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2010年4月26日 (月)

哀しく官能的な「血とバラ」の音楽、初CD化

 ロジェ・バディム監督の映画『血とバラ』の音楽がついにCD化されました。先に紹介した『ロボコップ』完全版サントラとともに、こちらも感無量です。

 『血とバラ』は1960年に製作されたフランス・イタリア合作映画。シェリダン・レ・ファニュの『吸血鬼カーミラ』を原作にした幻想怪奇映画で す。美貌の女吸血鬼が登場する幻想的で官能的な映画として70年代にはカルトな人気を得た作品ですが、DVDは発売されておらず、最近は忘れられた作品に なっているのが残念。ジャン・プロドロミデスの美しくも官能的な音楽は、この映画の魅力の大きな要素となっています。とりわけ、ミラルカに襲われたジョージアが見る妖しい夢のシークエンスは、一度見ると忘れられない印象的なもの。かつて少年時代にテレビ放映でこの映画を観た私は、この夢の場面に深い衝撃を受けたものです。
 ロジェ・バディムの映像とプロドロミデスの音楽。この2つが一体となって作り出す独特の雰囲気は、のちに日本で作られた吸血鬼映画「血を吸う」シリーズに影響を与えていると思います。もちろん、眞鍋理一郎の耽美な音楽にも。

 今回のCD化は、単独アルバムではなく、この3月にDISQUES CINEMUSIQUEレーベルから発売された『ダントン』のサウンドトラック・アルバムに一緒に収録されたもの。『ダントン』の音楽は『血とバラ』と同じジャン・プロドロミデス。『素晴らしい風船旅行』などの音楽を書いた作曲家です。

 もともと『血とバラ』のサウンドトラックは、公開当時にフランスから5曲入りのEP盤が発売されただけでした。私はEP盤も持っているのですが、ジャケットが実に魅力的な1枚。収録曲数は少ないですが、実は5曲だけでじゅうぶん満足感があります。

 というのは、『血とバラ』の音楽は場面に合わせて作曲・録音する方式ではなく、いくつかのテーマ曲を用意して、劇中で繰り返し使う方式で作られているのです。タイトルバックに流れる哀感のあるハープと弦の曲、「ミラルカのテーマ」と呼ばれる弦とオルガンの曲、そして、ハープのつまびきがサスペンスを盛り上げる曲。この3曲で、ほぼ劇中で印象的な楽曲はそろいます。
 『ダントン』のアルバムには、EP盤と同じ5曲が収録されました。追加曲がないのは残念な気はしますが、これで『血とバラ』の代表曲はすべて手に入るんですね。幻想映画音楽ファンには、待望の1枚でしょう。

 Ep
 ↑『血とバラ』EP盤のジャケット。

 Danton_dcm120
 ↑DANTON: JEAN PRODROMIDÈS
 ジャン・プロドロミデス作品3作『ダントン』『悲しみの天使』『血とバラ』を収録した作品集CD(コンピレーション盤)。輸入CD店や通販などで購入できます。

 ところで、『血とバラ』の音楽を書いたジャン・プロドロミデスは、同じロジェ・バディムが監督した『世にも怪奇な物語』の一編「黒馬の哭く館」の音楽も担当しています。こちらもハープと木管による哀愁漂う音楽が印象的でした。
 しかし、「黒馬の哭く館」の音楽は、「不幸にしてサウンドトラックはレコード化されたことはなく、完全に失われてしまったようだ」と『ダントン』のライナーノーツには書かれています。ところが…。
 日本で発売されている『世にも怪奇な物語』のDVDの音声メニューには、「フランス語」「日本語吹き替え」と並んで「BGM」と いうメニューがあり、これを選択すると、セリフ、SEのかぶらないBGMだけが聴けるのですよ。どういうからくりなのか…。
 おそらく、輸出用にSE、セリフ、BGMをセパレートしたテープが残っていたんでしょうね。ちなみに、第2話「影を殺した男」と第3話「悪魔の首飾り」のBGMトラックはSE入りになっています。「悪魔の首飾り」の音楽はニーノ・ロータ。これも音盤化には恵まれず、かつてマイナーレーベルからリリースされたロータ作品集に「悪魔の首飾り」組曲が収録されたことがあるくらい。サントラファン泣かせの作品です。

世にも怪奇な物語 [DVD]

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