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2018年12月31日 (月)

永遠の藤田淑子さん

 一休さん、堀口元気、キテレツなど、数々の人気キャラクターを演じ、「ねえ!ムーミン」「どろろの歌」などのアニメソングを歌った声優・歌手の藤田淑子さんが12月28日に亡くなりました。68歳でした。

 本当に残念です。
 心より哀悼の意を表します。

 私が5歳の頃、大好きで毎週観ていたTVアニメが『遊星仮面』でした。マントに仮面という「遊星仮面」のまねをして遊んだ記憶があります。
 その主人公、ピーターの声を演じていたのが藤田淑子さんでした。

 続いて藤田淑子さんの声に触れたのは、『キングコング』(1967)、『ムーミン』(1969)。
「ねえ!ムーミン」(別タイトル「ムーミンのうた」)のやさしく語りかけるような歌声は子ども心に印象的で、母親ぐらいの歳の女性が歌っているんだろうなと思っていました。

 しかし、藤田淑子さんは1950年生まれだそうなので、1969年放送開始の『ムーミン』のときは19歳だったのです(!)。

 少女時代から子役として活躍していた藤田淑子さんの声優デビューは、かの長浜忠夫監督が演出した人形劇『伊賀の影丸』(1963)の主人公・影丸役。なんと13歳でした。

 主人公を演じた『遊星少年パピィ』『遊星仮面』『キングコング』『(劇場版)アンデルセン物語』『長靴をはいた猫』なども、みんな10代のときだったわけですから、おそるべき天才というほかありません。

 1969年~1970年にかけては歌謡曲歌手としても活躍。
 藤田とし子の名で「もしもなれたら(小唄ロック)」「おしゃべりもギターも恋も」「八月のふたり」などのシングル盤を発売しています。
 「八月のふたり」はアメリカ映画『ナタリーの朝』の日本版主題歌として発売されたもので、ヘンリー・マンシーニの作曲でした。
 この頃の歌謡曲はCD「アイドル?ミラクルバイブルシリーズ 6970 Girls」(ソニーミュージック)にまとめられています。
 三沢郷作・編曲の「愛しても愛しても」なんかは、アニメソングの印象とはまるで異なる大人びた歌で驚きます。

 そして、『ウルトラマンタロウ』(1973)の挿入歌「ウルトラの母のバラード」を歌った時は23歳!
 キングレコードのLP「ウルトラマン大百科」で初めてこの歌をフルサイズで聴いたときは感動しました。
 ウルトラ戦士の名を歌い込んだ歌詞に冬木透先生スケール豊かで胸に沁みるメロディ。そして、藤田淑子さんの慈愛に満ちた歌声。何度聴いてもうっとりしてしまいます。
 劇中でウルトラの母(の人間体)を演じたペギー葉山さんも「ウルトラの母のバラード」をカヴァーしていますが、「母の愛」にあふれるペギー葉山版に対し、藤田淑子さんの歌唱は性別を超えた正義感と愛情を感じさせて、ウルトラマンシリーズにふさわしい味わいがあると思うのです。

 以降の声優としての藤田淑子さんの活躍はいわずもがな。
 『一休さん』(1975-1982)の一休、『がんばれ元気』(1980)の元気、『キテレツ大百科』(1987-1996)のキテレツ、『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』(1991)のダイ、『デジモンアドベンチャー』(1999-2000)の八神太一など、実に1960年代から2000年代まで主役を演じている。これもすごいことです。

 藤田さんの演じるキャラクターは、賢くて正義感に富み、思いやりのあるしっかりもののイメージがあります。
 アニメでは少年役が多かったですが、『キャッツ・アイ』の三姉妹の長女・来生泪や『スペースコブラ』のジェーン・ロイヤル(劇場版ではキャサリン役)など、大人の雰囲気のを漂わす美女役もはまりました。ご本人も美しい方でした。

 洋画吹き替えではゴールディ・ホーンなど、アクティブで茶目っ気のある女優を担当することが多く、これもよかった。

 歌手としては、『一休さん』エンディング主題歌「ははうえさま」、『まんが日本絵巻』主題歌、主役も演じた『ベムベムハンター こてんぐテン丸』主題歌、『キテレツ大百科』『ロミオと青い空』『デジモンアドベンチャー』の挿入歌(キャラソン)など、自身が出演する作品で歌われることが多く、こちらも2000年代まで新曲を発表しています。

 そんな藤田淑子さんの集大成とも呼べるのが、『ロミオの青い空』(1995)のアルフレド役ではないでしょうか。
 理想的な「いい子」の枠にはまらない、内に悲しみをたたえた複雑なキャラクターを繊細に演じ、世界名作劇場屈指の名キャラクター、人気キャラクターになりました。

 藤田淑子さんの訃報を聞いたとき、『ロミオと青い空』第29話「永遠のアルフレド」のアルフレドとロミオの別れの場面が思い出されました。

 「ごめんよ、僕はもう、大人にはなれないんだ…。明日から僕が見られなかったものを君が見てくれ。叶えられなかった夢を君が…」

 藤田淑子さんが命を吹き込んだキャラクター、そして今も耳に残る歌の数々、忘れません。

 ありがとうございました。

 どうぞ安らかに。

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声優の藤田淑子さんが死去 (産経ニュース)

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