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2020年7月
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2010年7月

2010年7月29日 (木)

「宇宙ショーへようこそ」の音楽へようこそ

 6月20日に公開され、まだまだ上映が続いている映画『宇宙ショーへようこそ』、ご覧になりましたでしょうか?
 舛成孝二監督と音楽の池頼広さんはTVアニメ『かみちゅ!』のコンビ。
 私と池さんとの出会いも『かみちゅ!』の音楽がきっかけでしたので、この映画には思い入れひとしおでした。

 サウンドトラック盤は映画公開より一足はやく発売されました。2010年夏の公開でしたが、音楽の録音は昨年行われていたのですね。CD2枚組で映画の音楽を使用順に完全収録。池さんの音楽がたっぷり楽しめます。
 映像にタイミングを合わせて作曲する、いわゆるフィルム・スコアリングの手法で作られているのですが、池さんならではのメロディアスな曲想がしっかり生きている。
 冒頭いきなりのアクションチューン「わさび畑の死闘」、懐かしい気持ちがわき起こる「夏合宿の朝」、わくわく感たっぷりの「新・月世界旅行」と、音楽を聴くだけで高揚感に包まれてしまいます。
 なかでも本編のテーマとなる「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために」と名付けられた楽曲が感動的。名場面がよみがえります。
 クライマックスの音楽は「ヒーロー組曲」として収録。本来は1曲の音楽として構想されたもので、本盤の聴きどころです。
 池頼広音楽の歌姫・サシャ・アントニスの歌声ももちろん聴けます。今回は日本語の歌も入っているのに注目です。

 もともと「宇宙ものがやりたい」と言っていた池さん。『FREEDOM』や『COBRA THE ANIMATION』でその願いはかないましたが、ほんとうにやりたかったのは、こういう、少年の夢と冒険心にあふれた映画だったのではないでしょうか。

 エピローグの音楽、「きっと、また会える」「ただいま」を聴いていると、「いい映画を観たなぁ」「いい音楽を聴いたなぁ」という心地よい感慨がひたひたとわき起こってきました。日本の映画音楽の最先端はアニメ音楽にある。そう思わせてくれるタイトルであり、池さんにとってもまぎれもなく新しい代表作の1本になった作品だと思います。映画ともども、お楽しみください。

宇宙ショーへようこそ オリジナル・サウンドトラック
 ブックレットに池さん、舛成監督、落越プロデューサーの鼎談収録。ポチのステッカーつき。

 : 宇宙ショーへようこそ オリジナル・サウンドトラック

 ↓この作品の音楽も池さんでした。“やりすぎちゃった”感じが最高。

ゼブラーマン -ゼブラシティの逆襲- オリジナル・サウンドトラック

 : ゼブラーマン -ゼブラシティの逆襲- オリジナル・サウンドトラック

2010年7月24日 (土)

「スタートレック」完全版サントラ2タイトル

 ちょっと古い話題になってしまいましたが、6月に発売された、映画『スター・トレック』のサントラ2タイトルの話題。ともに海外盤です。

 まず2009年に公開されて熱心な「スター・トレック」ファンからも支持されたJ.J.エイブラムス監督の『スター・トレック』。マイケル・ジアッチーノの音楽が、いよいよ完全版で聴けるようになった!
 公開当時発売されていた15曲収録のサントラから大幅に増補された、44曲収録の2枚組。「THE DELUX EDITION」と名付けられた完全版が登場です。

 全体に当時のサントラはメロディアスな曲やアクション曲中心の編集で、メロディ感の薄いサスペンス曲やふわっとした情感曲が収録されてなかったんですが、それが補完されています。また、ごっそり漏れていた中盤のシーンの音楽も収録されました。

 初収録の曲では、"STAR TREK"とタイトルが出るカットの音楽「Main Title」がうれしい。短い曲だから最初のサントラではオミットされたのでしょうが、この曲があるとないとでは、サントラの雰囲気がずいぶん違う。
 クルーがエンタープライズに集結するシーンの"Enterprising Young Men"は、当時のサントラより長尺のものになっています。
 エンドクレジットは同じ音源ですが、何度聴いても感動的。映画の感動を追体験するには、格好のアルバムになりました。

 ブックレットはオールカラー28Pにエイブラムス監督のコメントとKerry O'Quinnによる解説を掲載。ただし、各曲解説や録音データ等はなく、資料性よりも写真メインのフォトアルバムといったおもむきです。
 DISCがエンタープライズ号の円盤部を模したデザインになっているのが「スター・トレック」ならではですね。

 Startrek_disc1 Startrek_disc2

 そしてもう1タイトルが、1984年の作品『スター・トレックIII ミスター・スポックを探せ!』。ジェームズ・ホーナーの音楽を収録した2枚組完全版が発売されました。

 『スター・トレックII』の成功で脚光を浴びたホーナーが意欲たっぷりに取り組んだ『スター・トレックIII』。力入ってます。
 こちらの2枚組は、フィルムで使われた楽曲を収録した完全版サントラ1枚と、当時のサントラを復刻した1枚の2枚組。というのも、当時のサントラは映画で使われていないテイクが収録されていたのですね。レコードとフィルムで音源が異なるのは、昔のサントラではけっこうあたりまえのことでした。2種のテイクの違いを聴き比べられるのがミソです。
 FSM(Film Score Monthly)レーベル発売なので、ブックレットは資料性も高く、読みごたえたっぷり(ただし、英語)。録音時のデータなどがしっかり残されているのがうらやましい。

 前作『スター・トレックII カーンの逆襲』の完全版も同じレーベルから発売されていますので、まだ入手していない人はぜひ合わせてどうぞ。タワーレコード、HMVなどの海外盤取扱店のほか、Amazonでも入手できます。

STAR TREK; -The Deluxe Edition-
 マイケル・ジアッチーノの『スター・トレック』完全版。

 : STAR TREK -The Deluxe Edition-

Star Trek III: The Search for Spock  -Newly Expanded Edition-
 『スター・トレックIII ミスター・スポックを探せ!』完全版。

 : Star Trek III: The Search for Spock  -Newly Expanded Edition-

Star Trek II: The Wrath of Khan  -Newly Expanded Edition-
 『スタートレックII カーンの逆襲』完全版。

 : Star Trek II: The Wrath of Khan  -Newly Expanded Edition-

2010年7月22日 (木)

Sister MAYO初ベスト発売!

 Sister MAYOさんの初ベストアルバム『Sister MAYO 1号』が発売されました!

 Cyber Nation Network(MAYOさんが参加していたユニット)のベスト盤はありましたが、Sister MAYOとしてのベストはこれがはじめて。おなじみの曲から、レアな曲まで、Sister MAYOの魅力が詰め込まれてます。ファンなら買うしかない!

 大ヒットした「呪文降臨~マジカル・フォース」(『魔法戦隊マジレンジャー』エンディング)をはじめとした最近の戦隊ソング、本格的なソロデビューとなった「LOVE☆トロピカ~ナ」(『ジャングルはいつでもハレのちグゥ』主題歌)のシリーズ、カワイイ路線を開拓した「ぷるるんっ!しずくちゃん」など代表曲がまとめて聴けるのがまずうれしいところ。

 珍しいところでは、MAYOさんも「いい歌だよね」と言う『パッタ ポッタ モン太』の主題歌2曲、『マスターモスキートン'99』の挿入歌「Oh My God!」、『ごぞんじ!月光仮面くん』2ndエンディング「カラフル」のカップリング曲「curtis creek」を収録。「Oh My God!」と「curtis creek」は、作詞もMAYOさん(クレジットは連名、もしくはCNN名義になってます)。特に「curtis creek」は当時発売されていたシングル盤でしか聴けなかった曲なので、ここに収録されたのは貴重ですよ。

 MAYOさんにインタビューしてブックレットに解説を書かせていただきました。インタビュー本体もWebで公開される予定ですので楽しみにお待ちください。

 同時発売で高取ヒデアキさんのベストアルバムも参上! ぜひ合わせてお聴きください。8月1日には、渋谷TAKE OFF 7でツーマンライブが予定されています。

Sister MAYO 1号

 : Sister MAYO 1号

高取ヒデアキ BEST ALBUM 参上!
 ボーナストラックも充実。ジャケットの和装は実家に伝わる由緒あるものだそうです。

 : 高取ヒデアキ BEST ALBUM 参上!

Cyber Nation Network ベスト
 Sister MAYOファンならこちらも押さえるべし!

 : Cyber Nation Network ベスト

夏に充実の1枚「ゴセイジャー」ソングアルバム

 7月21日『天装戦隊ゴセイジャー オリジナルアルバム 天装音楽館2 ゴセイソングフェスタ』が発売されました!

 毎年おなじみのソングコレクションですが、注目は、作曲に渡辺宙明、菊池俊輔の両巨頭がそろいぶみしたこと!
 宙明先生作曲の「データスハイパー天使と共に」は、久しぶりに詞先の歌。「東映作品で詞先は得意だったので」と、はりきって書き上げたそうです。最近の曲先の曲とは一味違う曲に仕上がってますよ。特に、歌詞の「…です」や2番の「データス!ダイナミッククラッシュ」の部分は、まともに書くと字余りになって苦しいところをうまく処理している。熟練の技が楽しめます。アレンジも宙明先生。歌はMoJoさん。
 菊池先生の「ドラスティック・グランディオン」は、「おれたちの船出」(『無限軌道SSX わが青春のアルカディア』主題歌)を思わせる、悲壮感ただよう歌い上げ系の曲。2010年になっても、新しい菊池節が聴けるのは感無量です。歌うは水木一郎! アレンジは亀山耕一郎さんですが、トランペットの響きが菊池サウンドオマージュっぽい(生ストリングスが入るともっとらしくなったところ)。間奏にも力入っています。

 ほかには、池毅作曲で串田アキラが歌う「フェスティバル」。この組み合わせはあまりないですね。池さんらしいダンサンブルな曲。
 劇中音楽を担当する三宅一徳さん作曲の「降臨!ゴセイグレート」は、合体ロボのBGMから発展した曲。BGMと挿入歌を連動させるスタイルは、戦隊音楽でおなじみの手法です。主題歌を歌うNoBの歌唱。
 「☆Fight☆」は、昨年「Jusice of Light」(『聖剣の刀鍛冶』主題歌)という名曲を生み出した作曲・岩崎貴文、歌・五條真由美歌のコンビ。アレンジも岩崎さんで、エレキギターの音が小気味よいロック調の応援歌に仕上がっている。五條さんはこういうカワカッコいい歌がほんとに合うなぁ。
 高取ヒデアキ作曲・歌の「闘え!そして糧を得よ!」は、高取さんらしいロックチューン。キャッチーなメロディと熱い歌唱に燃えます。
 「ゴセイナイトは許さない」は番組でもよく流れていておなじみの曲。三宅一徳の曲・アレンジ、宮内タカユキの歌唱とも燃焼度高く、アルバム中でも聴きどころの1曲です。

 新旧のクリエイター、アーチストが集結してヒーローソングの王道に挑んだ、充実のアルバムになりました。満腹感たっぷり。キャラソン路線をばっさり捨てた潔さも気持ちいい。夏バテを吹き飛ばす1枚としてぜひお聴きください。

天装戦隊ゴセイジャー オリジナルアルバム 天奏音楽館2 ゴセイソングフェスタ

 : 天装戦隊ゴセイジャー オリジナルアルバム 天奏音楽館2 ゴセイソングフェスタ

2010年7月13日 (火)

パーフェクト・ベスト・シリーズに倉田まり子、沢田聖子、麻倉未稀らも

 前のエントリで「鮎川麻弥 パーフェクト・ベスト」を紹介しましたが、同じシリーズで倉田まり子、沢田聖子、麻倉未稀ら、キングレコードで活躍していたアーチストの作品がぞくぞくとリリースされています。これが、意外にレアなアニメソングも入っていて見逃せません。

 『倉田まり子 パーフェクト・ベスト」にはアニメ『ナイン』の主題歌「真夏のランナー」と挿入歌「蒼いフォトグラフ」、『ナイン2』の主題歌「恋人宣言」が収録されました。「恋人宣言」は初CD化。「真夏のランナー」「蒼いフォトグラフ」と合わせて手に入るのはうれしいところです。あだち充の原作に芹澤廣明の音楽、というシフトはこの作品がさきがけとなり、『タッチ』で開花します。

 『沢田聖子 パーフェクト・ベスト』には、『赤ずきんチャチャ』から、エンディング「笑顔が好きだから」、挿入歌「夢を忘れない」、パッケージ版のオープニングに使われた「君色思い」を収録。「君色思い」はTV放映ではSMAPが歌ったものが流れていたのですが、ビデオやDVDでは、沢田聖子歌唱のものに差し替えられたんですね。CD時代になってから作品ですが、最近手に入りにくかった楽曲なので、これもうれしい。

 『麻倉未稀 パーフェクト・ベスト』は、「ヒーロー」(『スクールウォーズ』)、「What a feeling」(『スチュワーデス物語』)、「黄昏ダンシング」(『さよならを教えて』)、「RUNAWAY」(『乳姉妹』)といったドラマ主題歌が収録されて、ドラマファンにはたまらない1枚。アニメ『ジャスティ』の主題歌「孤独の戦士 ロンリーハンター」も収録されました。これも初CD化。「孤独の戦士」はもともとイメージアルバムで発表された歌がアニメ版にも使用されたという、「ゲゲゲの鬼太郎」と並ぶ珍しいケースです。

倉田まり子 パーフェクト・ベスト

 : 倉田まり子 パーフェクト・ベスト

沢田聖子 パーフェクト・ベスト

 : 沢田聖子 パーフェクト・ベスト

麻倉未稀 パーフェクト・ベスト

 : 麻倉未稀 パーフェクト・ベスト

鮎川麻弥パーフェクト・ベスト発売!

 先月の南青山でのライブも記憶に新しい鮎川麻弥さんの新しいベスト盤が7月7日に発売されました。
 『鮎川麻弥 パーフェクト・ベスト』のタイトルで20曲収録。1枚ものベスト盤としては、これまでの鮎川麻弥ベストの中で、もっとも多い曲数です。
 「パーフェクト・ベスト」と謳っていますが、最近発表された新曲等は未収録。鮎川さんのデビューから90年代までの歌のあゆみをたどるメモリアル盤的内容です。

 お手ごろ値段なので、鮎川さんの代表曲を聴きたいという方にはおススメの1枚。さらに鮎川麻弥を知りたい!という方は、昨年11月に発売された25周年記念盤『Reply~MAMI AYUKAWA 25th Anniversary Best Album~』をどうぞ!

 特筆すべきはジャケット写真です。若い!(スミマセン) カワイイ! 鮎川さんのアルバムの中でも、とびきりアイドルっぽいジャケットになってます。ファンならジャケ買い必至の1枚ではないでしょうか。あ、もちろん今の鮎川さんもステキですよ~。

鮎川麻弥 パーフェクト・ベスト

 : 鮎川麻弥 パーフェクト・ベスト

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2010年7月 9日 (金)

座して聴け!ささきいさおデビュー50周年記念シングル「風の会話」

 ささきいさおデビュー50周年記念シングル「風の会話」が7月7日に発売されました。

 阿久 悠が遺した詩に鈴木キサブローが作曲、山下康介が編曲した作品。TVアニメ『最強武将伝 三国演義』主題歌としてオンエア中です。阿久 悠の味わい深い詩とささきいさお入魂の歌唱、羽田健太郎が認めた「100点満点の男」山下康介の雄大なアレンジに注目。

 どんどんJ-POP化、キャラソン化が進むアニメソングの流れにあえて異をとなえるかのような、重厚でメッセージ性たっぷりの歌は、最近のアニソンファンにはなじまないかもしれません。しかし、これは50年歌い続けてきた歌手・ささきいさおと40年以上アニメソングを作り続けてきたコロムビアの本気が込められた一作だと思いました。「20年、30年後も歌い続けられる歌に」という作り手の思いの結晶です。プロデューサーに話を聞きに行ったら、「座して聴け!」と言われました(笑)。それだけ力を入れた自信作ということなんですね。

 カップリング曲は、阿久 悠の詩に山下康介が曲をつけたバラード「死ぬほど抱きしめて」。ささきいさおでなければ歌いこなせない難易度の高い歌です。この曲に、『宇宙戦艦ヤマト』でおなじみの川島和子さんがスキャットで参加している。古くからのアニメソング・ファンには格別の感慨がある曲になりました。

風の会話 ささきいさお

 : 風の会話

ささきいさお 45周年記念ベスト 銀河航海誌
 こちらはデビュー45周年時に発売された記念盤。「とにかくこれを聴け!」というおススメ曲を絶妙の構成でまとめたベスト。

 : ささきいさお 45周年記念ベスト 銀河航海誌

2010年7月 7日 (水)

美しく切なくカッコいい!『薄桜鬼』サウンドトラック

 7月7日にもう1枚、私が構成・解説を担当したCDが発売されました。
 TVアニメ『薄桜鬼』オリジナル・サウンドトラックです。

 実は『薄桜鬼』って、この仕事をいただくまで知らなかったのです。もともとは女性向けの恋愛シミュレーションゲームとして発表された作品です。幕末の日本を舞台に、新撰組隊士と行動をともにするようになった1人の少女が奇怪な事件に巻き込まれていくという物語。時代ものの骨格に吸血鬼ものの要素を合体させ、ユニークな和製ダークファンタジーになっています。メインキャラクターである新撰組隊士たちがみんな美形に描かれているのが恋愛シミュレーションゲームならでは。

 TVアニメ版は恋愛シミュレーションの要素を薄くして、伝奇時代劇の色濃く仕上げられています。音楽は、ゲーム版には参加していない大谷 幸さんが担当しました。

 大谷 幸といえば、平成「ガメラ」シリーズやゲーム『ワンダと巨象』の重厚・壮大な音楽が印象的。かと思えば、『灰羽連盟』の心にそっと触れてくるような繊細な音楽も忘れがたい。ほかに、『機動戦士ガンダムW』『金色のガッシュベル!!』『灼眼のシャナ』などの作品がある。最近では、『東京マグネチュード8.0』、そしてこの夏公開予定のアニメ映画『カラフル』の音楽を担当しています。

 『薄桜鬼』では、大谷さんは、「美しく切ない音楽」というリクエストに応えて、BGMとしてのメインテーマを書き下ろしました。サウンドトラックでは4曲目に収録されています。そのメインテーマのさまざまな変奏が『薄桜鬼』音楽の核になっています。

 そして、もう1つの核となっているのが、10人を超えるメインキャラクターそれぞれに与えられたキャラクターテーマ。いわゆるキャラソンでキャラクターの音楽を作る例はありますが、BGMで書き分けるのは珍しい。サントラ盤には、新撰組隊士たちのテーマ全曲を収録しました。それぞれの個性がどのように音楽で表現されているかがお楽しみです。

 「美しく切ない」という依頼でスタートした『薄桜鬼』の音楽。その期待に応えつつも、アクション曲などでは、大谷さんらしいカッコいい音楽もたっぷり聴くことができます。ぜひお聴きください。

薄桜鬼 オリジナル・サウンドトラック~息吹の天~

 : 薄桜鬼 オリジナル・サウンドトラック~息吹の天~

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次はインダストリアル・メタルだ!「FAIRY TAIL」サントラ第2弾!

 TVアニメ『FAIRY TAIL』のオリジナル・サウンドトラックVol.2が7月7日に発売されました。
 音楽は高梨康治さん。第1弾に続き、高梨さん好みのロック・サウンドで染め抜かれた1枚です。私は選曲・構成を担当しました。

 第1弾ではケルト音楽の要素を盛り込んだ「ケルト・メタル」なるジャンルでアニメ音楽ファンをうならせた高梨さん。今回の第2弾に収録された追加録音曲では、工場の機械音やハンマー音などを思わせるサウンドを盛りこんだ、「インダストリアル・メタル」を意識したそうです。
 アルバム3曲目に収録した「邪悪の槌音」などはその代表格。「鉄竜-くろがね-」「獅子の星霊」なども追加録音曲で、ギターの音色などがパワーアップされています。具体的には、ギターを2本鳴らしているのですが、それぞれ異なるギターアンプを通すことで、音色を微妙に変えているんですね。1つの曲になったときに、サウンドがより粒立って聴こえる。こういうこだわりが、楽曲のそこここに盛り込まれています。

 また、「ファンタジア」「楽園の塔」「サタンソウル」など、壮大な雰囲気の楽曲も今後の展開を予感させて楽しめます。

 劇中でミラジェーン(小野涼子)が歌う歌「旅立つ者へ」は本アルバムの目玉の一つ。ナツやグレイが魔法を使うときに使われる30秒ほどの短い楽曲も「魔法発動音楽集」として網羅。ロックあり、泣きあり、ユーモアあり、壮大さもありの聴きどころ満載のアルバムになりました。

 『FAIRY TAIL』のファンの方はもちろん、『ハートキャッチプリキュア!』などで新たに高梨康治サウンドの魅力を知ったアニメ音楽ファンにも広く聴いてほしい1枚です!

FAIRY TAIL オリジナル・サウンドトラック Vol.2
 ジャケットは真島ヒロ描き下ろし!

 : FAIRY TAIL オリジナル・サウンドトラック Vol.2

☆〈WEBアニメスタイル〉の連載「アニメ音楽丸かじり」でも取り上げていただきました!

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2010年7月 5日 (月)

CDと研究本で浮かび上がる渡辺岳夫の世界

 発売から1ヶ月経ってしまいましたが、すべての映像音楽ファンに聴いてほしいCD『作曲家・渡辺岳夫の世界 -アニメ・特撮編-』『同 -ドラマ編-』の2タイトルが6月2日にキングレコードから発売されました。

 1989年に渡辺岳夫が亡くなったとき、コロムビアから追悼盤『渡辺岳夫テレビ映画・アニメ主題歌集』が発売されました。また、キングレコードからは関西テレビ制作によるビデオ『渡辺岳夫の世界』も発売されました。
 それから20年、渡辺岳夫の仕事は忘れられるどころか、常にどこかで作品が流れ続けていました。しかし、熱心なドラマ・アニメ音楽ファン以外には、渡辺岳夫の仕事の全貌が知られているとは言えません。CD4枚とDVD1枚のボリュームで構成された『作曲家・渡辺岳夫の世界』は、多岐にわたる渡辺岳夫の仕事をフカンする、まさに待望の企画です。

 まずは『アニメ・特撮編』。コロムビアの『テレビ映画・アニメ主題歌集』でも代表作が聴けましたが、今回はレーベルの垣根を越え、なかなかまとめて聴くことのできなかった作品が集まりました。おなじみ『巨人の星』『アタックNo.1』『アルプスの少女ハイジ』『キャンディキャンディ』などはもちろんのこと、『家なき子』『無敵超人ザンボット3』『機動戦士ガンダム』などがいっしょに収録されているのは、なかなか見られない光景です。
 貴重な音源としては、ラジオドラマ『鉄人28号』の主題歌や、人形劇『ワン・チュー・スリー作戦』主題歌などを収録。10枚組BOX商品でしか聴けなかった名曲『家なき子』が収録されたのもうれしい。
 『アニメ・特撮編』にはDVDがついていて、代表的なアニメ作品のオープニング映像が収録されています。これも、制作会社・レーベルの枠を超えた快挙でしょう。

 欲をいえば、せっかくのキングレコード発売なので、CD化されていない『若草の四姉妹』や『二十四の瞳』(インストのテーマ曲がレコード化されている)を収録してほしかったところ。これにビクターの『ミュンヘンへの道』『レディ・ジョージィ』が加わったら無敵だったのに……とも思いますが、ないものねだりでしょう。天才的なメロディメーカーだった渡辺岳夫がアニメ・特撮作品に残した珠玉の作品に酔っていただきたいと思います。

 そして、真に貴重な目玉が『ドラマ編』。
 渡辺岳夫邸に資料として渡辺岳夫が保管した大量の音楽テープが残されているという話は、映像音楽研究家の間では語り草になっていました。いつかきちんと整理して、テープが再生不能になる前に商品化したいと…。
 その困難な仕事に挑んだのがこのタイトルなのですね。これこそ日本ドラマ音楽史の至宝、後世に残すべき音源です。
 松本清張原作のドラマ『ゼロの焦点』に始まり、時代劇、刑事ドラマ、少年向けドラマ、サスペンス、ロマンス、そして舞台作品まで。これでも渡辺岳夫の膨大な仕事の一部でしかありませんが、渡辺岳夫が生涯をかけて彫琢した「劇音楽」の世界を知ることができる作品群です。
 キングレコード発売ということで、キングからレコードが発売されていた『新選組血風録』『沙羅の門』『人形佐七捕物帳(松方弘樹版)』『くたばれ!かあちゃん』はレコードサイズ主題歌を収録。特に『沙羅の門』『くたばれ!かあちゃん』は初CD化です。
 また、渡辺岳夫ドラマ主題歌の中でも極めつけの名曲『大いなる旅路』はポリドールから借りて小椋佳のオリジナルを収録。ほかにも、「これぞ岳夫節!」という名旋律を堪能することができます。

 こちらも惜しいのは、収録からもれた代表作があることや、『白い巨塔』が中途半端な収録になってしまったこと。それでも、貴重な作品集であることに変わりはありません。

 『ドラマ編』の終盤には、『ガンダム』以降の渡辺岳夫が没頭した舞台劇の音楽が収められています。いずれも、正規盤では初公開となる音源です。これらを聴くと、渡辺岳夫がほんとうに描きたかったのは、映像とか生の舞台とかの違いを超えて、いつも「人間」だったのだなぁと思います。

 最後の曲は、ビデオ『渡辺岳夫の世界』にも収録された「南太平洋の想い出」。岳夫節の真髄ともいうべきメロディがラストに聴こえてきます。

 CD2タイトルと連動して、初の渡辺岳夫研究本『作曲家・渡辺岳夫の肖像』も6月16日に発売されました。渡辺岳夫の生涯と仕事を、ゆかりの人々へのインタビューを通して浮かび上がらせた労作です。
 CDのほうでは、作品紹介や楽曲解説は割愛されていますので、ぜひCDとともに本をひもといて、渡辺岳夫の世界にひたってみてください。渡辺岳夫が残した音楽は永遠です。

One Man's Music -作曲家 渡辺岳夫の世界-アニメ 特撮編-
 CD2枚+DVDに全36曲(CD)+19曲(DVD)収録。

 : 作曲家 渡辺岳夫の世界-アニメ 特撮編-

One Man's Music -作曲家 渡辺岳夫の世界-ドラマ編-
 CD2枚に全45曲収録。

 : 作曲家 渡辺岳夫の世界-ドラマ編-

作曲家・渡辺岳夫の肖像 -ハイジ、ガンダムの音楽を作った男-
 田中公平らも寄稿。貴重な写真や名曲紹介も。

 : 作曲家・渡辺岳夫の肖像 ハイジ

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