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2017年11月25日 (土)

『ペリーヌ物語』~鶴ひろみさんの思い出に

 11月16日に急逝した鶴ひろみさんの訃報。深い衝撃と哀しみに茫然としました。

 鶴ひろみさんといえば、1978年に放送された『ペリーヌ物語』です。1月1日から12月31日まで1週も休まずに全53話を放送した今では考えられないTVシリーズでしたが、その話数を使ってじっくり描かれたドラマが心に残る作品でした。同時期(1977年10月~1978年10月)に同じマロ原作のTVアニメ『家なき子』を放送していましたが、対照的な作風の作品ながら、どちらも大好きでした。

 ペリーヌ役の鶴ひろみさんは子役出身でアニメの仕事はこれが初めて。番組スタート時は17歳の高校生。放送中に18歳になった鶴ひろみさんの、大人の声優とは違う生々しい肉体性と瑞々しさを感じさせる芝居が新鮮でした。

 『ペリーヌ物語』の前半はお母さんとロバのパリカールと一緒に旅をする話。しかし、前半のエピソードはアニメのオリジナルで、原作(『家なき娘』)はペリーヌがパリに着いてお母さんが亡くなるところから始まります。
 ペリーヌはとある事情から素性を隠して祖父が経営するマロクールの工場で働き始めます。実はそこからが『ペリーヌ物語』の真骨頂で、原作でもそうですが、子ども向け作品とは思えない心理劇のような展開になっていくわけです。

 放送当時は、この後半が前半に比べて地味だと思っていましたが、後年見直すと、ぐいぐい引き込まれます。宮崎晃の脚本がすばらしく、さりげない言葉や芝居でキャラクターの心情を伝える作劇がみごとです(まさに『家なき子』と対照的)。
 長い話数を生かして周到な伏線を引いてあり、それが収束する第49話「幸せの涙が流れる時」の緊張感とカタルシスは筆舌に尽くしがたいものがありました。ほかのアニメでは味わったことのない感動です。

 その感動も鶴ひろみさんや祖父役・巖金四郎さんのリアリティのある芝居あってのものでした。
 鶴ひろみさんのペリーヌは本当に等身大の少女が演じているような、少年少女向けの実写ドラマを観るような実在感があって、はらはらしたりドキドキしたりしながら、応援せずにはいられない。同世代の子がテレビに出ているような親近感がありました。

 10年前『ペリーヌ物語』の完全版音楽集を作るチャンスをいただきました。大好きな渡辺岳夫の音楽、大好きな作品なので、心して作りました。心残りは鶴ひろみさんに会えなかったこと。インタビューすればよかったなぁ…。

 私の中でペリーヌと鶴ひろみさんのイメージは一体で、俳優さんが亡くなったというより、同級生の、少年時代好きだった女の子が亡くなったような、衝撃と喪失感があります。

 今、東京MXで『ペリーヌ物語』を放送しています。2クール目に入ってちょうどフランスに到着するあたり。今から観ても間に合うので、ちゃんと観たことがないという方もぜひ観てほしいと思います。

 鶴ひろみさんに感謝と哀悼の意を込めて。

ドキンちゃん声優・鶴ひろみさん急死 (産経ニュース)

世界名作劇場 メモリアル音楽館 ペリーヌ物語

 : アルバム・ジャケット

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