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2012年5月15日 (火)

映像音楽の可能性「奏楽堂の響き4」

 5月6日に上野の旧東京音楽学校奏楽堂で開催された「吹奏楽による奏楽堂の響き4」に足を運びました。
 ほかではなかなか聴く機会のないプログラムを堪能するとともに、映像音楽の可能性についていろいろ考えさせられたコンサートでした。

 毎回、意表をついた選曲にうならされる「奏楽堂の響き」ですが、4回目になって、ますますマニアックな領域に入っている気がします。
 4部構成で、1部が「日本のテレビ・ラジオ音楽」。日本テレビの放送開始・終了時に流れる「鳩の休日」の音楽をはじめ、毎日放送オープニング、クロージングの曲(作曲:池辺晋一郎)、「FNNニューステーマ」(たかしまあきひこ)、「NNNニューステーマ」(黛敏郎)など、耳なじみは抜群だけど「コンサートでこんな曲を!」と思わせるような曲ばかりが登場。
 続く2部は「3人の会の仕事」と題して、黛敏郎、芥川也寸志、團伊玖麿の仕事を紹介。ここは「奏楽堂の響き」らしいコーナーですが、選曲は映画『栄光への5000キロ』(黛)、ミュージカル『みつばちマーヤ』より「みつばちマーチ」(芥川)、天理教真柱御成婚記念として作曲された『おやさと大行進曲』(團)など、やはりマニアック。
 第3部は「現代の作曲家達」として、三善晃が70年万博の開会式のために書いた『祝典序曲』、そして恒例の若手作曲家への委嘱作品として鹿野草平作曲「ファイヴ・コンビネーション」。
 第4部は「北海道の作曲家」というくくりで、伊福部昭と佐藤勝の作品を紹介するという構成。

 今回は、映像作品や公演・イベント用に作曲された作品が中心でしたが、演奏のみでもイマジネーションが広がります。日常ならざるテーマを与えられたときに作曲家が想像をはばたかせて音楽に結実させる。そこに映像音楽ならではの魅力・パワーが宿るのではないか、とあらためて思わせてくれるような演奏会でした。
 同時に、こうした作品を聴こうと思うと、もう音源発掘⇒CD化という手段では限界があり、今回のような演奏会という形で発表することも考えていかないといけないのかなぁ…と思ったことでした。
 もちろん、楽譜も残っていない作品も多く、コンサート用にスコアを起こす手間やコストもかかります。
 けれども、なんらかの形で発表する機会を持たない限り、音楽作品は忘れられていく。聴かれることのない音楽は死んでいるのと同じです。「今」聴いてもらってこそ、価値があるわけです。
 こうしたコンサートの開催が増えることを祈ると同時に、「自分もできる限りのことをやっていかなければ…」、そんなふうに思った夜でした。

☆<日本の作曲家専門レーベル スリーシェルズ
 過去に開催された「奏楽堂の響き」のライブCDを購入することができます。

 

日本の作曲家と吹奏楽の世界
 今回の指揮・音楽監督:福田 滋氏の編著による作曲家名鑑。映像音楽の作曲家も多く取り上げられている。

  : 日本の作曲家と吹奏楽の世界

<「奏楽堂の響き4」 Set List>
●開演の音楽

  • 映画『天地創造』より「間奏曲」(黛敏郎)

●特集1 《日本のテレビ・ラジオ音楽》

  • 「全国放送開始」「都市放送開始」(信時 潔)
  • 日本テレビ「鳩の休日」テーマ(深井史郎)
  • 「MBS毎日放送オープニング、クロージング音楽」(池辺晋一郎)
  • 「FNNニューステーマ」(たかしまあきひこ)
  • 「NNNニューステーマ」(黛 敏郎)

●特集2 《3人の会の仕事》

  • 映画『栄光への5000キロ』より「メインタイトル」(黛 敏郎)
  • ミュージカル『みつばちマーヤ』より「みつばちマーチ」(芥川也寸志)
  • 「おやさと行進曲」(團 伊玖麿)
  • 映画音楽組曲「八甲田山」

●特集3 《現代の作曲家達》

  • 「祝典序曲」(三善 晃)
  • 「ファイヴ・コンビネーション」(鹿野草平)

●特集4 《北海道の作曲家》

  • 「北海道賛歌」(伊福部昭) バリトン独唱:佐藤光政
  • 交響組曲「札幌オリンピック」(佐藤 勝)
  • 映画『わんぱく王子の大蛇退治』より「アメノウズメの舞」(伊福部 昭)

指揮:福田 滋
リベラ・ウインド・シンフォニー

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