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2015年8月27日 (木)

アニメソング創世記の証言「鉄腕アトムの歌が聞こえる」

 元朝日ソノラマの橋本一郎さんの著書『鉄腕アトムの歌が聞こえる』が8月6日に少年画報社より発売されました。

 橋本さんは朝日ソノラマでアニメソング(当時はテレビまんが主題歌と言った)のソノシートを初めて企画し、大ヒットに導いた方。いわば、アニメソング創世記の生き証人です。
 阿佐ヶ谷ロフトで開催しているトークイベント《SOUNDTRACK QUEST》のゲストにも来ていただいたことがありました。

 『鉄腕アトムの歌が聞こえる』は手塚治虫の評伝のような体をしていますが、その実は、橋本さんの半生記のような著書。『鉄腕アトム』に始まるテレビまんがソノシート制作秘話や、新書版サイズのマンガ・アーカイヴの草分けとなったサンコミックス創設のエピソードなど、アニメファン、マンガファンに興味深い話が次々と登場します。

 アニメ・特撮ファンにとっては、やはり、『鉄腕アトム』『鉄人28号』『エイトマン』『狼少年ケン』『ジャングル大帝』『マグマ大使』『ウルトラQ』『ウルトラマン』『オバケのQ太郎』などの60年代のテレビまんが主題歌とソノシート制作秘話が面白い。これまでのレコード中心のアニメソング史で語られてこなかった貴重な証言が活字になったことがうれしいです。

 テレビまんが主題歌創世記ってどんな風だったの?と興味を持たれた方は、ぜひ読んでみてください。

鉄腕アトムの歌が聞こえる

 : アルバム・ジャケット

2015年1月 8日 (木)

「宇宙船」渡辺宙明インタビュー

 今発売中の「宇宙船」147号に載っている荒川稔久さんの渡辺宙明先生インタビューがなかなかすばらしいです(豊田朋久さんによる構成)。
 インタビューとなっていますが、実質的に荒川さんと宙明先生の対談です。

 渡辺宙明先生と同郷で、大の宙明先生ファンでもある荒川さんならではのマニアックなネタ(名古屋話や童謡のアレンジの話)、『サザエさん』などあまりとりあげられない作品への言及、脚本家ならではの「言葉」に着目した宙明節分析に思わずうなってしまいました。

 荒川さんには昨年11月に開催した「渡辺宙明トークライブ7」にも少しだけ出演していただきましたが、そのとき話していただいた「宙明先生の歌詞へのメロディのつけ方の特徴」の分析がちゃんと文章になっていてうれしい。

 もちろん、荒川さん作詞の「テイルオン!ツインテイルズ」(「俺、ツインテールになります。」挿入歌)と「宇宙刑事NEXT GENERATION」のお話も登場。
 宙明愛あふれるよい記事でした。

 インタビューの中で荒川さんが「栄光の彼方へ」(「野球狂の詩」後期ED)は詞先だったのでは?と発言されて、宙明先生が「詞先かもしれませんね」と答えているのですが、これは荒川さんの推察通り詞先です。
 宙明先生、お忘れになっているようですが、1979年に徳間書店から発売された「アニメソング・ヒット全集3」という本の中で、宙明先生自らこの曲を取り上げて、橋本淳の詞にどうやってメロディをつけていったのか克明に解説されているのですね。
 荒川さん、さすがです。

宇宙船 vol.147

 : アルバム・ジャケット

2013年5月26日 (日)

ウルトラセブンが「音楽」を教えてくれた

 4月25日に発売された青山通著『ウルトラセブンが「音楽」を教えてくれた』(アルテスパブリッシング)、『ウルトラセブン』の音楽についてこれまでにない視点から考察した好著です。

 この発売を記念して、5月25日に原宿のブックカフェ<ビブリオテック>で「冬木 透×青山 通トークショー」が開催されました。

 80人入る会場は満席。「ウルトラセブンの音楽」という限定されたテーマに絞ったことで、非常に興味深い、探究心にあふれた充実の内容になりました。

 最終回で使われたかもしれないグリークのピアノ協奏曲や、シューマンのピアノ協奏曲の別の演奏の聴き比べ、冬木先生の蒔田尚昊名義の作品の紹介など、サントラだけ聴いていたらなかなか目が届かないところがフォローされていたのもよかったです。

 そして、「なぜこの場面にシューマンのピアノ協奏曲を、それもほかのどの演奏でもなく、カラヤン+リパッティ盤を選んだのか」、その理由を冬木先生が明確に論理的に答えられたのが印象的でした。
 思えば、冬木先生が『ウルトラセブン』の音楽の「作曲」について語られることはあっても、「選曲」について語られる機会はあまりなかったと思います。同時に、音楽の「演奏」ということについて、サントラファンももっと関心を持つべきだなと考えされられました。同じ曲でも演奏によってニュアンスは異なってしまう。本来、シーンごとに最適な演奏があるべきなのです。

 また、ファンに人気の高い「フルートとピアノのための協奏曲」についての話も興味深かったです。この曲は実相寺昭雄監督のエピソード「円盤が来た」のために発注された音楽で、ルネ・クレール監督の映画『夜ごとの美女』のジョルジュ・ヴァン・パリスによるテーマ音楽が引用されています。「円盤が来た」のシナリオ原題は「夜ごとの円盤」。つまり、もともとが「夜ごとの美女」を下敷きにしたお話で、『夜ごとの美女』のテーマ音楽が引用されているのもそのためです。
 そして、冬木先生自身もこの映画のファンで、公開時に何度も劇場で観ていたために、テーマ音楽はまるごと覚えていたとのこと。サントラ盤もビデオもDVDもない時代に、冬木先生は記憶だけであのテーマ曲を再現したわけですね。

 蒔田尚昊作品の紹介では、オルガンによる「黙示録のためのモテット」、讃美歌「ガリラヤの風かおる丘で」ほかを聴くことができました。特に、先にタイトルを挙げた2曲ははじめて聴く音源。現代音楽風の「黙示録のためのモテット」、どこか「ゾフィーのバラード」を連想させる「ガリラヤの風かおる丘で」、曲想は違えど、どちらも冬木先生らしい作品で、ウルトラシリーズの音楽と共通する香りがあるのが印象的でした。

ウルトラセブンが「音楽」を教えてくれた

 : 書影

2012年3月14日 (水)

映画「ももへの手紙」、窪田ミナインタビュー

 発売中の月刊『Newtype』4月号(角川書店)の映画『ももへの手紙』のページに音楽を担当した窪田ミナさんのインタビューが掲載されています。

 『ももへの手紙』は『人狼 JIN-ROH』の沖浦啓之監督が手がけたアニメーション映画。異界のものと人間が交流する物語は窪田ミナさんにぴったりな気がします。どんな音楽に仕上がっているか、今から楽しみです。

Newtype 2012年4月号

 : Newtype 2012年4月号

☆「ももへの手紙 オリジナル・サウンドトラック」は4月25日発売!

2011年11月 8日 (火)

佐藤直紀「BLOOD-C」の音楽を語る

 10月27日発売のビジュアルムック『BLOOD-C OFFICIAL COMPLETE BOOK 胎動』にライターとして参加しました。音楽・佐藤直紀さんのインタビューを担当しています。

 佐藤直紀さんとは、2月に『プリキュアオールスターズDX3』の取材でお会いして以来。近年は映画を中心に活躍している佐藤さん、『BLOOD-C』は久しぶりのTVアニメの音楽になります。どんな思いで『BLOOD-C』に参加したのか、音楽づくりの舞台裏などをうかがいました。

 充実したスタッフ&キャスト・インタビューに加え、設定画等のビジュアルも豊富な1冊。主役の水樹奈々さんのグラビアもあります。書店で見かけたら、手にとってみてください。

BLOOD-C OFFICIAL COMPLETE BOOK 胎動

 : BLOOD-C OFFICIAL COMPLETE BOOK 胎動

2010年9月 8日 (水)

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」全記録全集

 2009年に公開された劇場アニメ『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』の全記録全集が発売されました。

 2冊構成で、BOOK1には、全カット&台詞を収録した「FILMSTORY」と音楽キューシート、追加台本集などを、BOOK2には、設定資料集とスタッフインタビュー、宣伝素材集などを収録。A4版×2冊で650ページ以上のボリューム。貞本義行の描きおろし「綴込ポスター」2点付。初版限定特典は、画コンテ集と劇場上映生フィルムコマです。

 「序」に続き、今回も音楽・鷺巣詩郎さんのインタビューのお手伝いをさせていただきました(メイン取材・執筆は氷川竜介さん)。
 音楽ファンには、インタビューとともに、キューシートも興味深いと思います。キューシートとは、映像のどのカットにどんな曲をつけるか指示したもの。音楽設計の要となるものです。このキューシートをもとにどんな曲が作られていったのか、サントラ盤を聴きながらひもといていくのも興味深いでしょう。

 1万円を超える高額商品ではありますが、内容、ボリュームからすれば、むしろお買い得感のある大著。アニメ創りの秘密に近づきたいと思う方はぜひお手元に。

 カラーのサイトで、立ち読みができます。
 ⇒『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 全記録全集』立ち読みページ開設

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 全記録全集

 : ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 全記録全集

★サントラ盤も発売中

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 オリジナルサウンドトラック SPECIAL EDITION [Limited Edition]

 : ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 オリジナルサウンドトラック SPECIAL EDITION

2010年7月 5日 (月)

CDと研究本で浮かび上がる渡辺岳夫の世界

 発売から1ヶ月経ってしまいましたが、すべての映像音楽ファンに聴いてほしいCD『作曲家・渡辺岳夫の世界 -アニメ・特撮編-』『同 -ドラマ編-』の2タイトルが6月2日にキングレコードから発売されました。

 1989年に渡辺岳夫が亡くなったとき、コロムビアから追悼盤『渡辺岳夫テレビ映画・アニメ主題歌集』が発売されました。また、キングレコードからは関西テレビ制作によるビデオ『渡辺岳夫の世界』も発売されました。
 それから20年、渡辺岳夫の仕事は忘れられるどころか、常にどこかで作品が流れ続けていました。しかし、熱心なドラマ・アニメ音楽ファン以外には、渡辺岳夫の仕事の全貌が知られているとは言えません。CD4枚とDVD1枚のボリュームで構成された『作曲家・渡辺岳夫の世界』は、多岐にわたる渡辺岳夫の仕事をフカンする、まさに待望の企画です。

 まずは『アニメ・特撮編』。コロムビアの『テレビ映画・アニメ主題歌集』でも代表作が聴けましたが、今回はレーベルの垣根を越え、なかなかまとめて聴くことのできなかった作品が集まりました。おなじみ『巨人の星』『アタックNo.1』『アルプスの少女ハイジ』『キャンディキャンディ』などはもちろんのこと、『家なき子』『無敵超人ザンボット3』『機動戦士ガンダム』などがいっしょに収録されているのは、なかなか見られない光景です。
 貴重な音源としては、ラジオドラマ『鉄人28号』の主題歌や、人形劇『ワン・チュー・スリー作戦』主題歌などを収録。10枚組BOX商品でしか聴けなかった名曲『家なき子』が収録されたのもうれしい。
 『アニメ・特撮編』にはDVDがついていて、代表的なアニメ作品のオープニング映像が収録されています。これも、制作会社・レーベルの枠を超えた快挙でしょう。

 欲をいえば、せっかくのキングレコード発売なので、CD化されていない『若草の四姉妹』や『二十四の瞳』(インストのテーマ曲がレコード化されている)を収録してほしかったところ。これにビクターの『ミュンヘンへの道』『レディ・ジョージィ』が加わったら無敵だったのに……とも思いますが、ないものねだりでしょう。天才的なメロディメーカーだった渡辺岳夫がアニメ・特撮作品に残した珠玉の作品に酔っていただきたいと思います。

 そして、真に貴重な目玉が『ドラマ編』。
 渡辺岳夫邸に資料として渡辺岳夫が保管した大量の音楽テープが残されているという話は、映像音楽研究家の間では語り草になっていました。いつかきちんと整理して、テープが再生不能になる前に商品化したいと…。
 その困難な仕事に挑んだのがこのタイトルなのですね。これこそ日本ドラマ音楽史の至宝、後世に残すべき音源です。
 松本清張原作のドラマ『ゼロの焦点』に始まり、時代劇、刑事ドラマ、少年向けドラマ、サスペンス、ロマンス、そして舞台作品まで。これでも渡辺岳夫の膨大な仕事の一部でしかありませんが、渡辺岳夫が生涯をかけて彫琢した「劇音楽」の世界を知ることができる作品群です。
 キングレコード発売ということで、キングからレコードが発売されていた『新選組血風録』『沙羅の門』『人形佐七捕物帳(松方弘樹版)』『くたばれ!かあちゃん』はレコードサイズ主題歌を収録。特に『沙羅の門』『くたばれ!かあちゃん』は初CD化です。
 また、渡辺岳夫ドラマ主題歌の中でも極めつけの名曲『大いなる旅路』はポリドールから借りて小椋佳のオリジナルを収録。ほかにも、「これぞ岳夫節!」という名旋律を堪能することができます。

 こちらも惜しいのは、収録からもれた代表作があることや、『白い巨塔』が中途半端な収録になってしまったこと。それでも、貴重な作品集であることに変わりはありません。

 『ドラマ編』の終盤には、『ガンダム』以降の渡辺岳夫が没頭した舞台劇の音楽が収められています。いずれも、正規盤では初公開となる音源です。これらを聴くと、渡辺岳夫がほんとうに描きたかったのは、映像とか生の舞台とかの違いを超えて、いつも「人間」だったのだなぁと思います。

 最後の曲は、ビデオ『渡辺岳夫の世界』にも収録された「南太平洋の想い出」。岳夫節の真髄ともいうべきメロディがラストに聴こえてきます。

 CD2タイトルと連動して、初の渡辺岳夫研究本『作曲家・渡辺岳夫の肖像』も6月16日に発売されました。渡辺岳夫の生涯と仕事を、ゆかりの人々へのインタビューを通して浮かび上がらせた労作です。
 CDのほうでは、作品紹介や楽曲解説は割愛されていますので、ぜひCDとともに本をひもといて、渡辺岳夫の世界にひたってみてください。渡辺岳夫が残した音楽は永遠です。

One Man's Music -作曲家 渡辺岳夫の世界-アニメ 特撮編-
 CD2枚+DVDに全36曲(CD)+19曲(DVD)収録。

 : 作曲家 渡辺岳夫の世界-アニメ 特撮編-

One Man's Music -作曲家 渡辺岳夫の世界-ドラマ編-
 CD2枚に全45曲収録。

 : 作曲家 渡辺岳夫の世界-ドラマ編-

作曲家・渡辺岳夫の肖像 -ハイジ、ガンダムの音楽を作った男-
 田中公平らも寄稿。貴重な写真や名曲紹介も。

 : 作曲家・渡辺岳夫の肖像 ハイジ

2009年8月19日 (水)

ピクサー 強さの秘密 「メイキング・オブ・ピクサー」

 ピクサーの創立から快進撃にいたるまでを綴った本『メイキング・オブ・ピクサー』(早川書房)を読みました。

 ピクサー・アニメーション・スタジオの創立から、CGアニメづくりの苦闘、映画『トイ・ストーリー』のヒット、その後の快進撃まで、豊富な証言とエピソードでつづったドキュメントです。

 ピクサーの歴史は、CGアニメを作るための専用のハードとソフトを作るところからスタートしました。アップルやHPのように、ガレージのコンピュータ作りから始まったというところが、最初から「CGアニメ」を志向したピクサーならでは、です。当時はCGの黎明期で、コンピュータ・グラフィックスだけで1本の映画を作るなど夢のまた夢と思われていました。ピクサーは、「CGアニメ映画」実現のために、技術的な課題を一つずつクリアするところから始めたわけです。CGアニメ創世記のフィルム作りは技術開発と一体だったんですね。その技術が映画『スターウォーズ』や『スタートレック』などのCG映像に生かされたというのは、特撮ファンにも注目の裏話です。

 また、スティーブ・ジョブスがなぜピクサーを買ったのか不思議だったんですが、「映像処理に特化したコンピューター(ハード)とソフトのメーカーだと思っていた」というのが笑えます(でも、結果的にジョブスがピクサーを守ることになった)。

 ピクサーのすごいところは、技術だけで満足しなかったところ。あくまで目標は「アニメ映画づくり」にありました。物語づくり、キャラクター描写の弱さを補うためにさまざまな才能が集まってくる。その1人が、ラセターでした。このあたり、60年代の円谷プロみたいで読んでいてワクワクするところです。ディズニーに認められなかったラセターが、技術的にも工業的にもディズニーを超える作品を作り上げるドラマティックな展開は感動的です。

 ピクサーのロゴにもなっているスタンドランプのキャラクター(名前はルクソー・ジュニア)誕生秘話も楽しい。

 読み終えて、技術開発とエンターテイメントの追求、2つの志向が融合しているのがピクサーの強さなのだなぁと思いました。「コンピュータが作る」と思われているCGも、実はアニメーター次第で命が吹き込まれる(“アニメーション”の語源そのままに)。まだまだCGアニメの可能性はあるようです。

 ピクサーというユニークなスタジオが生まれた背景、ピクサーが映画界にもたらしたもの、そして、ピクサー作品の面白さの秘密など、興味が尽きない内容の1冊。ピクサーファンならずとも、映画ファン、アニメファンならぜひ読んでおいてほしい本です。ピクサーの技術と歴史が詰まったDVD『ピクサー・ショート・フィルム』も、ぜひあわせてご覧ください。

メイキング・オブ・ピクサー~創造力をつくった人々
 

 : メイキング・オブ・ピクサー

ピクサー・ショート・フィルム&ピクサー・ストーリー 完全保存版 [DVD]
 劇場で長編作品の前に必ず上映されているピクサーの短編アニメを集めたDVD。ピクサーの草創期から現在に至るまでの歩みを関係者の証言で綴るドキュメンタリー「ピクサー・ストーリー~スタジオの軌跡」を同梱。

 : ピクサー・ショート・フィルム&ピクサー・ストーリー

ディズニー・ピクサー・グレイテスト
 『トイ・ストーリー』から『ウォーリー』まで、ピクサー作品の主題歌・サウンドトラックを集めた音楽集。1作ずつサントラ盤をそろえるのは大変だが、この1枚で名曲がまとめて聴ける。ピクサーファン必携のアルバムだ。なお、日本盤は米オリジナル盤から2曲が削られ、代わりに『トイ・ストーリー』と『モンスターズ・インク』の日本版主題歌が収録されている。

 : ディズニー・ピクサー・グレイテスト

2008年8月17日 (日)

アナログ・シンセをこの手に「シンセサイザークロニクル」

 紹介が遅れましたが、知人のpolymoogさんや田中雄二さんが関わった『シンセサイザー・クロニクル』が7月30日に発売されました。

 学研から刊行されている『大人の科学マガジン』の別冊。付録にアナログ・シンセサイザーがついたMOOKです。シンセサイザーのしくみ、歴史、楽しみ方など、音楽家のインタビューをまじえて構成されています。『大人の科学』という本の性質上、初心者にもわかりやすい内容になっていますが、その充実ぶりは、マニア向けと言ってもおかしくない。

 YMOの3人(細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏)に松武秀樹が話を聴くインタビューをはじめ、冨田勲、植松伸夫、安西史孝、浅倉大介らが登場。安西史孝氏の『うる星やつら』劇伴裏話はサントラファンにもおいしいですよ。

 モーグ博士とmoogシンセサイザーの紹介、シンセサイザーの技術的進化史、日本の3大シンセメーカー・ローランド、KORG、YAMAHAの開発者の談話、ヴィンテージ・シンセ・ミュージアムなど、読み物も充実。豊富に掲載されたシンセサイザーの写真は見るだけでも楽しいし、電子楽器好きにはこたえられないでしょう。

 付録は、電池で動作する組立式アナログ・シンセサイザー。デジタル・シンセなら簡単ですが、アナログ・シンセをふろくにしてしまうなんてスゴイ! その開発秘話は、『大人の科学』サイトで「緊急連載 ふろくシンセのできるまで」という特集ページになっています。

 楽器を知ると音楽の楽しみ方も広がりますよ。ぜひ、手にとってみてください。

大人の科学マガジン別冊 シンセサイザー・クロニクル

 : シンセサイザー・クロニクル

大人の科学マガジン Vol.17 ( テルミン )
 こちらも大ヒットでした。演奏できるミニ・テルミンがついた1冊。

 : 大人の科学マガジン Vol.17 ( テルミン )

電子音楽 in Japan
 田中雄二さんによる、もはや“古典”の名著。2001年の初版に訂正を加えた第2刷が発売中。レア音源を含むCDつき。

 : 電子音楽 in Japan

2007年6月22日 (金)

さようなら朝日ソノラマ

 出版社の朝日ソノラマが9月いっぱいで営業を停止、解散することになりました。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0706/21/news101.html

 朝日ソノラマといえば、特撮ファンには特撮専門誌『宇宙船』や「ファンタスティックコレクション」、コミックファンにはサンコミックスや『マンガ少年』『ネムキ』、SFファンには『吸血鬼ハンターD』や『クラッシャージョウ』を生んだソノラマ文庫で知られていると思います。

 が、私にとっては、やはり、ソノシートですよ。60、70年代に朝日ソノラマが発売したテレビまんがや海外ドラマ、コミックスや企画もののソノシートは、「絵と音」で空想の世界に誘ってくれる、夢のアイテムだったんですね。赤いぺらぺらのシートをポータブルプレーヤーで繰り返し聴いたものです。
 記憶にあるのは、『ウルトラマン』などの怪獣を集めた「怪獣図鑑」のシリーズと『オバケのQ太郎』(これは今でも実家にある)、それと、ゴジラ映画。

 後年、これらのソノシートがCDで復刻される機会が何度かありました。
 その嚆矢は、コロムビアが1989年に発売した「名盤復刻!朝日ソノラマ テレビ漫画大全集」のシリーズ。もともとはアナログLPとして発売されたもののCD化でした。これはドラマも含めて復刻した貴重な商品で、今同じものを出すのは、諸権利の関係から難しいかもしれません。

 次に、東芝の「朝日ソノラマ主題歌コレクション」シリーズ。これは歌のみを集めた、2枚組×4タイトルのボリュームでした。テレビ用のオリジナルだけでなく、ソノシートだけの企画ものも収録された画期的なコンピレーション。しかし、2003年と比較的最近の商品ながら、すでに廃盤。

  

  

 現在、唯一入手できるのが、東芝の「アニソン100」というアルバムです。上に紹介した「朝日ソノラマ主題歌コレクション」を3枚のCDに再編したアルバムで、タイトル通り、100曲収録。ただ、あんまり珍しい曲は入ってないかも

アニソン100

 : アニソン100

 あと、朝日ソノラマといえば、サンコミックスとソノラマ文庫の前身である、サンヤング(SFロマンヤング)シリーズにも思い入れが強いんですが、それはまた別の機会に。

 と思ったんですが、ちょっとだけ。
 今年(2007年)1月の実写映画『どろろ』の公開に合わせて、アニメ版放映当時(1969)、辻真先が書いた『小説・どろろ』が復刻再刊されたんですよ。これが、当時の装丁、造本、広告まで再現した感涙もので…。手に取ると小学生時代にタイムトリップしてしまいます。しかも、イラストはアニメ版の作画監督・北野英明! ソノラマ文庫でも再刊されたことがあるけど、単行本の形で再発されたのがうれしい。これも、早く買わないとなくなっちゃうんだろうなぁ…。

小説 どろろ (辻真先) 

 : 小説 どろろ

 仕事の上では、『宇宙船』誌上で「空想音楽探検隊」を連載させてもらったり、『爆竜戦隊アバレンジャー』の記事で羽田健太郎先生を取材させてもらったり、お世話になっていました。あまり制約がなく、やりたいことをやらせてもらえる、ありがたい媒体でした。マンガまで描きましたからね。

 『宇宙船』が休刊したときは、「またいつか…」と思っていたんですが、それもかなわなくなりました。残念です。そして、ありがとう。

ウルトラマンメビウス アーカイブドキュメント

 最後のファンタスティックコレクション…

 : ウルトラマンメビウス アーカイブドキュメント