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2012年10月18日 (木)

東京芸術劇場で聴く宮川ヤマト

 10月16日、東京芸術劇場コンサートホールで開催された「宮川彬良と大阪市音楽団」に足を運びました。

 宮川彬良さんがピアノと指揮で大阪市音楽団と共演するコンサート。演目には『「宇宙戦艦ヤマト」宮川音楽の勉強会』というプログラムが含まれており、このコンサートの目玉のひとつでした。
 彬良さんの言葉で思い出したのですが、東京芸術劇場は宮川 泰先生が亡くなった直後に、彬良さんの指揮による『宇宙戦艦ヤマト』のコンサートが開催された場所なのですよ。宮川先生の葬儀のようすと共に、そのことを思い出しました。告別式とコンサートが前後していて、奇しくも宮川先生追悼コンサートのような趣だったのを覚えています。

 そんな思い出のホールでのコンサート。といっても、東京芸術劇場が大改装されて当時のようすとは少し違っています。実は久しぶりに足を運んだのでリニューアルされていたことを知らなくて(9月にリニューアルオープンしたばかり)、ロビーやエスカレーターやホールのようすが変わったことに驚きました。昔はちょっととんがった現代建築みたいな趣でしたが、落ち着いた、とてもいい感じに改装されています。

 さて、『「宇宙戦艦ヤマト」宮川音楽の勉強会』、彬良さんが『宇宙戦艦ヤマト2199』の音楽を担当中ということもあり、オリジナル版『宇宙戦艦ヤマト』のスコアとサウンドの研究にもとずく興味深い内容でした。
 「ヤマトは意外とロックである」のコーナーで、ロックテイストあふれる「探索艇」と、実はリズム隊がロックっぽい伴奏をしている「無限に広がる大宇宙」を演奏。
 「ふりそそぐプロデューサーの無理難題」のコーナーでは、「艦隊集結」「美しい大海をわたる」「ワープ」がいかに工夫のもとに書かれたかを演奏しながら解説。「ベン・ハー」や「虹のかなたに」との類似はファンの間ではよく知られたことですが、コンサートホールでその種明かしをしてしまうのが、息子だからこそ許される、という感じです。たしか、BGMのマスターテープには宮川泰先生の声で「次はベン・ハー・ヤマト」とか言ってる声がちゃんと入っているんですよ。だから別に秘密にすることでもなかったんでしょう。ヤマトファンにも、そうでないお客さんにも興味深く聴けるプログラムだったと思います。

 そんな裏話は別にしても、『宇宙戦艦ヤマト』の交響組曲版ではないオリジナルBGMの演奏が聴けるというのが、やはり楽しいわけです。編成はストリングスが入らない吹奏楽団ですが、実にうまくアレンジしてました。オリジナルよりややテンポが遅いんですが、弦楽器と違って「息継ぎ」が必要な管楽器は、そこはしかたがない。むしろ楽曲の細部がよくわかって味わいがあります。
 大阪市音楽団という歴史ある楽団のアンサンブルの実力、また、一人一人がソロでもアピールできる個性の強さが印象的でした。大阪だからこそなのかもしれませんが、「お客さんを楽しませよう」という強い意志が感じられます。客席もそんな大阪市音楽団を自然と応援したくなる。だからこそ、楽団員のパフォーマンスつき「ゲバゲバ90分」がキワモノでなく、エンターテインメントとして感動的に聴けるわけです。オーケストラと客席との心のつながり、一体感が生まれるのです。

 第2部は彬良さん作曲によるバレエ音楽「欲望という名の電車」。1時間におよぶ力演でした。
 アンコールの「マツケンサンバII」「ファイブ・サックス・コンチェルト(見上げてごらん夜の星を」までたっぷり楽しませて、笑顔で手を振りながらステージを去る楽団員の姿に拍手が鳴りやみませんでした。楽団員が全員はけるまで拍手が続くコンサートというのも珍しい。いろいろと厳しい状況の大阪市音楽団ですが、がんばってほしいと思います。

<Set List>
第1部

○「宇宙戦艦ヤマト」宮川音楽の勉強会(宮川泰)
・組曲「宇宙戦艦ヤマト」
 <序曲~宇宙戦艦ヤマト~出撃~大いなる愛>
・探索艇
・無限に広がる大宇宙
・艦隊集結
・美しい大海をわたる
・ワープ
・地球を飛び立つヤマト
・コスモタイガー 2199 ver.

○クレージーキャッツメドレー(萩原哲晶)

○ゲバゲバ90分(宮川泰)

第2部
○バレエ音楽「欲望という名の電車」(宮川彬良)
I.鏡~回想
II.街
III.孤独
IV.博奕
V.少年
VI.愛欲
VII.迷宮
VIII.幻

○アンコール
・マツケンサンバII
・ファイブ・サックス・コンチェルト

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