用する。そして、発表から30数年を経てもさまざまな形で演奏したり録音したりされている『ルパン三世』の音楽は幸せだなぁということでした。このところライブ活動を積極的に行っている大野雄二先生ですが、『ルパン』だけでなく、ほかの映像作品の曲もとりあげてほしいなぁと切に思います。ぜひ、映画・TV音楽ライブも!

LUPIN THE THIRD ~the Last Job~
 『ルパン三世』の名曲を新アレンジ。2月に放送されたアニメ最新作『ルパン三世 the Last Job』のエンディングテーマ「笑う太陽(Feat. 中納良恵 From EGO-WRAPPIN')」も収録。

 : LUPIN THE THIRD~ the Last Job~

Y.O. Connection
 ジャズ・ミュージシャンとしての大野雄二を前面に出した1枚。ジャズ・ナンバーのほか、映画『M*A*S*H』のテーマ曲や松田聖子の曲なども取り上げて、大野雄二のアレンジャー、プレイヤーとしての才能を感じさせる名盤に仕上がっている。

 : Y.O. Connection

続きを読む "大野雄二&ルパンティック・ファイヴ・ライヴ" »

2010年4月21日 (水)

お菓子づくりは少女の夢「夢色パティシエール」

 TVアニメ『夢色パティシエール』のオリジナル・サウンドトラックが4月21日に発売されます。私は楽曲構成を担当しています。

 『夢色パティシエール』は、お菓子職人(パティシエール)をめざす少女を主人公にしたアニメーション作品。『りぼん』に連載中の漫画が原作です。毎回、お菓子を作る場面が登場する「クッキングもの」ですね。しかし、単なる食いしん坊アニメではなく、お菓子で人の心を癒やしたり、葛藤を解決したりするドラマが描かれているのが特徴。私は、魔法のない魔法少女もの(お菓子づくりが魔法として機能している)だなと思いました。

 音楽を担当したのは、『機動戦士ガンダム MS-IGLOO』や『ブルードラゴン』『炎神戦隊ゴーオンジャー』などの音楽で知られる大橋 恵。女性らしからぬダイナミックな音楽を書く大橋さんですが、本作品では、少女ものらしいやさしい曲やわくわくする曲をたくさん提供しています。お菓子作りの本場、フランスの雰囲気が漂う典雅な曲もあり、大橋さんのサウンドメーカーとしての才能を堪能できる仕上がりですよ。

 この作品、主題歌もよくできてます。歌うは五條真由美(エンディング)と杉原由規奈(エンディング)。ディレクションを藤田昭彦氏が担当していると聞けば、コアなアニメ音楽ファンなら仕上がりが想像できるのではないでしょうか。そう、『おジャ魔女どれみ』や『プリキュア』シリーズの雰囲気を受け継いでいるのです。

 アルバム終盤にはミニドラマを収録。1枚で2度おいしい、夢色サントラを召し上がれ!

夢色パティシエール きらきら☆ミュージック

 : 夢色パティシエール きらきら☆ミュージック

☆主題歌シングルも絶賛発売中!

夢にエール!パティシエール♪/いちごのミラクルール (五條真由美/杉原由規奈)[MAXI]

 : 夢にエール!パティシエール♪/いちごのミラクルール

続きを読む "お菓子づくりは少女の夢「夢色パティシエール」" »

2010年4月20日 (火)

「ハートキャッチプリキュア!」挿入歌シングル早くも登場!

 『ハートキャッチプリキュア』挿入歌シングルが早くも4月21日に発売されます。
 つぼみとえりかのキャラクターソングのカップリング。もちろん、歌うは水樹奈々(花咲つぼみ役)と水沢史絵(来海えりか役)の主役コンビです。

 特筆すべきは、作曲を手がけているのが劇中音楽(BGM)を担当している高梨康治さんだということ。だからキャラクターソングが本編と遊離せず、密着度がより高くなっているのです。

 実際、今回のキャラクターソングは、劇中に流れている「つぼみのテーマ」と「えりかのテーマ」のメロディを使っているのですね。本編では、「つ.ぼ.み~Future Flower~」歌入りが第4話で、「スペシャル*カラフル」歌入りが第8話で使用されています。

 「つぼみのテーマ」はちょっとセンチメンタルでやさしい感じを、「えりかのテーマ」は元気いっぱいのロックをねらったとのこと。サントラより一足先に届いた高梨さんのハートキャッチ音楽。ぜひ聴いてみてください。

つ.ぼ.み~Future Flower~/スペシャル*カラフル (花咲つぼみ(水樹奈々)/来海えりか(水沢史絵))[MAXI]

 : つ.ぼ.み~Future Flower~/スペシャル*カラフル

☆主題歌シングルも絶賛発売中!

Alright ハートキャッチプリキュア!/ハートキャッチ☆パラダイス (池田 彩/工藤真由)[MAXI][CD+DVD]
 メロディ入りカラオケ(メロオケ)を同時収録!DVDにはノンテロップOP・ED映像を収録。

 : Alright ハートキャッチプリキュア!/ハートキャッチ☆パラダイス

サントリーホール「華麗なる冨田サウンドの世界」

 4月18日(日)、サントリーホールで開催されたコンサート「華麗なる冨田サウンドの世界」に足を運びました。

 日本フィルが主催する「名曲コンサート」の第338回。取り上げられたのは、冨田 勲作品です。

 Tomita_concert_flyer_l

 『惑星』『月の光』といったシンセサイザー作品のほかにも、大河ドラマ、手塚アニメなど、数々の映像作品の音楽で知られる作曲家・冨田 勲。しかし、これだけ大規模なオーケストラ・コンサートで冨田作品が特集されるのははじめてではないでしょうか。
 演奏は日本フィルハーモニー交響楽団。指揮は藤岡幸夫。昨年発売されたCD『交響詩ジャングル大帝〈2009年改訂版〉』をレコーディングしたオーケストラと指揮者です。冨田サウンドを熟知した演奏家が冨田作品を演奏するのですから、期待はいやがうえにも高まります。

 2部構成で、第1部はバラエティに富んだ冨田 勲作品を演奏。
 1曲目からホルストの「惑星」をベースにしたシンセサイザー作品「スペースファンタジー」。今回のコンサートのためにアレンジされたそうです。シンセサイザーの演奏をスピーカーから流す演出で、ステージ上には人影がない。不思議な光景でした。これは「サントリーホール全体が宇宙船になったような効果をねらった」とのこと。

 続く「パシフィック231」は機関車をモチーフにしたオネゲルの作品。シンセサイザー版のイントロが流れたあと、続いてオーケストラの演奏が始まるという演出。「パシフィック231」は現代音楽の名曲としてすでに古典となっているような曲ですが、生のオケで聴くのは(たぶん)はじめてです。楽器の細かい動きがわかって興味深い1曲でした。

 シンセサイザーをフィーチャーして、もう1曲。ムソルグスキー「展覧会の絵」から「殻をつけた雛の踊り」。シンセと生オケをシャッフルしながら演奏するという実験的な試みでした。藤岡さんがレシーバーでクリックを聞きながら指揮をするという、サントラのレコーディングのような光景が。これは、会場のスピーカーをフルに使って、サラウンドの効果をねらったとのこと。こうした演出は、いずれも冨田先生のアイディアです。

 第1部の後半は冨田 勲のTV・映画音楽作品。
 「新日本紀行のテーマ」と山田洋次監督作品メドレー、そして大河ドラマ「勝海舟」のメインテーマが演奏されました。トロンボーン、オーボエ、クラリネットなど、ソロを取る楽器の表情豊かな演奏が実によかった。また「勝海舟」のダイナミックな響きには心が震えました。前半のハイライトであったと思います。

 第2部は2009年に改訂された「交響詩《ジャングル大帝》」全曲。
 レコードの初版発売は1966年。アニメーション作品を題材にオーケストラのアルバムを作ってしまうなんて、当時としては画期的なことでした。しかし、その後スコアが失われ、演奏会で演奏されることは長らく不可能になっていたのです。それを冨田先生自らがレコードから復元し、手を入れたのが今回演奏された改訂版です。

 冨田作品の特徴である「響き」に気を配った演奏でした。6人のパーカッション奏者が大活躍で、アフリカの大自然のイメージが広がります。ナレーションはありませんでしたが、演奏だけで十分、会場にいた子どもたちも楽しめたのではないでしょうか。
 藤岡さんのブログに書かれた冨田先生に関する記事(下記)を読むと、いかに藤岡さんが愛情を持ってこの曲を演奏したかがわかります。
※From Sachio「冨田 勲 先生」 の話 その1その2

 プログラムには冨田 勲×藤岡幸夫対談と「交響詩ジャングル大帝」のレコードから転載された絵物語を掲載。行き届いていました。惜しむらくは、もっと宣伝してくれたらもっと多くの冨田ファンが聴けたのになぁと思うこと。終演後のサイン会には数100人の列が出きていました。主催者もここまでの人気とは想定していなかったのかもしれません(甘いよ!)。

 日本を代表する音楽家の一人である冨田 勲。その作品を生で聴けるだけで感動でしたし、構成にも冨田 勲ならではの実験精神が感じられる興趣の尽きないコンサートでした。第2回、第3回と続けてほしい。
 もっと冨田作品が演奏される機会が増えることを心から願っています。

交響詩「ジャングル大帝」<2009年改訂版>~白いライオンの物語~ [CD+DVD]

 : 交響詩「ジャングル大帝」

続きを読む "サントリーホール「華麗なる冨田サウンドの世界」" »

2010年4月15日 (木)

「COBRA THE ANIMATION」TVシリーズ・サントラ発売

 『COBRA THE ANIMATION』TVシリーズのオリジナル・サウンドトラックが発売されました。
 私は構成・解説・インタビューを担当しています。

 2008年からリリースされたOVA版『COBRA THE ANIMATION』を引き継いだ形のTVシリーズ。原作から映像化されていないエピソードを選んでオムニバス風のシリーズとして全13話が放映されました。
 驚いたのは、コブラの声が野沢那智から内田直哉(デンジグリーン)に交代したこと。が、これがなかなかハマっていて違和感ありません。レディは榊原良子が引き続き演じています(でも出番少ない)。

 音楽はOVA版と同じ池 頼広が担当。TVシリーズ用に新曲が録音されました。
 ただ、OVA版の曲をTVシリーズでも使用することが前提となっていたため、曲数は少なく、新たに作られたのは10数曲程度。今回のサントラ盤では、そのすべてを収録しています。

 構成は、主題歌「COBRA THE SPACE PIRATE」のピアノヴァージョンを1曲目に置き、あまり物語の進行にはとらわれず、イメージアルバム風にまとめました。曲順・曲名は、1982年リリースのハネケン/大野雄二による『スペースコブラ』オリジナル・サウンドトラックの雰囲気に近づけています。

 池さんが得意とするジャズ風の曲、OVAで効果を上げたシンフォニックな曲、原作からイメージをふくらませた、特定のエピソードやゲストキャラクターを想定した曲など、曲数は少ないながらもバラエティに富み、聴き応えのあるアルバムになったと思います。少人数のセッション曲では池さんが自らベースを弾いているので、ファンの人はしっかり聴きとってください。

 ボーナストラックとして、番組用にアレンジ・録音されたクリスマスソングを収録。もちろん池頼広編曲で、歌は主題歌を歌うサシャ・アントニスという豪華版。これもアルバムの目玉のひとつですよ。

COBRA THE ANIMATION ORIGINAL SOUNDTRACK for TV

 : COBRA THE ANIMATION ORIGINAL SOUNDTRACK for TV

COBRA THE ANIMATION ”THE PSYCHOGUN”&”TIME DRIVE” COMPLETE SOUNDTRACK
 OVA版サントラはこちら。TVシリーズでも効果的に選曲されている。

 : COBRA THE ANIMATION ORIGINAL SOUNDTRACK for TV

続きを読む "「COBRA THE ANIMATION」TVシリーズ・サントラ発売" »

2010年4月 4日 (日)

アニメ版「COBRA」28年のあゆみ

 寺沢武一原作によるアニメ版『COBRA』全作品の主題歌・挿入歌をまとめた『コブラ ソング・コレクション』が3月31日に発売されました。

 収録作品は、1982年公開の劇場用アニメ『コブラ SPACE ADVENTURE』、1982年放映のTVアニメ『スペースコブラ』、2008~09年発売のOVA『COBRA THE ANIMATION』、そして、2010年にBS11で放映されたTVシリーズ『COBRA THE ANIMATION』。

 いずれもCD化済ですが、ビクター音源の劇場版主題歌とコロムビア音源の『スペースコブラ』以降がまとめてコンパイルされるのははじめて。また、『COBRA THE ANIMATION』の歌にはまだなじみが薄いという方もいるでしょうから、これは、『COBRA』の音楽をまとめて紹介する好企画です。

 なかでも、池頼広作曲・Sasja Antheunis歌唱による「COBRA THE SPACE PIRATE」「TIME DRIVE」は、池さんならではの大人のCOBRAサウンドに仕上がっています。1982年から2010年まで「COBRA」を歌い続ける松崎しげるの歌にも注目。

コブラ ソング・コレクション

 : コブラ ソング・コレクション

続きを読む "アニメ版「COBRA」28年のあゆみ" »

« 2010年3月 | トップページ | 2010年5月 »